こころ(DOAXVV)─変態オーナーはんとうちの調教日記─ 作:羽吾人
「あっ、あんっ、あんっあっ……! はぁっ、はぁっ……んんん~~~っ……!」
ヴィーナス諸島にバカンスに訪れたうちたちには、高級リゾートホテルの一室が貸し与えられています。一人でいるにはちょっと寂しいくらいの広い部屋。フルオープン窓から外を見れば、どこまでも続くような青い海と、広い空の大パノラマに圧倒される。
「あかんっ、あきまへんオーナーはんっ、うちっ、おかしくなって……んあっ、あんっ、あぁぁんっ……イクっ、待って、待ってくださいオーナーはぁん……!」
そんなホテルの一室で、うちはオーナーはんと肌を重ねていました。しかも今日は特別長い時間、うちの身体はオーナーはんの好き勝手にされてしまってるんです。
今日オーナーはんの仕事がお休みや言うから、それなら、とうちに付き合ってもらおうと思って部屋にお呼びしたんや。たまのお休みやし、二人でゆーっくりくつろごうかなぁって。せやけど、うちは忘れてました(別に忘れてへんかったんやけど……)。オーナーはんの性欲の強さを。
オーナーはんは普段、他の女の子たちの前では純情な人間を装ってはります。女の子たちの水着を見るだけで耳まで赤ぅしてしまうから。それを、たまきさん辺りは面白がって、変に距離を積めたりしてからかうんやけど、うちはオーナーはんとお付き合いするようになってそれがただの擬態やったいうことが分かりました。
まぁ、そんなうちかて、こういう関係になるまでは、他の子たちと同じように思ってたし、たまきさんほどやあらへんけど、挑発的になってみたりしたことはあったんやけど。
ともかく、オーナーはんは常軌を逸してスケベなんです。変態なんです。異常性欲者なんです。
せやから、うちに呼ばれて部屋に来たとき、すでにオーナーはんのあれは服の上から見てわかるくらい大きくなってはったし、うちを見る眼も、身体から発散される空気みたいなものも、それはもう、触れた瞬間火傷してしまいそうなくらい、性欲が高まってはりました。
オーナーはんはうちに抱き着いてベッドに押し倒し、唇を求めてきました。そういうつもりやなかったんやけど、なんでやろな、うち、オーナーはんに求められるとどうしても応えてあげな、と思ってしまうんです。オーナーはんの舌を口で受け入れ、唾液を交換し合い、長く、ねっとりとした、しつこいキスを交わしました。
うちの頬っぺたや、耳の裏側、顎の付け根なんかを舐め回すオーナーはんに、部屋着のパーカーをはぎ取られ、うちはあっという間に素っ裸にされてしまいました。オーナーはんは流れ作業のように、舌のターゲットを胸や腋の下、お腹に変え、ねぶり回します。
うち、お腹をそうやって愛撫されるのには弱くって、腰をくねらせて逃げようとするんやけど、オーナーはんは放してくれません。むしろ、うちが逃げようとすると、うちの弱点がそこやって分かるんやろな、逃がさないようにして、ぺろぺろ舐め続けます。しかもおヘソに舌を突っ込んだりして、うちのお腹を徹底的に責めるんです。うちは、くすぐったくて、こそばゆくて、それが少しずつ気持ちよぅなってきて……。
「あきませんっ、オーナーはん、そんなにしたらあきませんよ……! え……“じゃあ、どこならいいの”って……そ、それは……」
オーナーはんは顔を引き、舌とうちのおヘソとの間に唾液の糸を引かせながら問いかけました。そんなの、もう分かってるはずやん。せやけどオーナーはんは、それをうちに言わせたいんです。“こころが嫌がることはしたくないんだ”とか言うて。
抱き着かれて、揉みしだかれて、舐め回されて……そういうことをされる前なら、ほな一緒にお茶でも飲みましょか、て言えるんやけど、オーナーはんに愛撫されたうちの身体も、すっかりスイッチが入ってもうたから、そんなことはできへんかった。
「あそこが、ええです……」
あそこってどこ、とオーナーはんは言います。ほんま、いけずで、スケベなお人やわ。
「うちのあそこ、舐めてください……」
だからあそこってどこ、と、オーナーはんは訊き直します。オーナーはんはうちがあそこのことを○○○って言うまで触ってくれません。何回言うても慣れへんけど、うちは、オーナーはんにしてもらうために、その俗っぽい言葉を唇に乗せます。
「うちの、おマンコを舐めてください、オーナーはん……」
するとオーナーはんは、待ってましたとばかりにむしゃぶりつきはります。うちの下腹部に顔を埋めて、舌を伸ばし、頭をむちゃくちゃに振るって、うちのおマンコをねぶり回すんです。
じゅるじゅるっ、じゅばっ、ずぞぞぞぞぞ……うちのあそこがすごい音を立てます。けど、オーナーはんの舌は、はたから見るよりは全然暴力的ではなくて、肉裂を開かせ、包皮を剥き、陰核を丁寧に刺激して、それから、うちの中に入り込んでくるんです。たっぷりの涎をまぶしながら、長い舌を、うちの中に……。
「んっ、んんっ……」
オーナーはんの舌は、蛇みたいに身をくねらせてうちの中を刺激しはります。ぴんっと力を込めた先端がぷっくりと盛り上がったうちの肉壁をすり上げる。甘い痺れが身体の芯を駆け上がり、脳に針となって突き刺さる。頭の中にぱっと桜色の火花が散って、じゅわ……あそこに蜜があふれていくのが分かります。その蜜を、淫らな蛇はすすらはる。
「オーナーはん、う、うち……もう……」
いやらしい蛇はうちの中で暴れ回る。でも、うちが一番触れて欲しいところには触らへん。背中に手を回しても、かゆいところには指の先がちょっと触れるだけで、決してかゆみを解消できんように。蛇は、わざとそうしないんやろか。それとも舌先の蛇では届かないんやろか。恐らくどっちもやと思う。
せやけど、どっちがその理由かなんてどうでもええ。うちは、うちの今疼いて疼いてたまらへんところに触ってくれへんいうことが、もどかしいんです。
すると、蜜壺でくねっていた蛇が、オーナーはんの舌が、あそこから離れていきました。閉じ込められていた熱がクレヴァスからほわっとあふれ、物足りなさが加速する。唾液と愛液を口から滴らせながら、オーナーはんは今度は右手の指を、うちの中に入れてきはった。
「ふあぁっ……んっ……」
舌を抜かれて閉じかけていた肉唇を割り広げて、二本の指が侵入する。手首を左右にひねりながら指先をねじ入れ、あそこをこじ開けながら進んできはった。舌の蛇よりも硬くて節くれた、二本の指が、より滑らかに動いてうちを広げようとする。その動きの一つ一つに、皮膚を筋肉に包まれた硬質な骨の存在が感じられ、下腹部の肉が圧迫されるのを感じました。
肉ひだをかき分けながら、奥へ、奥へと入り込んでくるオーナーはんの逞しい指。その先端が、うちの底の部分にちらりと触れました。それだけで、うちのお腹にキュンキュンとした疼きが生じます。せやけど、それでも、まだ足りひん。まだ、うちの欲しい場所には、届かへん。
指が、ねじられ、押され、引かれ、曲げられて、うちの中で静かに暴れ回る。硬くてほんのり冷たい爪の曲面が、こりこりと硬くなったうちの肉壁をこすります。小さく細い針で刺されたような感覚が、うちの手足に力を込めさせる。入り込んだ指を逃がさないよう、うちのあそこがぎゅぎゅっと締まりました。
でもオーナーはんの指は潰せません。オーナーはんはそのまま指を推し進めるとうちの中で鉤爪を作りはった。このとき、指先が触れたのは、ちょっと弾力があって、まるでうちを感じさせるスイッチみたいな……
「んっ、んぁんっ、そこっ、そこはっあかん、オーナーはんっ、うち、イッ……」
うちが言い終える前に、オーナーはんはそのスイッチをもう一度押しはった。Gスポットに与えられた二連続の刺激が、うちの腰を跳ねさせる。お尻が石みたいに硬くなって、お腹の中がより締めつけられる。そして、
びゅばっ!
ぶしゅーっ!
反り返ったうちの土手から、天井に向かって半透明の液体が噴射されました。鯨はんの潮吹きみたいに飛び出した液体は、弧を描いて、その重みでベッドに滴り落ちる。噴射は一度だけでは終わらず、うちのあそこが収縮を繰り返すと、二度、三度と敢行され、そのたびに勢いは落ちていくんやけど、でも量は増えているみたいで、ベッドの、うちのお尻がバウンドする部分には水たまりができていました。
「はぁ、はぁ……はぁー……」
うちが気をやったから、あそこが緩み、オーナーはんが指を引き抜きます。すると、ぽっかりと空いたうちのあそこに空気が入り込んできて、緩んだ肉穴が締まりを取り戻そうとするとき、空気が押し出され、ぶっ……という音が鳴ってしまいました。
「あっ、いやっ、オーナーはん、聞かんといて……っ、これ、恥ずかしぃ……」
顔がかあっと赤くなる。うちは両手で顔を覆うんやけど、それより、空気を吸い込んでは押し出し、異音を鳴らすあそこを隠した方がええかもしれん。でも、おならみたいな音を聞かれて、真っ赤になったうちの顔を見られるのも嫌やった。
「え……? “こころのマン屁、可愛いよ”……? そ、そんな下品なこと言われても、嬉しくありまへん……っ!」
口ではそう言うんやけど……心の中では、オーナーはんの言葉に喜んでいるうちもいます。
オーナーはんはいつも、うちのことを“可愛い”言うてくれます。初めてのとき、今まで感じたことのない感覚に顔がゆがんでしもうても“可愛い”言うてくれました。あそこを開発されて、気をやりながらおしっこを漏らしてしまうても“可愛い”。おほっ、とか、えげっ、とかそんな声を上げてしもうても“可愛い”。思わずおならが出てしもうても“可愛い”。
“可愛い”。
“可愛い”。
“可愛い”。
“可愛い”。
“可愛い”。
“可愛い”。
“こころはとっても可愛い”。
“どんなこころでも可愛いよ”。
想い人にそう言われて嬉しくない人は、きっといません。そしてその喜びが、ベッドで肌を合わせているときの快感と混じり合って、身体だけやない、心までもいっぱいに満たしてくれるんです。
せやから、“可愛い”言うてもらって、もっと気持ちようなるために、うちはえっちになります。スケベなあんたはんと同じように、えっちで、スケベで、変態になるんです。
「そろそろ、うち、我慢できへん……。あんたはんのおチンチン、うちのおマンコに入れておくれやす……」
オーナーはんは小さく顎を引いて頷くと、逞しくいきり立ったペニスをずぃと突き出しはった。子どもの腕みたいに太い竿、名前の通り亀の頭みたいにぐりッと突き出した先端は血が固まったみたいに真っ赤です。炙られた鉄みたいに熱いのに、ゴムみたいな弾力があって、人を傷つける凶器にも人を愛する道具にもなる不思議なモノ。
オーナーはんは、その逸物をうちのぱっくり開いた割れ目にあてがい、竿を扱きながら前後させます。うちからあふれた愛液と、オーナーはんからあふれた我慢汁が混じり合う。男と女、陰と陽、相反する二つのものがお互いに溶け合うことで中和され、結ばれる準備ができました。
ずぶり……膨らんだ亀頭が「んっ……」うちのあそこを「はぁ……」押し広げて、うちの中に「んんん……」入り込んできます「んはぁっ」。すごい熱がうちを、身体の内側から炙っているみたいな感覚。「あ……あんっ」身体をこじ開けられて引き裂かれてしまいそう「ふぅ……ぁっ」になっているのに、うちは体内に侵入した異物を、まるで自分のものみたいに呑み込もうとしていました。
「はぁっ、んぁっ、はぅぅ……あんたはん……」
でもうちの身体にとって、それはまだ、うち以外のモノ。それ以上の侵入を防ぐためにぴちっと肉の壁を閉じ、腰はくねりながら逃げようとします。だって、それを受け入れてしもうたら、うちは、快感で蕩けてしまうから。うちの頭の中が、快楽の花火で焼き切れてしまいそうやから。
せやけど、それを怖い思う一方、そんな感覚に身を任せてしまいたいいう気持ちになるんです。ううん、身を任せたい。うちはうちという桜木から喜悦の嵐に吹き飛ばされ、ただただ悦楽の海を揺蕩う花びらの一枚になりたい。
「お願いします、あんたはん、うちを、うちを気持ちようしてください……」
オーナーはんはぐぃっと腰を押し出しました。お腹に溜まった空気が潰れ、内臓が圧迫される。その息苦しさ以上の一体感、多幸感が全身を満たしていきました。
「んあぁぁっ、来て、来てください、あんたはんっ……!」
オーナーはんはうちに覆いかぶさるようにして、さらに深い場所まで潜り込んできました。
──それが、この日の始まりやった。
「あかんっ、あきまへんオーナーはんっ、うちっ、おかしくなって……んあっ、あんっ、あぁぁんっ……イクっ、待って、待ってくださいオーナーはぁん……!」
何度気をやったか、もう憶えてへん。それはうちもオーナーはんも一緒で、いまだにうちの中に残り続けて引き抜かれることのない陽根は、硬さも太さも変わることなく、精を吐きながら抽送を続けてはった。
どれくらい時間が経ったんやろか。気持ちよさと疲れでかすみがかった視界に映る空の色は、眼も覚めるような真っ青な空から、眠りにいざなう茜色に変わっているように思います。四十八手を三度繰り返してもまだ足りないくらいの時間、うちとオーナーはんは密着し続けていました。
うちがイクと、オーナーはんもイク。女の子の快感は波や。小さな波が断続的にあり、その最中にひときわ大きな波がやって来る。小さな波はそのあとも続きます。男の人は違うらしくて、射精というゴールに向かって高まっていき、達した後は気持ちがしぼんでしまうそうです。
せやけどオーナーはんは、うちの中で果てた後も腰を動かし続けます。うちが小さな波に揉まれている間もペニスを出し入れして、またうちに大きな波を叩きつけはりました。オーナーはんも射精するんやけど、それでもまだ……。
そういうことを繰り返しているから、うちを襲う小さな波は絶えることなくうちに浴びせられ、うちは快楽漬けにされてしまっていました。何度も何度も気をやって、休む暇もなく、体位を変えさせられてはオーナーはんの熱い精を注ぎ込まれ続けました。
そろそろ休みませんか、言うても、オーナーはんは“こころと離れたくない”の一点張り、お昼ご飯でも食べませんか、言うたら、うちと繋がったまま、備え付けの冷蔵庫から食料を取り出して食べ始めました。うち喉が渇いたわ、と言えば、うちの腰を抱いたままスポーツドリンクが置いてあるところまで歩いていき、二人羽織みたいにして飲ませてくれます。
「あっ、あっ、あっあっ、あーっ、んぁぁーっ……」
うちは精も根も使い果てて、ベッドにうつ伏せになり、枕に顔を押しつけて、喘ぎ声を出すだけの何かになり果てたみたいやった。オーナーはんはそんなうちのお尻を引っ張り上げて、変わらぬ力強さでピストンを続けます。あっイクっ。
じょわわわ……。
オーナーはんの熱を感じている陰部に、別の温かさが生じ、緩んだ尿道から半透明のおしっこがこぼれ出しました。潮吹き、なんて勢いがあったのは最初の方だけ。今では垂れ流しや。その液体を浴びて興奮したようで、オーナーはんは何度目かも分からない射精をしました。蜜壺の中のペニスが脈動し、吐き出される精液。こちらも、最初のような勢いはあらしません。
どうもそれが最後やったらしく、オーナーはんは腰を一つ大きく震わせると、塊のような息を吐いて腰を引き始めました。
オーナーはんは、半分眠っていたようなうちの腰に腕を回して引き起こすと、膝立ちになるよう言いました。まだ、オーナーはんのものは入ったままです。それからオーナーはんは、いつ用意してはったのか知らんけど、サイドボードからグラスを手前に引き寄せると、うちに持たせ、足の間に置くよう言いました。
そして、あれを引き抜くと同時に、
どぽっ!
くぐもった水音を鳴らしながら、うちのあそこから大量の精液がこぼれ出してきます。恐らく一〇回は超えていそうな射精やったと思いますけど、それだけのザーメンが、うちのあそこから、うちが置いたグラスに溜まっていきました。
「す……すごい……」
ずっしりと重たくなったグラスを持ち上げて、うちも思わず感嘆しました。いくら一日中言うても、ひとりでこんな量を出せるやなんて……オーナーはんは常軌を逸したスケベやけど、精力の方もかなりのものや。あの、お股にぶら下がってはるお玉さんの中で、こんなにいっぱいの液体が作られてるいう事実に、驚かされます。
うちがすごいなぁ思いながらグラスを眺めていると、
「え……? こ、これを飲むんですか……? 一気に?」
やっぱりオーナーはんは変態や。スケベや。異常性欲者や。うちのあそこに注ぎ込んだまま何度も抽送を続けて、うちの愛液がオーナーはん自身の精液かも分からなくなったものをローション代わりに、あれを扱きながらそんなことを言いはった。
オーナーはんはうちに精液を飲ませたがります。お口でしてあげたときはもちろんのこと、お手手や胸でしてあげるときもそうやし、初めてのとき、そうでないときでも、
「せ、せやけど、この量はさすがに……」
うちはそのお願いを取り下げてくれへんかなぁ思うてちらちらと視線を送るんやけど、オーナーはんは“この通り”“お願いします”と頭を下げて、なんならベッドの上で土下座までして頼み込みます。……そうしながらもあれを扱く手はやめないんやから、ほんま、並々ならぬスケベなお人や。
でも……うちは……
「分かりました、飲みます。飲めばええんでしょ。ほな、見ててくださいね。うちが、オーナーはんが一日中うちのあそこに出し続けはった、いーっぱいの精液、ごくごくって飲むところ見て、おチンチン扱いたらええやないですか」
うちも、変態なんです。スケベに、されてしまったんです。オーナーはんにお付き合いしているうちに、そんなつもりはないのに、うちの性欲も異様に高められてしまって、オーナーはんの提案する変態行為に興じてしまう、淫らな身体になってしまったんや。
「いただきます。……いきますよー……んぐっ……ごくっ……」
うちは、オーナーはんがギラギラと血走った眼を剥ける前で、唇に当てたグラスを傾けました。むわ……と、すさまじい匂いが鼻孔を貫きます。まるで鼻先に一発いいのをもらったみたいに、衝撃のない痛みが顔を分断したみたいやった。シラフのときやったら、えずいて、吐き戻してしまいそうな匂いが、顔に浴びせられるんです。
「ぅぶっ、ぇっ、おぅ……んぐっ、ぐぐぐっ、んぐぅっ……」
でもうちは、グラスを傾けるのをやめませんでした。最初の方に出されたこの上なく濃ぉい精液は、うちの奥の方に溜まってたわけやから、グラスの一番上の層を構成してはります。粘度が高くて、匂いも強くて、量も多い……これが、うちの喉に入り込むんやけど、えらいネバネバしてるからスライムを呑み込んでるみたいな感じです。
「ずずーっ……んずっ、ぐぶっ……ぶっ、くぶぅ……!」
次の層は少し薄くなってはった。片栗粉を水で溶いたみたい。でも最初の濃いのよりは流動するので、これが一番搾りの特濃精液をうちの食道に押し込んでくるんです。この層が一番量が多くて、単体であれば飲みやすい粘度なのかもしれへんけど、第一層を嚥下し終わってない状態では、厳しいものがありました。
「おぶっ、ぶぶぶぅっ……んーっ、はぅ……んぐっんぐっんぐぅっ……!」
そして第三層は、二層に比べてもさらに薄い。三つの層を形成する精液を、それぞれ別のグラスに分けてみれば一目瞭然やと思います。でも、水とほとんど変わらないような粘度のこの第三層には、第一・第二層とは違う特徴がありました。それは、ゼリー状のものが混じってはることです。
第一層の濃さは、緩いゼリーみたいなものと言ってもええでしょう。でも、それは精液全体がゼリーになっている、固体と液体の中間みたいな状態の精液なんです。この第三層は、ねばつきも少なく匂いも薄い中に、粒粒がいくつも混じってはりました。ゼリー言うよりも、小粒のグミに近いのかもしれへんかった。
第二層とともに、まだ喉に残る第一層のザーメンゼリーを押し流す第三層の流れに取り残されたグミ精液が、口の中に残ります。歯の表面、舌の裏側、喉……なんとか唾を分泌して呑み込んであげへんと、いつまでも残っていそう。今日はいつもより歯磨きせなあきまへん。
「んっ、んっ……んふぅ……の、飲みましたよ、あんたはん。ごちそうさまです……」
うちは空になったグラスと、精液がなくなったお口の中を、オーナーはんに見せました。開け放った口に入り込む空気の流れが、口腔に溜まった精液の饐えた匂いを鼻孔に運びます。喉がぐるぐると振動したので、うちは口元を手で覆いました。
「ぅ……け、ぷ……っ」
戻しはしなかったんやけど、ちょっとゲップが出てしもうた。ただでさえ人前でゲップをするなんて下品なことしたくないのに、オーナーはんの前で粗相するなんてできへん。せやけど……もうみなさん分かってると思いますけど、そう、オーナーはんは変態なんです。
「“こころが思いっきりするゲップ、聞きたかったな”……? あほなこと言わんといてください。そんなの、絶対に嫌です」
うちは空になったグラスをベッドの上に放り、ふんとそっぽを向きました。するとオーナーはんが膝でにじり寄ってきて、うちの顔に手を伸ばします。そうして、自分の方に顔を向けさせると、いきなり唇を奪ってきました。
「んちゅ……お、オーナーは……んぢゅるっ、んはぁ……」
うちの唇を塞いだオーナーはんは、舌を入れ、口の中をねぶり回します。舌同士を絡め、歯の表面を撫で、唾液と、かすかに残った精液を舐めとります。……たしかに、精液はオーナーはん自身が出したものやけど、世のかなりの数の男の人は、自分のペニスを舐めさせた相手とキスをすることは嫌がるいう話を聞きました。それもそのはずで、だってペニスはおしっこをするところでもあるんやから、自分のものと間接キスなんてしたくないいうのは自然なことやと思います(それを言うたら、
でもそこはそれ、オーナーはんの変態度のなせる業です。オーナーはんは、うちに“おしっこを飲んでも平気なくらい”“お尻の穴を舐め回したいくらい”ってな枕詞を使って、うちに“好き”てことを伝えてくれます。そんなうちに、自分の汚いところから出たものを舐めさせておいて、そのあとにキスをしないのは変だ、言うのです。
世間さまがオーナーはんの言うように変かどうかは分からないんやけど、少なくともオーナーはんは変態です。でもオーナーはんの、その変な部分を、うちは……あかん、こんなことまでは、さすがに言えません。
「んっ、ちゅ……あんたはん、これ、どうしはったんです……?」
いつの間にかうちの方からも、オーナーはんの口づけに誘われて自分から舌を出していました。オーナーはんの背中に手を回し、動物が肉を貪るように、オーナーはんの唇にしゃぶりついていました。
オーナーはんと密着したうちのお腹に、それが当たってはる。
「“こころが可愛すぎるから、また立ってきた”……? ふふっ、ほんま、お元気なお人。でも、うちももう疲れてしもうて……お風呂であったまって、ぐっすり眠りたいです」
そう言うとオーナーはんは分かったと言って、うちの腰に腕を回し、ぐぃっと持ち上げました。ひゃぁっ、と短い悲鳴を上げる間もなく、オーナーはんは抱え上げたうちを連れて、バスルームまで歩いていきます。
「い……“一緒にシャワーを浴びよう”? “身体の隅々まで洗ってあげるから”……? もう、うちはそろそろ休みたいんです。オーナーはんとお風呂に入ったら、またしてしまうやないですか……」
うちの予想通り、オーナーはんはお風呂でもうちを求めてきました。結局その日は、うちとオーナーはん、朝から晩まで……どころか、朝から次の朝まで、ずぅっと一緒にいたことになりました。ほんま、オーナーはんは常軌を逸したスケベな人です。