こころ(DOAXVV)─変態オーナーはんとうちの調教日記─ 作:羽吾人
「オーナーはん、ハッピーバレンタイン! プレゼントはうち……なんて──」
と、言い終える前に、どうしようもなくスケベで、頭の中がいやらしいことでいっぱいのオーナーはんは、まさに飛びかかるようにしてうちの身体を抱きしめました。やろう思えば、そんなオーナーはんをいなして関節を極めたり投げ飛ばすことは容易ですし、そんな勢いで突っ込んでこられたらカウンターで簡単に弾くことができますけど、うちが誘ったようなもんやさかい、受け入れへんいうわけにもいきません。
「あっ、ちょっ……オーナーはん、がっつき過ぎですえ……もうちょっとムードとか大切にして欲しいんやけど……んぁっ」
今日はバレンタインデー。昔の人は“一年一度のチャンス”なんて歌ってはりましたね。原義としては、西洋で当時は禁じられていた恋を祝福した聖人を祭るお祝いだったそうやけど、次第に、普段お世話になっている家族や友達への感謝を表す日になり、日本では恋人にチョコレートを送るイベントになりました。でも段々と“友チョコ”いう文化に推移していき、ある意味では原点回帰したいうこともできますね。最近では、自分へのご褒美に高級なチョコを買ういう人もいはると聞きます。
「んちゅっ、ぱっ……オーナーはん、ほんまにうちのこと食べるおつもりですか……? いつもよりぎょうさんキスしてくれはりますね……んっ、もう、オーナーはんはおっぱい好きやね……せやけどそんなに吸うたかてなにも出まへんよ」
そういうわけやから、このヴィーナス諸島に集まった女の子たちと、昼間はお菓子の交換会なんかをしました。島で仕入れているものやわざわざ取り寄せた高級なチョコ、手作りのお菓子なんかを送り合ってみんなでパーティをしたんです。そしてその夜のこと……。
「あっ、お……お腹は弱いんです……知ってるでしょ……んっ、ふっ、はぅ……あ、あきまへんオーナーはん、そないにされたら、うち……ひゃあっ! おヘソに舌を入れるのは反則ですえ……んんんっ……!」
そのパーティのときに、たまきさんからは自分をプレゼントに見立ててラッピングして意中の人の部屋を訪れるといいいうような話がありました。かすみさんやみさきちゃんはその光景を想像したのか頬を赤らめ、あさねさんはそっぽを向き、フィオナちゃんはなにやら真剣な顔になり、そしてそのたまきさんはエレナさんにお叱りを受けてました。別にその話を真に受けたわけとは違くて、むしろアホらしなぁと思いはしたんやけど、うちのオーナーはん、多分そういうのがお好きなんやろなぁ思うて実行に移してみた結果が……予想から一ミリもずれることなく、これや。
「ふあっ……あんっ、そこっ、そこ……オーナーはん、あかん、あきまへんて……あんっ、あっ、あっ……そんなにやらしい音立てへんでください……! え……『やらしいのはこころの方』って……ちゃいます、うちは……んはぁっ!」
ドアの前で抱きすくめられ、唇を奪われたうちは、そのまま露出させられた乳房に吸いつかれ、おヘソに舌を入れられてねぶられ、今はあそこを丹念に舐め上げられてます。オーナーはんはうちの脚の間に顔を突っ込み、鼻息荒く、舌を蛇のように動かしてうちの中に入ってこようとしてました。
べろべろと動き回る卑猥な蛇を追い出すように、うちのあそこがぴたりと閉じる。でも蛇は、その閉じた裂け目をこじ開けて暴れます。侵入者を拒めないと分かったうちの身体は諦めモードに入り、あそこを濡らし始めました。媚肉の中で分泌された愛液がこぼれてオーナーはんの舌で攪拌され、クレヴァスをほぐしていくんです。
「はぁっ、はっ、あかん、オーナーはん、うち、イッ……」
うちは、まるでアレが大きくなったのを知られたない男の子みたいに前かがみになって、股間に顔を埋めたオーナーはんの頭を支えにお尻を震わせました。激しく蠢く淫靡な舌から送り込まれた刺激がうちの身体をピリピリと痺れさせていきます。刺激の一つ一つは小さいけれど、最初の刺激が脳に届く前に次の刺激が合流してより大きな波となり、それがいくつも連鎖することで塊となって襲いかかってきますから、うちはそれで、気をやってしまいそうになります。
ぱかっ……下腹部に、穴が開いたような感覚がありました。そこから自分の中にある、なにか形のないものが抜け落ちてしまいそうな感じ。もちろん、これは錯覚なんやけど、その空白を埋めるようにして気持ちよさがパンパンに詰まって来るんや。
「あっ、はっ、はぁっ、んっ……はぁ……ふぅっ……」
うちはオーナーはんの頭を鷲掴みにして、前に突き出した顔を弛緩させて荒く息を吐いています。唇から漏れた唾液が顎に落ち、喉を伝うものと床に落ちるものが分かれるのが分かりました。多分、今の格好をはたから見たらさぞ間抜けなんやろなぁと思いました。
そんな間抜けな格好のうちを、股間から顔を離して立ち上がったオーナーはんが直立に戻してくれました。せやけど、うちがちょっと見上げるオーナーはんの顔もなかなかに出来上がっています。あそこを舐め回すとき息を止めてはったのか、耳まで真っ赤に染まっていて、顔中に粘着質な液体をまぶしていました。オーナーはん自身の唾液がほとんどやと思いますけど、口の周りにべっとりとこびりついてるんは、うちの……その、愛液かなぁ思います(え? 逆? うち、あないびしょ濡れになるほどいやらしい女と違いますえ)。
「オーナーはん……ん……ちゅ……」
オーナーはんとほんの一瞬見つめ合ったのち、うちはオーナーはんの首に腕を回して唇を重ねました。オーナーはんは、自分のものを咥えたうちの口にいつも迷わずキスをしてくれます。うちがお尻の穴を舐めてあげたときかてそう。でも、うちのあそこを舐めたあとはちょっとキスをためらうみたい。せやからそんなときは、うちからしてあげます。
さっきとは違う、うちの味の混じったキスをしているとお腹を押し上げてくるものがありました。火箸を当てられているのかと錯覚するほど熱い、でも鉄のような冷たい硬さはない、しなやかで逞しい男の人のそれや。
唾液の尾を引いて離れた唇が動きそうになったので、うちは立てた人差し指でその言葉を封じました。オーナーはん、バレンタインに絡めてロクでもないことを言おうとしたに決まってます。そないなこと言われたらせっかくのムードが台無しや。
でも、うちがして欲しいことは、言わんでも分かるでしょ? だってうちにも、オーナーはんがなにをしたいのか、なにをして欲しいのか、分かるんやから。
オーナーはんは小さく頷くと、うちの手を引いてベッドまでエスコートしてくれはりました。うちがベッドに仰向けになると、覆いかぶさるようにして三度唇を合わせます。オーナーはんの肩の上から背中に手を回し、左右の手指をがっちりと絡める。うちもオーナーはんの身体の下から逃げ出せんけど、オーナーはんも、これでうちから逃げることはできまへん。
「ちゅぱっ、ぢゅ……んふっ、ふー……ちゅ、じゅる……んぶぅ……」
酸素の代わりにお互いの体液を飲み合うような口づけをしながら、オーナーはんはうちに身体を押しつけてきました。殴り合いになれば、十中八九、うちが勝ちます。せやけどオーナーはんも男の人、それなりにしっかりとした体躯をしてはります。男の人らしい雑な皮膚の下に、熱く動く筋肉があり、密度の高い骨があって、そんな全身を、うちに覚え込まそうとしてはるみたい。
今さらそないなことせんでも、うちの身体は、もうあんたはんのすべてを覚えてますえ。それともオーナーはん、昨日うちを抱いた自分自身に妬いてはるんやろか。昨日の自分に嫉妬して、今日のあんたはんをうちに教え込みたいんどすな。なんや、スケベで変態でやらしくて、でもうちを始めとして島の女の子たちを導いてくれるお人やのに、子どもっぽくいじらしい面もあって、可愛く思ってしまいます。
そう思うと、顔を涎まみれにしてうちの乳房を吸う様子なんか、赤ん坊のそれや。ぴんと張りつめた乳頭が、オーナーはんの唇ごとおっぱいに沈み込んで、引っ張り上げられるとなんや溢れてしまいそうな気さえします。
「ふあぁっ……っ、んんん~~っ……」
屹立した乳首にほどよい圧力と熱が加えられ、そのむず痒さ、心地よさに思わず声が出てまう。それまでよりもひときわ高い声に自分自身が驚いて、思わず手の甲で口を押えてしまいました。オーナーはんはそんなうちの仕草を目ざとく見つけ、うちの手首を掴んでベッドに押しつけます。両手を押さえつけられたまま、左右の乳首を交互に刺激されるとまた、声が出てまいました。
「ひゃっ、んんっ、あんっ、あ……オーナーはんっ、それ、それダメ……っ、ふぅ、んっ」
手が使えへんから下唇を巻き込んで口を閉じるんやけど、そうするとオーナーはんがぐぃと身を乗り出してきます。うちのおっぱいを大胸筋で押し潰しながらキスをし、舌で唇と歯をこじ開け、堪えようとした喘ぎ声を呑み込もうとするみたい。
「はぁ、はぁ……は、はー……オーナーはんのいけず……」
顔の内側に熱した石でも入れてあるみたいに、うちの顔がかっかかっかと火照ります。視界は温泉にいるときのように曇り、吐息の温度は炎と同じくらいに感じられる。いけずなオーナーはんは薄く笑うと、うちの手を引いて上体を起こさせ、自分は小さく腰を引いて、足をうちの方に投げ出しました。
うちを挟むように開いた脚の付け根に、反り立つものがあります。ぐぐっと力強く、緩いカーブを描きながら天井を睨む肉の塊。ずるりとめくれ返った包皮から飛び出した先端は血の色を放って生き生きとしてはる。むっと匂い立つそれに誘われたみたいに、うちは自然と顔の位置を低くしていきました。
「オーナーはんのこれ、えらい熱ぅなってはります。いただいても、ええですか?」
頭は下げてお尻を掲げた女豹のポーズで、顔の横に垂れる髪の束を耳にかけながら、上目遣いにそう言ってあげると、オーナーはんのものがぴくりと反応したように見えました。きゅっと閉じた唇の奥で、歯が噛み合うのが分かります。隠そうとしても無駄、喉仏の動きでお口の中に溜まった唾を飲み込んだのが丸わかりや。オーナーはんが、こういうポーズをしてくれる女の子が好きなのは、うちだけやなくて島の女の子たちみんなに知れ渡ってることですえ。
「ほな……いただきまぁす」
でも、こうしてオーナーはんのものをお口で奉仕してあげられるのは、うちだけです。鈴口から先走り汁を膨らませた亀頭に軽くキスをしてから、唇をかぶせていく。顔をねじりつつカリ首までを口腔に誘い込み、ちょっと眉根を寄せて、オーナーはんの方を見上げてあげながらもう一と頭を反対側にねじり、さらに奥へと入れていきます。
肉竿表面にじっとりとまとわりついた汗の匂いが、直接脳に突き刺さる。カウパー液の醸し出すアルカリ性の匂いと相まって、普段のうちなら顔の真ん中を殴られたような痛みに襲われていたはずや。せやけどオーナーはんとの愛撫で昂ってるうちの身体は、それを痛みとはとらえまへんでした。
「じゅぽ……ぐぽっ、じゅるっ、じゅっ、じゅっ……」
咥えたものに歯を立てないようにしながら、先端をえずくぎりぎりのところまで持っていきます。頬をきゅぅと窄めて肉棒に口腔内の肉を密着させると、分泌された唾液がそれにまぶされていきました。頭を引きながら、陰茎の下に沿わせた舌と全体を包んだ頬肉で涎を塗りつけていく。半分ほどまでを露出させたところで、もう一度咥え込みました。
ぐぽっ、ぐぽっ、じゅぶっ、ぶぶっ、かぽっ……
それを何度か繰り返してると、うちの口の中は自分の涎でいっぱいの蜜壺になっていきます。その分、オーナーはんの表面も濡れて滑りがよくなり、唾液を介して伝わるうちの体温で蕩けそうになっていました。
オーナーはんの息が荒くなる。眼が血走ってはります。前にも言ったことかもしれへんけど、うち、えっちのときに顔を見られるの、本当はちょっと嫌なんです。だって、気持ちよすぎて変な顔になってまうから。眼も鼻も口も全部だらしのうなって、可愛くなくなってるのが分かるんや。こうしてお口でするのも、あんまり可愛い顔とは言えへんやろ?
でもオーナーはん、ひょっとこみたいになってるうちの顔を見ても可愛い言うてくれはります。オーナーはんの“可愛い”は、“えっち”とほぼ同じ意味合いで、そんな風に言えば言うほど、オーナーはんのえっちな気持ちが高まってるいうことです。
オーナーはんの“可愛い”と、うちの思う“可愛い”は、ちょっと違うのかもしれまへん。せやけど、こうして肌を合わせているときに、そんなニュアンスの違いは些細なことや。オーナーはんが“可愛い”は言うてくれるなら、うちは、うちが可愛くない思う顔でも、なんでも見せて差し上げますえ。
「……ふふっ、オーナーはぁん、まだあきまへんよ。まだ我慢してくださいね」
口の中で、オーナーはんが硬くなり、微妙な振動を発しました。あ、イキそうなんや……というのは分かりましたけど、でも、自分一人だけ気持ちよぅなろうなんてあきまへん。もう二、三回、お口でペニスをしごいてあげれば達していたというところで、口を離しました。……うふふっ、オーナーはん、おもちゃを取り上げられた子供みたいな顔せんといてください。うちはマリーちゃんみたいな小悪魔とも、イタズラ好きな女天狗さんやたまきさんとも違いますけど、そないな顔されたら、ちょっとイジメたくなってまう。
「ちょっと場所変わりますね。……よいしょっと」
それまでオーナーはんが腰を下ろしていた場所にうちが膝立ちになり、オーナーはんはうちが押し倒されたときと同じように仰向けになってもらいました。それで、さっきまでと同じくオーナーはんの脚の間に上体を下ろしていきますけど、今度はもうちょっと身を乗り出して、肩からぶら下がる乳房を、身体の中心に寄せていきます。
左右の乳肉の間に、今にも破裂してまいそうなオーナーはんを挟み込みました。
「こういうのも、ええんでしょ? ね。あんたはん……」
左右の手を熊手──お料理するときの猫の手て言えば分かってもらえるやろか──にして、おっぱいを左右から、中心に挟んだペニスに押しつけていきます。ほどよい弾力のある乳房の内側が肉棒の硬さで沈み、手による圧力を緩和して、オーナーはんに適度な刺激を与えました。
お口でするより湿度が低く、でも圧力のある締めつけで、オーナーはんを責めていきます。おっぱいを押し込んだ掌底を前後にぐりぐりと、テンポをずらしながら回転させますこのときに肩を起点に回すので、肘と手首とで倍増された力がおっぱいにまで伝達していくんです。
オーナーはんはうちのパイズリがよほど気持ちええみたいで、顔を左右にねじって震えています。お尻がマットから浮き上がり、細かく痙攣してはりました。追い打ちのように、うちの唾液と先走り汁でべっとりのものに、さらに涎ローションを垂らしていきました。乳肉の動きが滑らかになり、刺激の速度が上がっていきます。
「……え? もうイキそうなんですか? うーん……しゃあないなぁ、ほな、ええですよ、オーナーはん。どうぞ、気持ちよぅなっておくれやす」
泣きそうな顔で頼まれてしもうたら、言うことを聞いてあげるのが人情ってもんやと思います。うちは熊手での旋回をやめて、乳房の付け根に腕の内側を沿え、脇をギューッと絞めて圧迫してあげました。オーナーはんは高い声を上げて、背中を弓なりに反らし、
びゅるるるるるるっ
ぶびゅーるるっ……
どくっ……どくっ……
うちのおっぱいの間に、たっぷりと精を放っていきます。体温そのものを吐き出したような熱いものが、うちの心臓の上で破裂したみたいやった。
ベッドから浮き上がったオーナーはんのお尻が落ちると同時に、ほんのりと柔らかくなった肉棒がうちの胸の間から抜け落ちていきました。残ったのは、ねばねばと尾を引く白濁液。胸の谷間に残ったそれを指で拭い、口に運び、喉の奥に流し込みました。……最初の頃は、饐えた匂いも粘つきも良い印象は持てませんでしたけど、今ではオーナーはんに頼み込まれることがなくとも、こうして嚥下してまう。
ほんま、困ったもんや。うちを、こんなにいやらしい女にしてまうなんて……オーナーはんのいけずは、とんでもありまへん。
そのいけずなオーナーはんは、少しの間、荒く息をして射精の余韻に浸ってはりましたが、ぱっと上体を起こすとうちの下腹部に飛び込んできました。ひゃぁっ、と悲鳴を上げる間もなく、オーナーはんはうちの股間にあらためて顔を埋めると、舌を激しく動かしてあそこを舐め回します。
「あ、あんっ、オーナーはん……それは、もうええから……んんっ」
けどオーナーはんの狙いは、うちのあそこをべろべろと舐め回すことやなかったみたい。ことさらに音を立ててあそこに吸いつきながら、オーナーはんはうちの脚を広げさせると、もう片方の手を股間に伸ばしました。舌での愛撫とうち自身の興奮で緩んだ淫裂に、ぬるりとオーナーはんの指が入り込んできます。しかも、一気に二本。
挿入した中指と薬指を軽く折り曲げられると、うちのあそこはオーナーはんに掴まれてしまったも同じです。オーナーはんは手首をねじりながら指先を細かく動かし、うちのあそこを掘り返そうとします。指の腹が、コリッとした感触を捕らえたのが分かりました。そこは、うちの……んんんっ!
ぴゅぅっ、と、尿道から迸るものを感じました。意図しない放尿、失禁に近い感覚……オーナーはんが指の腹でコリコリを刺激すると、下腹部が甘い痺れに襲われ、その痺れが膀胱に液体を絞り出させ、ついには、
ぷしゃっ!
「んあぁぁぁーっ……!」
今度はうちが弓なりになって気をやる番やった。天井に向かって跳び上がる透明の液体が、うちの視界の隅の方をかすめます。あそこの周りがぬるくなり、排出された淫汁はたちまち冷えて体温を奪います。
「……もう、オーナーはんのアホ、変態、えっち……!」
うちは、開かされた脚を閉じ、ベッドの上で身体を丸めるようにしながら、オーナーはんを睨みつけました。おっぱいでイジメられた仕返しみたいに、指をあそこに突っ込んできて、しかもお潮まで吹かせるなんて……。
「……『でも気持ちよかったでしょ』って……そ、それは、そうやけど……」
“けど”の先を、オーナーはんは言わせてくれまへんでした。閉じた脚をまた開かせて、うちの腰を抱えて引き寄せます。オーナーはんも膝でにじってうちの脚の間に距離を詰めると、硬さを取り戻したものを突き出してきました。
「『もっと気持ちよくなりたくない?』って……そんなこと、言わんでも分かるでしょ……?」
でもオーナーはんは食い下がります。“こころの口から聞きたい”やそうです。もっと気持ちよぅなりたいのは、うちやなくてオーナーはんの方や。でも、オーナーはんはうちが気持ちよぅしてなりたいと言って欲しいみたい。でも、うちはオーナーはんと違ぅて変態でも淫乱でもありまへん。せやから、オーナーはんが聞きたい言葉なんか、言わへんよ。
オーナーはんは、“そう……”と少し落ち込んだような顔をしました。でもすぐに頭を切り替えたようで、お臍まで反り返ったものの機首を下げると、うちの割れ目……その上にぽとりと置きました。
「え……オーナーはん?」
オーナーはんはそこで、くぃくぃと腰を動かし、あれを前後させます。うちのあそこに入れる……つもりがないかのように、恥丘の上でこすっていました。
肉棒の孕んだ熱が、筋肉と皮膚を挟んで、うちの子宮にまで伝わって来るようです。せやけどオーナーはんは、それを直接味わわせようとはしまへんでした。
「オーナーはん、そ、そないに焦らさんといてください……」
オーナーはん、どうあってもうちにえっちな言葉を言って欲しいみたいです。さっきのイジワルの仕返しやろか。土手の上で前後させるだけで、割れ目にはぎりぎり触れてくれません。オーナーはんの密度が放つ熱気だけが、張りつめた陰核と硬くなった小陰唇の上をふわーっと通り過ぎます。
少しでも触れてくれれば、それが呼び水になって、うちを素直にしてくれるかもしれへん。この変態なオーナーはんに教え込まれたいやらしい言葉を、うちの唇が紡いでくれると思います。でも、うちかてそんなことを言うんは恥ずかしい。シラフではとても言えまへん。オーナーはんは、それを望んでるんです。うちがうちのまま、まだ正気を保ったまま、恥じらいを残したまま、淫らなおねだりをするように。
まぁ、今さらやと思うけど……女の子を打ち震わせる快感には波があって、それが弱いときは、こうして普段と同じだけの羞恥心が沸き上がるんです。おっぱいを丸出しにして、脚をカエルみたいに開いて、愛液が滴るあそこを隠しもせずに晒していても、心の中に壁を作ることができるんです。
頑丈ではないけど、脆弱とも違うその壁を、自分でどかすように、オーナーはんは言外に伝えています。乳房より、あそこより、身体の中よりも見ることが難しいヴェールを脱ぎ捨てて欲しい……と。
「オーナーはん、う、うち……」
その壁をのけることは、多分、相手に負けることです。見せたない思うものを隠している壁なんやから、相手に屈服したと認めたときにしかそれをのけることはできまへん。うちは、勝負ごとになるとカーッとなって、負けず嫌いが出てまうことが多いから、誰かに負けるなんて考えるのは嫌なんやけど……。
でも、オーナーはんになら。
あんたはんになら。
「うち、もう我慢できまへん。オーナーはんの、それ……あんたはんのおチンチン、うちのおマンコに入れておくれやす」
顔を炙られたみたいに熱ぅしたまま、あそこに手をやり、こっちも火傷しそうなくらいに火照った大陰唇をぱっくりと割り広げます。愛液でしとどに濡れた粘膜が、オーナーはんを求めて突き出したような感じがしました。オーナーはんはそれまで恥丘をぺしぺしと叩いていた逸物をしごきながら軽く引き、先端をうちの膣口に押しつけます。
「あ……」
今だったら紙くらい燃やせそうな吐息が漏れるのに合わせて、オーナーはんがうちの中に入ってきました。うちと似て、素直になり切れず最初は抵抗を見せるあそこやったけど、それがオーナーはんのものやて分かったらすぐに呑み込んでしまいます。
「んんっ……っ!」
挿し込まれた逸物が、うちを内側から破裂させてしまいそうな圧力を発揮します。挿入されるときの息苦しさは慣れるもんとちゃいますけど、こつん、とお腹の底にぶつかるものを感じた途端、その閉塞感はたちまち緩和され、侵入してきたものにひたひたと吸いついていきました。
「ふあぁ……っ……」
あそこでオーナーはんのものを咥え込むために、全身の力がすべて使われてしもうたみたい。うちの四肢から緊張が抜け、ぽとりとベッドの上に落ちました。あそこだけがきゅうきゅうと力を増し、他は空気を入れる前の風船になったようです。頭の中に残った恥じらいとか理性も、ほろほろと溶けていきました。
オーナーはんが、うちの腰を掴みます。武術家としてのたしなみ……筋肉はしっかりつけてるつもりや。舞妓として踊るのにも筋力は必要やし、決して脂肪でぽちゃぽちゃしるいうことはありまへん。けど、上等な筋肉いうんは普段は柔らかいもので、うちの腰の肉はオーナーはんの指を受け入れて埋めさせました。
ぐっ──オーナーはんが腰を押し出します。肉の締めつけを裂いて、再びお腹の底を打ちました。電流がピリッと脳天まで突き抜け、しかしに桜色の火花が飛びます。今度はオーナーはん、腰を引いて、下腹部から突き出した逸物を取り出そうとしました。亀頭の見事な返しが、うちのヒダを逆撫でていきはる。肉槍の抜けた空白を埋めるため閉じようとする膣壁を、再びオーナーはんが割り開いてきました。
「んっ、んんっ、はっ、あんっ、あ、あんっ、うぅんっ……!」
そういう動きを、オーナーはんは繰り返します。押してこじ開け引いて閉じさせ進んで広げて下がって締めて……その間にうちの肉穴には多量の愛液が分泌され、これをオーナーはんが攪拌していきます。淫汁の量が増えるにつれて、陰茎の抽送が立てる水音は大きくなり、それがうちの快感のバロメータやってオーナーはんに知らせています。
ずちゅっ、ずちゅっ、ずっちゅ、ずっ……
(ずんっ) (ずっ) (ずぶっ)
ぐちゅっ、ぐぼっ、ぐっ、ぐじゅっ……
(どちゅっ) (ぱんっ)(どっ) (どぶっ)
肉棒が蜜壺を掻き回し、筋肉が筋肉を叩き、骨と骨がぶつかり合う。愛液を絡めた肉槍の先端から我慢汁が溢れて混じり、互いの皮膚を伝う汗が弾けて絡み合う……。
「オーナーはんっ、オーナーはんっ、う、うち……んぁぁああっ、んっ、ちゅ……っ」
高くなった声を、オーナーはんの唇が塞ぎました。涎を絡めた舌が口の中に飛び込んできます。歯の裏を舐め、頬肉をこそいで、うちの舌を探してはりました。うちも舌を伸ばし、オーナーはんと唾液の交換をします。
オーナーはんはうちに完全に覆いかぶさって、腰の運動を前後から上下に変えてはりました。腰を掴んでいた手は背中に回し、指先は鼻骨の先端……蟻の戸渡に沿わせています。うちも両手を持ち上げてオーナーはんの背中に回し、ピストンに合わせて駆動する大胸筋におっぱいを押しつけました。勃起した乳首同士がこすれ合い、ピリッ、ピリッと心臓を刺激します。オーナーはんのプレス運動のためにうちの両脚がベッドから持ち上がり、かくんと膝が折れてオーナーはんの太腿に引っかかる形になりました。
ぶるぶるっ……オーナーはんの腰が震えます。ピストンが速まりました。ああ、イクんや。オーナーはん、気持ちよくなるんですね。そう思うとうちも、オーナーはんの先端から伝わる熱が背骨を駆け抜けて脳まで達し、お尻を石みたいに硬くしました。
オーナーはんの咽喉が低い呻き声を発します。ひときわ強い突き込みが、うちの子宮を貫きました。特大の快感の波が押し寄せ、オーナーはんに絡めた四肢に緊張が走ります。密着したオーナーはんの身体を強く抱き締め、それに、備えました。
「んんんんんっ……いっ、イクっ、うち、イッてまいますっ……!」
突き抜ける快感を、反らして逃がすのか、屈めて耐えるのか、どうすればいいのか分からないまま、うちはオーナーはんに縋りつきました。オーナーはんも同じだったことが、身体に巻きつけた腕と脚から感じます。オーナーはんの下腹部で爆発が起こり、熱いものが一気に解き放たれました。どくんどくんと脈動しながら、オーナーはんのリズムが注がれていきます。
うちとオーナーはんは、少しの間、互いの身体を一つの石像にして固まっていましたが、外見と反対に激動し続けていたものが動きを弱めるとそれまで込められていた力が緩み、自然と離れることができました。
オーナーはんはゆっくりと上半身を持ち上げてうちの脚の間に正座をする形になり、うちはベッドに肘をついて頭を上げました。全身の毛穴がぱっと開いて汗が吹き出し、長い髪の毛が背中や形に張り付いてこぞばゆい。自然と視線はオーナーはんの陰部で、男女液のメレンゲをまぶされ垂れ下がった肉竿に向かい、その全体からいやらしい汁が糸を引いてうちの下腹部に伸びているのが見えました。
どぶ……緩み切ったうちのあそこから、オーナーはんがひり出したものがあふれていきます。精液は、締め出されることの仕返しになのかうちの体温を奪っていきました。ちょっとあそこが寒ぅなったうちは、オーナーはんを求めて手を差し出します。オーナーはんがうちの意図を察してその手を取り、指を絡めてきました。
「……オーナーはん、ムードいうの、知ってはりますか?」
そう言うたんは、うちと手をつないだオーナーはんの股間で、逸物が見る見る元気を取り戻していったからです。オーナーはんはもう片方の手で怒張したそれをしごくと、その先端を再びうちの淫裂に向けてきました。
「オーナーはんのえっち。……ほな、もう一度、しましょうか」
オーナーはんのそれが、改めて、うちの中に入り込んできました。