クロスハンター こかんがあちーぜ! 他作品ヒロインと豪快えっち集 作:北村 貴之
「何?裏メニューとな?」
ガンテツが眉をひそめた。
シローとトウカは、ガンテツが密かにひそめているという、極秘の修行について聞いていた。
ザガンが異界より召喚している魔物たちと戦い、人々を守るシローだが、最近は見たことのない能力に苦戦を強いられていた。
ガンテツの娘であり姉のような存在のトウカから聞いたのだが、どうやらガンテツは誰にも教えたことのない修行のメニューを有しているそうだ。
これは噂程度で知ったそうだが、一刻も早く強さを手に入れたいシローは、師匠にその修行のことを聞いてみることにした。
「そうなんです、師匠。噂とはいえ、師匠が誰にも教えたことのない禁断の修行があると聞きまして」
「ほう…」
ガンテツは意味深に、シローとトウカを見つめていた。
「それは、どのような内容なのですか?」
シローは気になるような表情で質問をした。
しかしガンテツの反応は無反応だった。
「…」
(あれ、無視?)
無言のガンテツに、シローは困惑した。
もしかすると、聞いてはいけない内容を聞いてしまったのだろうか。
それを思ったシローは、心の中で焦っていた。
しかし、そんな彼をフォローするかのように、トウカが、
「彼はどんな内容でもいいと話しておりました。現在私も含め、ここ最近の魔物には苦戦を強いられています。奴らに対応できるような強さをシローは求めているのです。どうか、彼に修行を…」
そう頭を下げ、ガンテツに頼んだ。
上半身の白の道着から膨らんだ大きな乳房がぷるんと揺れる。
「…いいだろう」
ガンテツは了承した。
娘の頼みなのか、それとも親友の息子だからなのか不明だが、特別に教えることにしたようだ。
「あ、ありがとうございます!」
シローは元気よく返事をし、お辞儀をした。
そしてトウカも頭を下げた。
しかし、ガンテツの表情にはどこか迷いのような色が見えた。
そんな彼の顔を見て、シローは、
「あれ?師匠、どこか浮かないような顔ですが…」
それを聞いたガンテツは、
「ああ。お前にその裏修行とやらをつけてやろう。ただし、その前に仕込みをせねばならん。なので、いきなり修行はつけてやれないのだ」
「そ、そんな…!」
突然、すぐにできないと言われ、ショックを受けるシロー。
そんな彼の肩を叩きながら、ガンテツは、
「安心しろ。これはお前が修行を受けてもらうための下準備だ。それができたら、お前に教えてやる」
と言って慰めた。
「はぁ、よかった…。で、それはどれほどかかるのですか?」
シローは安堵した。
そしてガンテツに、仕込みの時間を聞く。
「それは…。早くて3日後だろうか。それまでは我慢だ。我慢も修行の一貫。いいな?」
「はい!」
シローは元気よく返事をした。
ガンテツは、そんな彼を見て、微笑んだ。
「あの師匠。私は…?」
そんな父に、トウカが質問してきた。
彼女もどうやらその裏の修行を受けるようだった。
「と、トウカ…。残念だがこれは、女性は受けることができぬのだ」
申し訳なさそうにそう彼女に告げるガンテツ。
自分の娘であるが、これは受けることができなかった。
ガンテツはトウカに申し訳なく思っていた。
「な、何故に…?」
トウカが寂しそうな表情を浮かべる。
「お前も男ならその修行を受けさせてやってもよかったのだが…。残念だがこればかりは女はできぬのだ」
「そ、そんな…」
ガンテツの言葉にトウカはがっくりと肩を落とす。
そんなトウカを慰めるように、シローが、彼女の肩に優しく手を置く。
「そんな顔をしないで。俺がトウカさんの分まで強くなってみせますから」
それを聞いたトウカは、残念そうな顔をしつつもシローに微笑んな。
シローがガンテツに聞いた。
「…それで師匠。仕込みが終わるまでは…」
ガンテツは答えた。
「いつも通り、モンスターの討伐と己の鍛錬に励め」
短かったが、きちんとした答えであった。
「はいっ…!」
そう返事し、シローはガンテツの仕込みを待つことにした。
それから、修行の仕込みのために、ガンテツは道場を留守することとなった。
シローが聞いても、下準備のための大事な用意だと言い返すばかりだった。
何度聞いても無駄だと判断したシローは仕方なく燻る気持ちを抑えながら師匠の帰りを待つことにした。
それから3日が経った。ガンテツは帰ってきたが、戻ってすぐさま道場内の調理場に籠もってしまった。
弟子たちには入ってくるなと警告し、扉はおろか窓も閉め、ガンテツは調理場であることをしていたようだ。
それをシローでさえもできなかった。
調理場にいるため、料理をしているのは明らかだが、なぜ弟子たちを入れずにたったひとりで料理をしだしたのだろうか?
それは道場内の者たちが疑問に思っていた。
そしてそれから数時間後…。
「来たか」
シローを呼び出したガンテツは、彼を見るなりそう言った。
神妙な顔で師匠を見るシロー。
どこか険しい顔をしているガンテツは、確かに下準備を終えたようだった。
なのになぜこんな表情をしているのか。
そう思いつつ、彼のもとに近寄り、シローは声をかけた。
「師匠…。これから何を?」
いま、シローは道場内のある部屋の前にいた。
引き戸は閉められている。
腕を組み弟子を見つめるガンテツ。
その瞳は、さらなる力を手にしたいという意思が宿っていた。
彼の思いが嘘ではないことを見抜いたガンテツは、
「前に言った…。下準備がようやく終わった。これからお前には修行の前の大事な儀式を受けてもらう」
「儀式…」
緊張しながら呟くシロー。
「用意はできたか」
ガンテツがシローに確認する。
「はい、大丈夫です」
そう返し、部屋を見つめるシロー。
そんなシローを見届けたガンテツは、扉に手をかけた。
引き戸を横に引くと、中から美味しそうな匂いが漂ってきた。
同時に湯気も出る。
そしてそこには…。
「…え?」
そこにいるものを見て、シローは思わずそんな声を出した。
部屋の中には、なんとも豪勢な料理が机に並べられていた。
ガンテツが調理したと思われる料理だろう。
作られたばかりの料理は、美味しそうに湯気を立て、シローの食欲をそそる。
しかし、なぜガンテツは急に料理を始めたのだろうか? そんな疑問を持ちながら、料理を見つめるシローだった。
「師匠…。これは?」
シローはガンテツに、料理のことを聞くことにした。
「見てもらってわかったと思うが、これからお前にはあの料理を残さずに食べてもらう」
「なるほど…。これが下準備ですね」
顎に指をあててどこか納得した顔をするシロー。
(ってか師匠あんな高そうな料理を作れたのか)
料理をするイメージがなさそうなガンテツに、そんなことを思った。
「食べてくれるか」
ガンテツがシローに聞いてくる。
「もちろんです!修行のためならなんでもやりますからね」
そう元気よく答えると、ガンテツはフッと笑った。
そして料理の側にあった箸を持ち、豪勢な料理を食べ始めようとした。
まずは揚げ物から手をつけようとするシロー。
そんな彼を…。
「待て、シロー!」
と静止した。
「え?なぜですか?」
当然ながら疑問符を浮かべた顔をするシロー。
「これには、食べる順番があるのだ。私がいるから、指示通りに食べろ。いいな?」
「は、はい…」
シローは困惑しながらそう答えた。
「よし。じゃあまずはこれ」
ガンテツは、シローの前に、液体が注がれたグラスを差し出してきた。
「えっと、これは?」
当然のように聞いてくるシロー。
「これは食前酒だ。呼んで字のごとく、食事の前に飲む酒だ」
「酒!?お、俺まだ飲めない年齢なんですけど…」
シローは慌てた。
「いいから飲め!でないと、修行は受けさせんぞ…!」
「は、はきっ…!」
そう言われると、シローは飲まざるを得なくなった。
彼の目は本気なので、尚更飲むしかなかった。
仕方なく彼はガンテツが持ってきた食前酒の入ったグラスを持ち、一気に飲み干した。
「うげぇ…っ」
苦そうな顔をするシロー。
そんな彼にガンテツは、食前酒の味を聞いてくる。
「どうだ」
「どうもこうも…。酒ってこんな味するんですね」
シローは飲んだことのない酒の味を気持ち悪く感じていた。
普段はお茶やら水しか飲んでいないので、こんなもので喉を潤したのは生まれて初めてであった。
「酒といってもこれは特殊な材料を使っていてな。ボッキダケに、覇王人参に、エルダードラゴンの骨に、妖精女王の愛液を使い作られた特別な酒だ」
「聞いたことのない食材ですけど…。なんか中にやらしい名前のものがあるのは気の所為ですか?」
「…なにか文句があるのか?」
シローはガンテツに睨まれ、思わずたじろいだ。
「いえっ…、何も…」
シローを黙らせたガンテツは、今度はサラダを差し出してきた。
「これは…?」
「サラダだ。これも特別でな、王室献上のレタスやきゅうり、トマトを使っている。それだけでなく男の精力をこれでもかと向上させるギンギンコーンを入れておる」
「…こ、このベビーコーンが?」
「そうだ。ほら、食え」
そう言われたのでシローはそのサラダを口にした。
またしてもいやらしい単語が発されたような気がするが、無駄口を叩くことなくシャリシャリと音をたててレタスを口の中で砕いていった。
(美味い…!さすがは王室献上のものだ。これまで食ったレタスとは格がちがう)
心の中で、そう思った。
サラダを食べ終わると、次はスープが出てきた。
琥珀色のスープから、湯気がもくもくと立ち込めている。
「ほら、次はこれだ。先程のボッキダケに、金玉ねぎ、神鹿のペニス、巨人のペニス、ドワーフの精液で作ったオニオンスープだ」
ガンテツがシローの目の前に、器に入った熱々の湯気立つスープを差し出してきた。
それを受け取ったシローは、飲む前にその匂いを嗅いだ。
(いい匂いだ…。またもや卑猥な名前の食材が出てきたがまあいいか)
料理にしては珍しく美味しそうな匂いがしたことに少し驚くシローだったが、それよりもまずは冷めないうちに飲もうと思い、カップに口をつけた。
そんなシローを見つめるガンテツは、彼がなにかしらやましいことをしないように監視していた。
これも師匠としての努めだった。
シローは出されたスープを口にした。
ズズズッと音をたてながら、そのオニオンスープを飲んでいく。しかし、それを飲んでいたシローの目が、急に見開いた。
「ど、どうした?大丈夫か?」
ガンテツが心配そうに言う。
スープを飲んだシローは、持っていたカップを勢いよく置いた。
その顔は、どこか満足そうだった。
「これ…、何を入れたのですか?」
ガンテツに聞くシローだが、彼の体は震えだし、鼻から赤いものが垂れてきた。
そんな様子を見たガンテツはただならぬことが起こったと思い、彼に近寄った。
「さっきも申したが、ボッキダケ、神鹿のペニス、巨人のペニス、金玉ねぎ、ドワーフの精液で作った、ガンテツ特製のオニオンスープだ」
それを聞き、理解したように頭を縦に振るシローだった。
無言だが、理解してくれたようでガンテツは安心した。
「師匠…」
「どうした?まだまだ料理はあるから残さずに食べるんだぞ?」
テンションが低めな様子で呼んだために、ガンテツは焦りを抑えながら彼を安心させた。
「俺…」
「なんだ?どうした?」
心配になったガンテツがシローに近づく。
「…まだありますよね。だったらこっちに全部持ってきてくださいよ」
何を思ったのか、シローは突如として、まだ手をつけていない料理をもっと食べたいと言い出してきた。
突然のことに驚いたガンテツだったが、弟子の頼みなのでとりあえず、自分で調理した料理をシローの近くに持ってきた。
食べ終わった食器は空いている机へと置いていく。
なぜ急にシローがこんなことを言い出したのかは不明だが、使った食材がそうさせたのだろう。
ガンテツは改めてシローの顔を見た。
なんと、シローの顔は真っ赤に火照っていた。
先程の食前酒で酔ったこともあるのだが、使った食材も影響していたようだ。
特に、ギンギンコーンやボッキダケといった食材は、食欲の促進と男性の性的興奮を増大させる作用があるのだ。
「し、師匠…」
シローがガンテツを呼ぶ。
「なんだ?」
そんな彼に優しく答えるガンテツ。
そして…。
「もっと食べさせて!」
と言い出した。
それを聞いたガンテツは、少し驚いたがすぐに落ち着いた顔をする。
「ま、まぁ待て。焦るな。変なところに詰まらせては折角の修行前の儀式が台無しだ。まだまだあるから、落ち着…」
「うおおおっ!」
「あぁ、待てっ!」
最早ガンテツの静止は効かなかった。
シローは暴走したかのように、出された食事に次々と手をつけていく。
以下、シローが食べたものである。
・黒毛魔王牛のサーロインステーキ
・黒毛魔王牛のもつ煮込み
・巨大ターキーの丸焼き
・巨人のペニス風フランクフルト
・戦神アスラのペニスのペンペン草焼き
・巨大黒鮪の刺身
・神将のペニスのルビートマト煮込み
・脂のりのり、捕れたて新鮮な魚の鮨
・巨根鰻のひつまぶし
・異界の王の睾丸の味噌漬け
・陰嚢大蒜のペペロンチーノ
・精力増強うどん
・キングオクトパスのアヒージョ
・巨乳メロンのシャーベット
・プリンセスパフェ
・やみつきキャラメルプリン
・姫アイス
…これらをすべて、シローは平らげてしまった。
12歳にしては信じられない食べっぷりであった。
まるで何かに取り憑かれたかのように、ムシャムシャと音を立てながら暴飲暴食して食べきったのだった。
無惨な形で、食器が山積みにされている。
「はぁ…、はぁ…」
食べ終わったシローは、息を荒げながらガンテツを見つめていた。
その目はどこか虚ろで、何かを訴えているようにも見えた。
「師匠…、もう限界です…。ゲブェっ…」
腹をさすりながら弟子はみっともなくゲップをした。
わかりやすくお腹が膨らんでいる。
現在のシローはわからないだろう。
ここまでの食事を瞬く間に完食してしまったことを。
「…残念だがもうおしまいだ」
ガンテツがそう告げると、シローはおもむろにズボンとパンツヲ下ろした。そして、しゃがむような体勢をし、唸り声を上げ始める。
「うおおっ…!」
身体をプルプルと震わせ、お尻を中心に力を入れ始めた。
そんなシローを見たガンテツはハッとし、大慌ての様子で、
「い、いかん!いかんぞシロー!我慢できないからってここでしちゃいかん!そ、外だ!外でするぞぉ…!」
と言い、真っ赤な顔で力んでいるシローを抱えて道場の外に連れ出したのだった。
「くそっ…!」
師匠に抱えられたシローは、何やら悔しそうな顔をしていた。
しかし、下を向きながら股間を押さえて我慢しているようにも見えた。
道場近くの森に運んだ。
道場のトイレだと詰まらせてしまう可能性があったからだ。
森はある意味広大なトイレだ。
排泄物が、草木の栄養分となることは間違いない。
「もう大丈夫だシロー!さ、出しなさい」
ガンテツは顔中を汗だらけにして、弟子にそう告げた。
それに答えるかのように、シローは、己のパンツを下ろし、お尻の穴が見えるようにした。
そして…。
「ふんっ…!」
と息んだ。
「ははははは…。なんともご立派だな」
顔を青ざめて、ガンテツは「あるもの」を眺めていた。
それは、そう。
目の前にある、茶色くてゴツゴツとした大きな塊。
それも常人のものとは比にならないくらいの大きさだった。その塊が、夜の森に堂々とそびえていた。
「師匠…」
シローは下半身裸で、自分のお尻を葉っぱで拭いていた。
「あんま見ないでくださいよ…。いくらうんちとはいえ、ジロジロ見られるのは恥ずかしいですよ」
ガンテツの視線が、自分の出した糞便に向いていたので、恥ずかしそうにしていた。
すっきりした感情よりも、師匠に見られることへの恥ずかしさが勝ってしまったようだった。
「ま、まぁ…。道場の便所を詰まらせられるよりはマシだがな…」
ガンテツは口ごもりながら言った。
そんな師匠の様子を、シローは不思議そうに見ていたのだった。
下準備を終えてから翌日のこと。
あれからシローは、ガンテツに呼ばれ、道場内のある場所へと連れて来られた。
そこは、ガンテツしか知らない場所であった。
トウカも知らなかったようで、道場内の人々はその場所を知る者は誰一人いなかった。
誰にも教えないようシローに告げ、ガンテツは道場に隠された扉を開き、その中へ入っていった。
そこは、大きな扉のみがポツンとあるだけの殺風景な部屋であった。
「ここは一体…」
不安を募らせたシローは、ガンテツに聞いた。
「こここそが、秘密の修行場だ」
「秘密って…。なんで道場にそんな場所が?」
「それは無用な質問だ」
そう返されたシローは、黙りこんだ。
そして、ポツンとある大きな扉の方に歩み寄る。
(ここに俺の求めている強さが…)
扉を開ける前に、背後のガンテツの方を向いた。
どこか不安そうな、そんな顔であった。
「師匠…」
「どうした?怖気付いたか?」
「いえ…。師匠は来ないのですか?」
そう言ったシローに、ガンテツはニヤリと笑った。
そして…。
「…残念だが私はここまでだ。後はお前がこの扉を開け、そこで力を得るのだ」
なんとガンテツは、この修行に立ち会わないようだ。
それを聞いたシローは、
「ひとつ聞いても良いですか?」
「なんだ」
「ヒントです。この部屋についての」
「ヒントか…。いいだろう」
シローは、ガンテツの答えを待った。
そして彼から発せられた言葉はこうだ。
「ここは、お前に新たなる力を授ける場所だ。そう…」
「…なんですか?」
勿体ぶる言い方をするガンテツに、シローが聞いた。
そんな弟子に彼は言った。
「それはな…」
と前置きし、その扉を指差してこう言ったのだった。
「…入る度に違うということだ」
それを聞いたシローは、
「あ、そうですか…」
と返し、それ以上は何も言わずにいた。
そんな弟子の顔を見たガンテツは、同じく無言で去っていった。
意を決したように、シローはその扉を開けた…。