エルドリア王国の双子姫。クラリスとセリーヌは息を殺しながら夜の厨房に忍び込んでいた。
「誰もいない……やったわね、セリーヌ!」
「さっすがお姉様!」
パンっとハイタッチして笑い合う二人は手分けして厨房のあらゆる棚を覗いていく。
クラリスは山盛りのジュースを、セリーヌはお菓子やパンを見つけ、両手に抱えてお互いに報告しあう。
「あははっ、凄いわセリーヌ、それメイド長に食べちゃダメって言われてたお菓子じゃない!」
「えへへ、あとで食べようね、お姉様!」
二人は駆け足で厨房をあとにして、庭まで駆け降りる。
よく手入れがされた庭に降り注ぐ月の光がコスモス畑をやさしく照らしていた。
「この辺でいいかしら」
石畳の上に腰を下したクラリスの隣にセリーヌも座り込む。
ほのかな夜風が二人の髪を梳かし、月の光に照らされて金色の影を落とした。
「ちょっと寒いわね……毛布を持ってきたほうがよかったかしら」
「今からでも取りに行く?」
「ううん、平気。見逃しちゃうかもだし、もし見つかったら……」
ぶるりと身を震わせるクラリスに釣られて、セリーヌはごくりと小さく唾を飲んだ。
メイド長の影に怯えた二人はきゅっと小さくなって身を寄せ合う。
「そ、それよりせっかく持ってきたんだしジュース飲んじゃいましょ!」
セリーヌは笑顔で頷き、ジュースの山から二本の瓶を抜き取る。
オレンジ色をした瓶を迷わずクラリスに手渡したセリーヌは、リンゴと書かれた瓶のコルクを開けて口を付ける。
オレンジジュースを一気に半分ほど飲み干したクラリスは、まだまだあるジュースの山を見て、にんまりと笑った。
「これだけあれば飲み放題ね」
いつもは味わってゆっくり飲んでいるジュースを一気に飲み干したクラリスは、次の瓶に手を伸ばす。
「あはは、そんなに飲んだらお手洗いが近くなっちゃうよ?」
そう言いながらも、リンゴジュースを半分ほど飲み干したセリーヌは持ってきたお菓子の袋を開ける。
姉が好きそうなオレンジの皮で出来たお菓子を指で摘まんだセリーヌは、三本目の瓶に手をかけるクラリスの肩をポンポンと叩く。
「はい、お姉様、あーん」
「わっ! なにこれ美味しい!」
そう言われて気になったセリーヌも一口齧ってみる。
「甘ーい、残りはお姉様が食べていいよ」
リンゴジュースで喉を潤したセリーヌはガサゴソと目当ての袋を取り出す。
「じゃーん! アップルパイっ!」
月明りでてらてらと輝くアップルパイを掲げながら、がぶりと大きな口で齧りつくセリーヌ。
セリーヌの顔ほどもある大きなアップルパイを幸せそうに頬張る妹を見て、クラリスは呆れたようにつぶやく。
「セリーヌは本当にリンゴが好きよねえ」
「お姉様も私のこと言えないでしょー」
半分ほどになったアップルパイから口を離したセリーヌがジト目で姉の手元にある瓶を見る。
クラリスの横には飲み干されたオレンジジュースの瓶が四つ、月明りに照らされて光っていた。
「あはは……」
妹の言葉に返す言葉を失ったクラリスはそっと瓶を床に置き、お菓子の袋をごそごそと探る。
そんな二人の元に、メイド服に身を包んだ少女が手を振りながら近付いて来る。
「やーお待たせしましたー、メイド長ならばっちり泥酔……って、うっわ、派手に盗んできましたねぇ」
双子よりもやや年上の少女は床に散らばるジュースやお菓子の山を見て一歩後ずさる。
「リア姉っ! こっちこっち!」
「こっちに座るとアップルパイをあげるよっ!」
それぞれ自分の隣の床をポンポンと叩いて座るように呼び掛ける双子に苦笑いしながら、お菓子に釣られたリリアはセリーヌの隣に腰を下した。
「やったっ! はいリア姉!」
喜びながら食べかけのアップルパイを差し出すセリーヌと、不機嫌そうにむくれるクラリス。
「いやー、大歓迎痛み入ります」
欠片ほどの大きさになったアップルパイを受け取ったリリアは赤い顔で苦笑いする。
「もぐもぐ……ご機嫌直してくださいよクラリス様、ほら、御所望の双眼鏡ですよ」
「やったー! ありがとうリア姉!」
どういたしましてと答えるリリアの横で、セリーヌは鼻を摘まみながら不機嫌そうにつぶやく。
「リア姉お酒くさーい……」
「あはは、しょうがないじゃないですか、メイド長めちゃくちゃお酒強いんですもん……でも、勝ったのは私ですっ!」
胸を張る少女に、双子がぺちぺちと拍手を送る。
頭を掻きながら拍手を受け取ったリリアは、オレンジとリンゴのジュースを避けて適当な瓶を手にする。
中身を一気に飲み干したリリアに、双子が呆れ顔で呟く。
「リア姉まだ飲むのー?」
「流星群が来る前にお手洗いに行きたくなっても知らないよ?」
「あはは、こんなのただの酔い覚ましですよ、ほらお二人とも飲んで飲んで!」
二人に瓶を押し付けたリリアは石畳に寝転んで三日月の夜空を瞳に映す。
星が散らばる夜空に手を伸ばし、点と点を線で繋ぐように指を動かすリリア。
「こうしてこうして……いるか座の出来上がり―!」
「もー、そんなこと言われても分からないよ!」
「社交界じゃ星座の話もよく出てくるから覚えておいて損はないですよ」
星々を瞳いっぱいに映したリリアは興味なさそうにジュースを飲んでいる双子に苦笑いしながら起き上がる。
「あはは、まぁ確かに星座はちょっと退屈かもしれませんね……でも流星群は絶対満足してもらえると思いますよ」
夜風がコスモスを揺らし、リリアの火照った体を冷やしていく。
「はぁー、夜風が気持ちいい……」
目を細めて風を受け止めるリリアは、突然ぶるりと身震いし、手に持っていた瓶を床に置く。
「セリーヌ様、ちょっと抱き着いてもいいですか?」
「いいけどどうしたの?」
目を逸らしたリリアは、双子の四つの瞳に映された星空を見て言いにくそうに口を開いた。
「やっぱり飲み過ぎたみたいで……あはは……」
「もー、だから言ったのに―、流星群はあとどのぐらいなの?」
「多少前後はするとは思いますけど、あと十分ぐらいでしょうか」
セリーヌに抱き着きながら暖を取るリリアは懐中時計を取り出して時間を確認する。
「あー……今からお手洗いに言ってたら見逃しちゃうかもしれませんねぇ……仕方ないか」
セリーヌから手を離したリリアは瓶を手に取り、一気に飲み干す。
「他言無用でお願いしますよ……」
そう言いながら、リリアはスカートの中に手を入れる。
「え、ま、まさか……だ、ダメよリア姉! メイド長にバレちゃうわ!」
真っ赤な顔で慌てて止めに入るクラリスに下着を下したクラリスは苦笑いしながら答える。
「まさか、こんな綺麗な庭におしっこするほど落ちぶれてはいませんよ……あんまり見ないでくださいね」
恥ずかしそうに顔を赤らめたリリアは空の瓶を手に取り、スカートの中に差し込む。
「はぁぁ……」
気持ちよさそうに目を閉じてため息を漏らすリリアを見た双子はそろってぶるりと身震いする。
「あー……やっぱ一個じゃ足りないですね……セリーヌ様、悪いけどもう一個取って欲しいです」
顔を赤らめてリリアをまじまじと見つめていたセリーヌはハっとした様子で空の瓶を手に取る。
「は、はいリア姉!」
素早くリリアに瓶を手渡したセリーヌはスカートから抜き取られた、ほかほかと湯気を立てる瓶に目が釘付けになる。
(り、リア姉のおしっこだ!)
リリアが片手で持っている瓶には、リンゴジュースのような透明な尿が九割以上注がれていた。
リリアのスカートの中からはまだ激しい放尿の音が響いている、もしセリーヌが瓶を渡すのに手間取っていれば石畳を濡らしたかもしれない。
「や、やばいです、二個でも足りないかも……」
両手に瓶を持ちながら、困ったようにつぶやくリリアの言葉に、双子がぎょっと目を見合わせる。
慌ててセリーヌが手元にあった自分が飲んだ瓶を掴んでリリアに渡そうとする。
「す、すいません、その……両手が塞がっていまして……」
困り果てたように満タンになった瓶を両手で持ちながら、引けた腰でかたかたと足を震わせるリリア。
そんなリリアの姿を見たセリーヌはリリアのスカートを捲り、局部に瓶を宛がう。
リリアの白いふわふわの陰毛に自分が飲み干したアップルジュースのべたべたが付くのを見ながら、セリーヌは声を上げる。
「いいよ! リア姉!」
その言葉を聞いたリリアは安堵のため息を吐きながら全身の力を抜く。
始めよりもかなり勢いの落ちたリリアの放尿を釘付けになりながらガン見するセリーヌに対し、リリアは申し訳なさそうに口を開く。
「あの……そんなに見ないでください……」
「あ、ご、ごめんリア姉……」
「い、いえ……」
ポタポタと雫が垂れる音を夜に小さく響かせながら、二人の間に気まずい沈黙が広がる。
そんな二人の沈黙をクラリスの声が破る。
「わ、私もおしっこしたい! セリーヌ脱がせてっ!」
「もー、だから飲みすぎだって言ったんだよ、お姉様」
呆れながらクラリスのスカートに手を入れるセリーヌと、下着を履き直して服を整えるリリア。
湯気が立つ瓶に恥ずかしそうに蓋をしながら、瓶に映った夜空を見たリリアは、空の彼方にきらりと光るものを認めた。
「お二人とも、流星群が来ましたよ!」
余韻を確かめるように、すっかり軽くなったお腹を摩りながら、興奮して短く叫ぶリリア。
セリーヌは長いクラリスのスカートを掻き分け、瓶を中にいれようと格闘していたが、リリアの声で夜空を見上げる。
「わぁ……」
夜空に次々と現れる流れ星の群れに驚き、手も声も止まってしまうセリーヌ。
リリアも夢中になって空を見上げていたが、クラリスの怒鳴り声で現実に戻される。
「セリーヌ……セリーヌっ!」
やっとおしっこできると思い、安堵していたところで思わぬ寸止めを受けたクラリスは流星群どころではなかった。
まだ口をぽっかりと空けて硬直するセリーヌと、慌てて駆け寄るリリア。
近くの空き瓶を掴み、クラリスのオレンジ色のスカートを片手で持ち上げて瓶を宛がうリリア。
感触で瓶を宛てられたことが分かったのか、たちまち堰を切って溢れだすクラリスのおしっこの勢いに目を丸くするリリア。
「出し過ぎですクラリス様! 溢れますよ!!」
「そ、そんな事言われたって……っ!」
月明りに照らされた白い肢体に、ほんのりと赤みが差しているだけの無垢な少女のスリットを水圧で押し広げる透明なおしっこは、リリアの持つ瓶をたちまち重くしていく。
すでに五割が満たされた瓶を見たリリアは短く叫ぶが、クラリスにはどうすることもできなかった。
ひくひくと痙攣する局部の動きでクラリスの努力を察したリリアであったが、殆ど止められずに瓶の空きは二割を切ってしまう。
「……っ!」
無くなっていく瓶の空きと、痙攣しながら断続的に勢いのあるおしっこを噴き出す局部を見比べ、リリアは意を決したように小さく息を飲んだ。
瓶をずらしながら局部に吸い付いたリリアは、瓶を持っていない方の手で腰に手を回す。
「り、リア姉、何っを……! と、とめられないぃ……!」
唇の感触に腰が引けていくクラリスは、溢れ出すおしっこにガクガクと足を震わせて抵抗する。
一滴も溢すまいと、逃げるクラリスにしがみ付き、吸い付くリリアの口内をクラリスの透明なおしっこが蹂躙していく。
口の中や喉に残っていたジュースの後味をかき消しながらリリアに注がれていくおしっこは、リリアの呑み込む速度よりも僅かにはやく、溢れ出したものが彼女の喉を伝い、インナーに浸透して行く。
それぞれ必死でおしっこと格闘する姫とメイドの喧騒に気が付いたセリーヌは、二人の姿にぎょっと目を見開く。
「お、お姉様? リア姉? な、何してるの?」
「セリーヌ! リア姉の瓶を交換してあげてっ!」
乾いた声で短く叫んだ姉に促されてメイドが持っている瓶を見たセリーヌは、慌てて駆け寄り、足元にあったオレンジの瓶をリリアに手渡す。
瓶を受け取ったリリアであったが、口を離すタイミングが分からずに、口内に溜まっていくおしっこを呑み込んでいく。
勢いが衰えたのか、呑み込む速度が僅かに上回ったため、少しずつ減っていく口内の液体に安堵したリリアは、そのまま吸い尽くすことに決めた。
リリアの行動に困惑しながらガクガク震えるクラリスの後ろに回ったセリーヌが、彼女の頭をやさしく撫でる。
「お姉様ごめんね? 私のせいで上手におしっこ出来なかったよね?」
引ける腰をガクガクと妹に打ち付けながら、快感で口が開いていくクラリス。
緩んだ尿道口から太い尿線が勢いそのままに飛び出て、少女のスリットを通して更に勢い付く。
「おごっ、んぐっ!?」
(お、溺れる……!)
突如勢いを増したクラリスのおしっこが溢れ、リリアの下着を貫通して膝まで伝っていく。
リリアの悲鳴を聞いたクラリスはもう一度締め直そうとするが、まったく力が入らず、腰を浮かせてしまう。
浮いた腰を妹にがっちりとホールドされながら、クラリスは残っていたおしっこを勢いそのままに出し尽くしてしまう。
セリーヌは涙を浮かべながらすすり泣くクラリスの頭を、何度も撫でまわす。
「お姉様はいい子いい子、我慢できなかっただけだよね」
やさしい手つきを肌で感じながら、えずくリリアの声に、おそるおそる足元を見やるクラリス。
気管に入ったのか濡れる胸元をバシバシと叩きながらリリアは立ち上がった。
「はぁはぁ……ふぅ……」
「わぁぁ、リア姉ごめんねっ! 止めようと思ったけどどうしても止まらなくて、それで、それで……! 私、リア姉に酷い事しちゃった!!」
「あはは……気にしてないですよ、ほらっクラリス様も見てくださいよ流星群はまだまだ続きますよ」
リリアに抱き着きながら謝罪の言葉を口にするクラリスの頭をポンポンと撫でて、夜空を指差すリリア。
そこには二人のことなど関係ないとばかりに、流れ星達がまばゆく輝いて夜空に輝線を残していた。
「わぁ……」
セリーヌと同じように固まり、口をぽっかりとあけるクラリスと、少し重たくなった胃を撫でながら夜空を見上げるリリア。
そんな二人を見ながら、セリーヌはすこし冷めた瓶に蓋をする。
透明な瓶の中身をみて少し身を捩ったセリーヌは、二人が見ていない事を確認してから前をそっと押さえた。
しばらく俯いて、もじもじしながら前を押さえていたセリーヌであったが、我に返った姉の声でバッと頭を上げる。
「あ、そうだリア姉、ジュース飲んで!」
セリーヌは反射的に手を離すが、クラリス越しにこちらを見ていたリリアと目が合う。
耳まで赤くなったセリーヌに苦笑いを送ったリリアは、胸元にオレンジの瓶を突き付けるクラリスを見て、微妙そうな顔で返事をする。
「……あーっと、正直もう何も飲みたくないといいますか……飲まなきゃダメですか?」
「だってほら……リア姉も女の子なら分かるでしょ……」
「あー……はい、私の配慮が足りてなかったです」
もじもじしながら顔を赤らめるクラリスから瓶を受け取ったリリアは、素直にその中身を飲み干していく。
口内にわずかに残ったクラリスの余韻をかき消しながらオレンジジュースが流れ落ちた頃、クラリスが座り込んでお菓子の袋を開ける。
「あーもう、自棄食いよ自棄食い、とことん食べてやるんだから!」
瓶を飲み干したクラリスはそう叫ぶが、セリーヌがやんわりと抗議の言葉を入れる。
「えー、リア姉もずぶ濡れだし帰ろうよー」
小さくもじもじしながら言うセリーヌを見たクラリスは、急にテンションが下がった妹の姿にきょとんとしたあと、にやにやしながらつぶやいた。
「セリーヌもおしっこしたいんでしょ、ジュースいっぱい飲んでたもんねー」
「ち、違うよ? 私は平気だもん」
中途半端なところで前抑えをやめてしまったせいか、もじもじと足踏みが止められないセリーヌを見て、はいはいと頷き、立ち上がるクラリス。
「リア姉が濡れてるのはそうだし、もう帰りましょうか……リア姉ごめんね?」
「いえいえ、じゃあ片付けて解散しましょうか」
ポケットからいくつか袋を取り出したリリアは、床に散らばったゴミやお菓子をテキパキと片付けていく。
クラリスもしゃがんでゴミ拾いを手伝うが、しゃがんだら出ちゃいそうなセリーヌはもじもじするだけで動けずにいた。
そんなセリーヌの姿に目を見合わせたクラリスとリリアは苦笑いを送り合いながら片付けの手を速めた。
「あ、帰る前にお手洗いによっても良いですか……瓶の中身を捨てないといけませんので」
後半を恥ずかしそうに付け加えたリリアは、自分の出した瓶を三本、恥ずかしそうに持ち上げた。
クラリスもほんのり温かみが残る瓶を恥ずかしそうに両手で抱えて立ち上がった。
トイレに行けると聞いて顔を明るくしたセリーヌは袋を持ち上げて、はやくはやくと二人を急かす。
月明りと星々に照らされた庭に、少女達のぬくもりと、溢れた小さな水溜まりを残して、三人は立ち去った。
―――お手洗いにて。
じゅうぅぅぅぅぅぅぅ!!!!
姉にスカートを支えてもらいながら便座にしゃがみ込んだセリーヌは、勢いよくお腹に溜まっていた液体を白い便器に叩きつける。
「はぁぁ……」
「もー、やっぱりセリーヌもおしっこしたかったのね」
「えへへ……ごめんねお姉様」
へにゃりと赤みが差した顔ではにかむセリーヌと、呆れながらも楽しそうなクラリス。
そんな双子を両手に荷物を抱えながら見守るリリアは、再び込み上げてきた尿意に身を揺する。
(あーやっぱり飲み過ぎたなぁ……終わったら私もおしっこしようっと)
リリアはいつまでも終わらないセリーヌのおしっこを見ながら、小さく足踏みした。