新人メイドのセーラと、中堅メイドのルナは買い物に出かける為、村の馬車停留場まで来ていた。
ルナ達以外は誰もいない停留場の椅子に腰かけたセーラは、立ったまま時刻表を眺めているルナを見て、ずっと引っかかっていたことを口にした。
「あの……どうして休日もメイド服なんですか?」
休日のため、セーラは私服であったが、ルナはいつもと同じメイド服を着ていた。
せっかくのお出かけなのだからおしゃれして欲しい、そんな気持ちを言外に込めながら問いかけた言葉に、ルナは苦笑いしながら答える。
「あー……女の子だけで歩いていると舐められちゃうから……メイド服を着ていたら……ほら、ね?」
その言葉にセーラは納得したが、同時にルナの私服やおしゃれが見られないことに落胆した。
「次は私がメイド服を着ます……ルナ先輩のおしゃれな私服、楽しみにしていますね」
「え、えぇ!? そ、そう言われてもなぁ……!」
困惑するルナにクスクスと笑いかけると、揶揄われたと分かったルナがセーラの隣に座り、彼女の脇腹に手をいれる。
「先輩を揶揄う悪いメイドはお仕置きだ~!」
「あはは、あはははは、ルナ先輩やめ、やめてっ……あはは!」
笑いながら、銀の髪を振り乱していたセーラは、道の向こうから馬車がやってくるのを見た。
「あ、先輩、馬車が来ましたよ!」
ルナをなんとか押し退けながら、馬車を指差すセーラに釣られて動きを止めたルナは、その隙を逃さなかったセーラに擽り返される。
「後輩を擽る悪いメイドはお仕置きですっ!」
「あは、あはははは! だ、だめぇっ、馬車もう来ちゃうから! みっともないから!」
ルナの暖かな体温を指の先から感じながら、セーラはほどほどに手加減しながら擽った。
ルナの乱れた姿と声を十分に堪能したセーラは、つやつやした顔で席を立った。
「はぁ、はぁ……セーラちゃん、擽り上手いね……」
「ルナ先輩が弱すぎるだけですよ」
そっと微笑んだセーラの姿に朝日が差し込み、ルナは少しドキリとしたが、すぐに擽りのせいで心臓がおかしくなっているのだと結論付けた。
「早く乗っちゃおうか……すみません、大人二人で、次の停留所まで……」
ルナが御者と会話する間に馬車に乗り込んだセーラは、馬車に誰もいないことを確認すると、表情に出さずに喜んだ。
(馬車でもルナ先輩と二人きりだ……! まぁ御者さんはいるけど)
上がって来たルナに壁側の席を譲り、その隣に腰を下すセーラ。
馬車はまだ止まっており、定刻まで客を待ちつつ馬を休ませるようだ。
セーラは隣に座ったルナの匂いを吸い込みながら、そっと目を閉じてルナにもたれ掛かる。
「あれ、もう疲れちゃった?」
疑問符を浮かべるルナに、セーラはポツポツと答える。
「いえ……お屋敷に来る前のこと思い出しちゃって……ちょっと甘えても良いですか?」
「セーラちゃん……うん、いいよ」
ホームシックかな……と思ったルナはセーラの好きにさせることにした。
ルナに見えないようにほくそ笑んだセーラはルナに膝枕してもらいながら、スカートにそっと頬ずりする。
「ルナ先輩のスカート、ちょっとおしっこの匂いがします……さっきちびっちゃいました?」
「なっ……! じょ、冗談だよね!?」
「冗談です」
「このっ……もうっ! もうっ!! 心配して損したっ!」
プリプリ怒るルナを見たセーラは、クスクス笑いながら、ルナの目を見てそっと微笑む。
「ルナ先輩がいるから、寂しくないんですよ」
セーラのまっすぐな瞳をまともに見られず、顔を背けたルナは、真っ赤な顔で呟いた。
「ず、ずるいよ……」
馬車はいつの間にか動き出していた。
―――それから数時間が経過した!
いくつかの生活必需品や、ちょっとしたアクセサリーを購入した二人は、少し遅めの昼食を取る為に飲食店に立ち寄る。
「ここのご飯は絶品だよ……安いしね」
後半を小声で付け加えたルナにセーラは苦笑いする。
店の扉を潜ったルナは、勝手知ったると言わんばかりに席に着き、メニューをセーラに見せる。
「おすすめはこれかなぁ、ナポリタン、おいしいよ」
ルナにそう言われたセーラは素直に頷く、確かに他の客が食べているナポリタンは美味しそうだ、セーラはお腹が鳴らないようにきゅっと身を縮めた。
手を上げて店員を呼んだルナはセーラの分もまとめて注文する。
「ナポリタンと、バジルパスタ下さい」
「!?」
てっきりルナもナポリタンを食べるものだと思っていたセーラは驚いてルナの方を見るが、ルナは不思議そうな顔で首を傾げている。
その表情から悪意がないことを悟ったセーラは苦笑いしながら、ルナに誤魔化しの言葉を放った。
セーラが注文が通った厨房の方を見てみると、今から鍋に火を入れ始める様子が見てとれた。
あの分ではかなり時間がかかりそうだと考えたセーラは、実はずっと前から催していた用を足す為に席を立つ。
「あ、ダメだよ」
「えっと……あぁ、用を足しに行くだけですよ」
無言で席を立とうと思っていたセーラであったが、ルナが手を放してくれなかったため、少し困惑した。すぐに何か誤解が生じていると判断して、少しの気恥ずかしさを隠しながら目的を告げるセーラ。
そんなセーラを見て、ルナは静かに首を横に振る。
かなり切迫していることもあり、その姿を見て少しの苛立ちを感じたセーラであったが、ルナが静かに目線を合わせてくるのを見て息を飲んだ。
「いいから座ってセーラちゃん……それともどうしても我慢できない感じ?」
後半を小声で付け加えたルナに、セーラは困惑しながらも。小さく否定の言葉を返す。
実際のところ、町に着く少し前から我慢していたセーラはかなりしたくなっていたが、どうしても我慢できないとまで言われると、そうではないと言い切れる程度の尿意でしかなかった、何より気恥ずかしさが勝った。
「ここのお手洗いはね……ものすごく響くんだよ」
そう言いながら、ルナはお手洗いに駆け込む幼い少女を見るように目線で促す。
釣られてセーラが少女を見る頃には、彼女は扉を閉める直前だった。
シュウイィィィィ……!!
しばらくして、布を下す音と、激しい子供の放尿音が店内中に響き渡る。
それどころか、気持ちの好さそうな吐息までもが、トイレからかなり離れたセーラのところにまで筒抜けだった。
「安いだけはあるってことだよ、だからよっぽど漏れそうな時以外はこの店のお手洗いは使っちゃダメだよ」
なんて恐ろしい店なんだ、とセーラは戦慄した。
知らずに使っていれば、大恥をかくところだったと、セーラはルナに感謝した。
しかし、済ませられると思っていたところにお預けを食らったセーラは、机の下でもぞもぞと足を動かした。
そんなセーラの姿を見て、ルナは苦笑いをしながら身を捩った。
「先にお手洗いに行っとけばよかったね、失敗したなぁ……」
ルナも催していたらしい、セーラと同じようにお腹を庇い、もじもじと身を揺すっていた。
「公衆トイレがあるんですか? 見た感じなさそうでしたけど……」
セーラの言葉に、ルナは少し目を泳がせて答える。
「あー……なんというか、お気に入りの場所があるんだ、後で案内してあげるね」
歯切れが悪いながらも、何かを決心した様子で言い切ったルナは、配膳されてきたバジルパスタをフォークに絡ませた。
そんなルナの姿を見たセーラは何か不穏なものを感じ取りつつも、ナポリタンに舌鼓を打った。
かなりのボリュームがあったパスタを食べ終え、苦しさを感じながら席を立ったセーラは、つーっと自身の足に水流が伝うのを感じた。
「!」
胃が大きく膨らんで、他の内臓を圧迫しているのか、席を立った瞬間に尿意が一気に攻めてきた。
全身にぶわっと嫌な汗が噴き出るのを感じながら、セーラは青白い顔でルナの方を見る。
そこにはセーラ以上に顔色の悪いルナが、コツコツと足を鳴らしながら自身の尿意と戦う姿があった。
「る、ルナ先輩……」
そっとお手洗いの方に目線を向けたセーラであったが、ルナはふるふると首を振った。
ポタポタと水滴を垂らしながら会計を済ませたルナは、店を出て路地裏の方へと消えていく。
必死で歩を進めるルナにセーラを気にする余裕はなく、置いて行かれそうになったセーラは慌ててルナに付いていった。
何度か路地裏を曲がった先にあったのは、強い尿のにおいがする広めの袋小路であった。
「み、見張っててね……いや、セーラちゃんも限界だったね、一緒にしよう?」
「る、ルナ先輩……」
そう言いながらメイド服の下から手を入れたルナは、黒い下着を膝まで下し、先走ったおしっこを出しながら一気にしゃがみ込む。
ジュイィィィィィィ!!!!
ルナのおしっこはまっすぐ飛んで壁に当たり、そのまま流れ落ちたおしっこが奥の隅の方に溜まっていく。
「はぁぁぁ……ここね、ちょっと傾斜が付いてるからおしっこで靴が汚れないし、誰もいないから穴場なんだぁ……えへへ……はぁ」
石畳で出来た床は決して水分を吸収することはないが、ルナの言う通り傾斜が付いているため、出した排液はすべて隅に集められて漏れ出すことがない。
「はぁぁぁぁ……幸せぇ……えへへ……」
しばらくもじもじとしていたセーラであったが、ルナの遠慮のない嬌声にぞくぞくと身を震わせてしまう。
「あ……うっ……し、しますね!」
わざわざ宣告してから、すじの形に沿って濡れている白い下着を下したセーラは、きちんとしゃがみ込んでから放尿を始める。
セーラの白いつるつるしたスリットから飛び出したおしっこは、きちんと揃えられた足の隙間から前に飛び出し、少し斜め下の石畳に向かって真っすぐな黄色の線を描く。
石畳に激突して四散したセーラのおしっこは傾斜によって流れ落ち、やがてルナが作ったおしっこ溜まりに注ぎ込まれる。
同じタイミングで用を足し、同じタイミングで、同じ量の水分補給をした二人だが、ほんの少しだけ色の違う二つのおしっこは、琥珀色の大きな水溜まりとなって混ざり合う。
限界まで溜め込まれた二人分の水溜まりは、少女達の嬌声とともに成長を続け、深く大きなものへと変化していく。
「はぁぁ……ルナ先輩、やっぱりすごい我慢してたんですね……」
「そういうセーラちゃんだって全然止まらないよ……いや、止めろってわけじゃないよ、ちゃんと出し切ってすっきりしようね」
無限に成長を続けるかのように見えた水溜まりも、先にルナ、次にセーラの順で供水先を失って成長を止めた。
閉じられたすじからポタポタと水滴を垂らしながら余韻に浸っていた二人であったが、先にルナがごそごそと動き出して、ポケットからハンカチを取り出す。
ポンポンと自分の股や、太ももを拭き取ったルナは、ハンカチを内側に折り畳んで、清潔な面を向けてセーラに手渡す。
「はい、使っていいよ!」
「えっ、……わぁ……」
ルナから手渡されたハンカチをぼんやりと眺めていたセーラは、折り畳まれたハンカチを広げて中のシミをしみじみと観察した。
「ちょっ、ちょっとちょっと、それは話が違うっ!」
そのまま濡れた部分を鼻に押し当てようとしたセーラはハンカチを没収された。
仕方なく自分のハンカチで濡れた部分を拭き取ったセーラは、軽くなったお腹を撫でながら、改めて自分達が作り上げた巨大な水溜まりに目を落とす。
「ここがおしっこ臭かったのって、ルナ先輩のせいですよね?」
「そ、そうかな……」
ルナは誤魔化すように目を逸らしたが、その反応がもう答えであった。
濃度百パーセントの、ルナの秘密のトイレの場所を心に刻んだセーラは、服を整えて息を吐く。
「あ、セーラちゃんも町に来た時は使っていいからね! ……別に私の所有物ってわけじゃないけど」
「他の人には教えちゃだめですよ? うっかりするタイミングが被ったら地獄ですし」
「そ、それはやばいね……でも大丈夫、セツナもここは知らないから!」
「やっぱりルナ先輩のせいじゃないですか」
「うっ……やっぱりそうなのかなぁ……」
二人の少女はクスクス笑いながら、ずぶ濡れになった袋小路をあとにした。