お屋敷に宛がわれた一室の流し台で、私は赤色と青色をした不透明な小瓶とホルダーを洗っていた。
すっかり重たくなった小瓶のふたを開けると、中に入っていたおしっこが少し跳ねる。
私はそれに構うことなく小瓶をひっくり返し、持ってきた水桶の水と洗剤を使い、スポンジで中をごしごしと清掃していく。
ホルダーを含めて綺麗に洗い終えた私は、水切り台にそれ等を置き、ほっと息を吐く。
今日のパーティーも大変だった、少し火照った体で床に就いた私は、目を閉じて今日の出来事を思い出す。
―――
今日はお嬢様の友人が主催したパーティに参加するため、朝から大忙しだった。
荷物の準備は前日までに済ませていたが、お嬢様のお化粧や着替え、馬車の準備などで屋敷中がドタバタと騒がしかった。
用を済ませて馬車に乗り込み、お屋敷に着いたのは昼頃だった。
「……」
馬車から降りる直前、お嬢様はそっと私のスカートに手を触れた、私達の間だけで伝わる秘密の合図だ。
もじもじと身を揺すりながら、不安そうに私を見つめるお嬢様の小さな身体に合わせ、少し身を縮め、目線を合わせてそっと微笑む。
「ありがとう、クロエ……」
案内された控室に入った私達は、扉に鍵を掛け、カーテンを閉じる。
私達以外誰もいない部屋の中で、カーテンを閉じるために部屋を歩き回る私の足音と、お嬢様がせわしなく足踏みする音だけが響き渡る。
「……っ!」
焦れたお嬢様は辛そうに身を捩り、今にも泣き出しそうな顔をしている。
カーテンをすべて閉め終えた私は、大急ぎでホルダーから赤い小瓶を抜き取り、お嬢様の広げられた長いスカートの中に潜り込む。
蒸れたスカートの熱気に耐えながら下着をずらし、小瓶を当てがう。
感触で分かったのだろう、すぐにお嬢様の水分を控えられた濃い尿が臭気とともに勢いよく飛び出す。
スカートの中の暗闇でも分かる濃く色づいた放尿は、瓶の三割ほどまで満たされたところで勢いを失い、ポタポタと雫を垂らして終了した。
私はできるだけ水滴も回収できるように、そっと瓶をお嬢様のすじに這わせ、水気を拭き取る。
ぞわぞわとした感触が走ったのか、びくりと体を震わせたお嬢様の身体に愛おしさを感じながら、ずれた下着を元に戻す。
スカートの中から抜け出した私は瓶にきゅっと蓋をして、ほっと息を吐く。
もう九月とはいえ、人肌で温められたスカートの中は蒸し暑く、顔を出した瞬間から汗が引いていくのが分かった。
恥ずかしそうにしているお嬢様ににこりと微笑んでから、私は自分のスカートを捲り、ホルダーに小瓶を戻す。
太ももに当たる瓶から、お嬢様の高い体温が伝わってくる。
窓を開けて換気したあと、呼ばれるまでの僅かな間、私達は隣に座って別れを惜しむように談笑を続けた。
一時間もしないうちに扉がコンコンとノックされ、私達は揃って音のした方へ目を向ける。
私が扉を開けると、主催側の執事がお辞儀をしてお嬢様を出迎えた。
お嬢様がパーティ会場に消えていくのを見守った私は、パタンと扉を閉めて鍵を掛ける。
……やっと、私もおしっこができる。
そう自覚した瞬間、じわりと下着に熱いものが染み出した。
私は慌ててカーテンと窓を閉め、大慌てで下着を下す。
青い瓶をホルダーが抜き取り、自分のすじに当てがい、ほっと肩の力を抜く。
お嬢様よりも我慢している筈なのに、勢いのない私のおしっこはトポトポと鈍い音を立てて瓶に溜まっていく。
我慢し過ぎて溢れるかもしれないと思ったが、そんなことはなく、どれだけ絞り取っても瓶に水が満たされる気配はなかった。
ガラス製の瓶がすじを這う感覚にぞわぞわと身を震わせながら、おしっこを拭き取った私は下着を下したまま瓶に蓋をする。
瓶にはお嬢様のものより少し多い、半分程までおしっこが満たされていた。
漏れないようにきゅっと蓋をしてホルダーに戻す、お嬢様のそれより温い、瓶の熱が太ももに伝わってくる。
軽くなった身体で下着を戻し、カーテンを戻して窓を開ける。
外の風を吸い込み、肺の空気を入れ替えた私は、椅子に座り、そよ風に火照った体を晒しながら目を閉じる。
朝からバタバタしていたことや、限界までお手洗いを我慢していたことなどが積み重なり、疲れていた私はしばらくうとうとしていた。
どれぐらい時間が経ったか分からないが、私はコンコンと扉を叩く音で目を覚まし、慌てて扉を開けた。
そこには赤い顔で小さく揺れるお嬢様と、さっき見かけた執事がいた。
「ごめんなさいクロエ、少しお化粧が崩れたから手直しをお願いできるかしら」
その言葉にすべてを察した私は、身を引いてお嬢様を中に招き入れる。
執事にお辞儀を返してから、失礼にならないようにゆっくりと扉を閉めて鍵を掛ける。
急いで窓とカーテンを閉めようと駆け出した私の腕を、お嬢様が強く掴んで引き留めた。
「いいから早くっ! も、もう、もうダメなのっ!」
短く叫んだお嬢様の足元には、ポタポタと水滴が垂れていた。
「せ、せめて扉から離れましょう……」
お嬢様を引っ張って誘導した私は、慌てて赤い瓶を取り出し、お嬢様のスカートに潜り込む。
さっきよりも熱を帯びている中は、蒸されたおしっこの匂いが充満していた。
まともに吸い込んでしまった私は軽く咳き込みながら、濡れた下着を横にずらして瓶を当てがう。
ひくひくと痙攣しながら細い水流が漏れ出しているすじから、勢いよく薄いおしっこが溢れ出す。
さっきと違い、ほとんど臭気を感じさせないそれは水流となって、瓶に溜まっていたおしっこを巻き込んで底を打ち鳴らし、瓶の中身をかき混ぜる。
スカートの暗闇越しに聞こえてくるお嬢様の荒い息遣いと、大きな水音が部屋に響く。
酸欠と熱気で頭がくらくらするのを感じながら、私は目を見開いた、瓶が満水近くまで満たされたからだ。
本当に限界の限界まで我慢していたのだろう、普段は瓶の半分も満たせないお嬢様が、既に三割ほど溜まっていたとはいえ、瓶を満水にするとは……。
私はお嬢様の成長と頑張りに、勝手に頬が緩むのを感じたが、今はそんな呑気なことをいっている場合ではない。
流石に勢いはかなり衰えてきているが、まだまだお嬢様のおしっこは続いている。このままでは本当に瓶を溢れさせかねない。
少し迷ったが、お嬢様の無邪気な笑顔を思い出した私は、瓶をずらして勢いよくお嬢様の白い局部へと吸い付いた。
驚いて腰が引けるお嬢様を片手でがっちりとホールドし、残っていたおしっこを受け止めてごくごくと喉を鳴らす。
苦いような、まろやかなような、そんな不思議な風味に、お嬢様が口にしたのであろう紅茶の香りが僅かに混ざっている。
喉を軽く潤す程度しか残っていなかったお嬢様のおしっこはすぐに止まった。
水滴を残さないように、ぺろぺろと軽くすじの中を掃除していると、スカート越しにお嬢様の嬌声が聞こえてきた。
「ふぅっ……クロエ、そ、それ、ダメぇ……あっ!」
舌が這うことで少し性感に目覚めてしまったのかもしれない、悪いことをしたと思いながら下着を戻し、スカートの中から体を出す。
汗が引いていくのを感じながら、たぷたぷに溜まった努力の結晶をお嬢様に見せる。
「膀胱、ちょっと成長しましたね……見てください満水ですよ、もう瓶が要らなくなる日も近いかもしれませんね」
蓋をしながら誇らしげに語る私に対し、お嬢様は浮かない顔をしていた。
「ごめんなさい、私のおしっ……汚いものを飲ませてしまって……嫌いになった?」
その言葉に、私は目を見開いた。何があろうと、私がお嬢様を嫌いになんてなる筈がない。
瓶を仕舞って、ハンカチで手を拭いた私は、ポンポンとお嬢様の頭を撫でる。
「私がお嬢様を嫌いになるわけがないじゃないですか……それとも私の言葉を信頼できませんか?」
少し戸惑っていたお嬢様は、私の言葉にパっと顔を明るくさせる。
まるで花が咲いたみたいだと私は思った。
「ありがとうっ! 大好きっ!」
お嬢様は軽くなった身体でスキップしながら扉の方へ駆け寄る。
転びますよと注意する間もなく、お嬢様は部屋をあとにした。
扉が閉まる直前に髪の間から見えた赤色に、私はそっと微笑んだ。
―――
これで終われば綺麗だったんだけどなぁ……
私はベットの上で、そのあとのことを思い出して悶々とした。