「これは、ガンマから?」
その日、私はある人から一通の手紙を受け取った。
差出人はガンマ。
内容は『ホテルで一緒に食事をしながら話したい事がある』という事だった。
どうやら何か重要な話があるらしい。
そう思いながらも、指定されたホテルへと向かい、そこで待っていたガンマと合流した。
「来てくれてありがとうございます」
そう、俺を案内してくれたのは、ガンマ。
アルファとベータと同じくエルフではあるが、藍色の髪を伸ばした美しいエルフであり、卓越した頭脳の持ち主である。
だが。
「それじゃ、こちらに案内しっへぶぅ!?」
「あぁ」
その反動か運動神経は最悪であり、時折顔から転んでいる。
「だ、大丈夫か?」
「えぇ……何とか……」
とはいえ、本人は気づいていない様子。
それにしても、この人に会うのは久々だな。
「お待たせしました」
「いえいえ。それよりも急に呼び出したりして申し訳ありません」
「気にしないでください。それより、俺を呼んだ理由は?」
「そっその、ですね……」
顔を赤くしながら、恥ずかしそうにしている。
「今回、ミツゴシ商会が建設したホテルのサービスがどのような評価をされているのか。それを、調べたいのですが、私一人では限界がありまして……。それで、あなたなら、もしかしたらと思って」
「なるほどね」
確かに、この世界に来てからは、色々と忙しくて、こういった事は出来ていなかった。
だから、今回はいい機会かもしれない。
そう思った俺は、早速部屋へと入った。
「あっあの!」
すると、ガンマが声を上げた。
「どうかした?」
「いや、その……やっぱり何でもないです」
何を言いたかったのか。
それは、大体想像がつく。
だけど、あえて言わなかった。
そして、そのままベッドの上に座って本を読み始めると、ガンマもまた同じように隣に座って本を読んでいた。
普段ならば、何か会話を行うのだろう。
だけど、あえて、俺はガンマの方から話しかけるのを待つ。
「……ねぇ?」
「ん? どうしたんだ?」
ようやく、向こうから話し始めた。
さぁ、ここからが本番だ。
「その、私って魅力がないですか?」
「どうしてそう思うんだ?」
「その、アルファ様とベータ様と比べたら、あまり自信がないので」
「そんな事は無いよ。二人とも魅力的な女性だと思うぞ」
俺がそう言うと、少しだけ表情が明るくなった気がする。
「本当ですか?良かったぁ」
安心したようで、ホッと胸を撫で下ろしている様子が見て取れる。
「それじゃあ、一つお願いがあるんですけどいいですか?」
そう言って、俺の方を見てくる。
その瞳には熱が籠っており、潤んでいた。
それだけで何を求めているのか分かってしまう程に分かりやすいものだった。
だからこそ、それに応える事にした。