催眠玩具船団・オラクル 作:どろまみれ
半年が経過してルーキーランキングに載らなくなったはずなので、ぼちぼち再開します。
(私は成人向けを匿名でやってゾーニングしているだけでルーキーではないので)
19.
サポートパートナー関連の指示を終え、イリスは惑星ナベリウスへ出立。
自分は装備を
大剣『ザンバ』のよい具合の切れ味と。
長杖『イモータルフェザー』のいい感じの伝導性と。
中楯のほどよい使い易さと。
そうして前回戦闘分の報告とフィードバックを行っていると、ジグさんがふぅむと唸る。中~遠距離武器の保持については、どうやら賛成してくれるようだった。
「――
正直に言えば賛成を貰えるとは思っていなかった。
こちらとしてはありがたいことなのだが……アークスとしては、こういう風にやたらめったら武器を担ぐのを禁止してはいないのだろうか?
「ふむ。アークスの武官あたりであれば、反対するかも知れんがの。わしはお主の事情を知っておる。銃器のように『引き金さえ引ければ誰でも殺傷力を持てるよう開発された武器』が、たかが
そのままジグさんは手元で何かしらの開発工程が描かれた水色の量子タブをぺらぺらとスクロールしてゆき、かなり最後の方に差し掛かったあたりで止めた。
キャストの角張ったマニュピレータハンドで器用に摘まむ……どうやら、何かしらの設計図のようだ。
「遠距離武器として作成するなら、お主のフォトン回路の特殊性を考慮するとこの辺りが適当じゃろうな。形がこうというだけで、弾丸も矢も回路的には大差はない」
リムと弦と巻取り機の付いた、銃器……というよりはボウガンに近い機構の武器だ。
自分としては間接攻撃が可能な武器であれば何でもよい。しかしジグさんの武器工匠的な立場からみて、何故これが自分にとって好ましいと考えるのかは知っておきたい。
「前にも言ったが、結局のところ、攻撃には自らのフォトンを使用するからじゃな。銃器という武器のモデル自体は誰でも扱えることが前提であったとしても ―― 射撃職。フォトンの固着化に関する才能が必要となってしまうんじゃよ。物理・科学弾頭の弾丸も撃つだけなら可能じゃが、どうせダーカーには効かんからの」
なるほど。
その部分において、自分では懸念が残っていると。
「そういうことじゃ。具体的に言うと、フォトン・アーツは当然使えん。弾丸の適性距離も絞る必要はあるし、弾丸も通常とは違って数を節約する必要が出てくるじゃろう。少なくともお主はフォースであるのだし、銃器を単体で扱えるとは思っておらん……が」
逆説。ジグさんがバイザー越しに、得意げに胸を張る。
「この間に、クラリスクレイスの嬢ちゃんから面白い考え方が送られてきておってな? 『テクニックを弾丸に込める』という発想。そして武器そのものにテクニックやフォトン・アーツの回路を仕込む工法……つまりは『武器固有テクニック』『武器固有PA』という物を開発中なんじゃよ。アークスの身体に頼らず、武器の機構によってこれらを代替してしまおうという試みじゃな。このボウガンを、その試作品ということにさせてもらいたい」
先鋭的な武器のモルモット係。よく言えば自分専用に開発してくれる……ということのようだ。
ありがたいことではある。ちなみにジグさん達には利点などあるのだろうか。
「ありありじゃ。こういう繋がりを作ってしまうことによって、お主の武器防具の開発には
よろしくお願いします。
ジグさんに頭を下げ。もらっていた武器を調整のために預け。
ショップロビーを、後にした。
――
――
さて。
装備品のサプライを待っている間にも、行わなければならないことがある。
書類の類いが揃っていることを確認してカウンターへ。いつもお世話になっております。コフィーさんへ提出してから、改めて集合場所へと向かうことにした。
アークスシップの中央ロビーは、様々な場所へのアクセス用途が簡便になるよう配置が成されている。
各所へ向かうためのテレポーター。艦橋もあるようだが、今の自分には用事が無い。クラス関係のオーダーが行える場所と、
その内の中央。
およそ全ての受付窓口から視線を受けるような真ん中に、自分が目的としていた人達が集まっている。
4人だ。
裾の長いスカートの、薄紫のマッシュルームカットの女性と。
身体のラインが結構出るアークス推奨の戦闘用装束をまとった筋骨隆々の男性と。
やや小柄で細い体躯。顔に救急絆を貼り付けた、紫髪リーゼントの男。
そしてその少し後ろに所在なさげに立っている、首丈の赤髪の女性。
彼らもこちらを視認した。軽く挨拶をしながら近付いて行く。
そう。彼らがこれから自分がパーティを組むメンバーである。
「それじゃあ自己紹介といこうか。オレはオーザ。クラスはハンターで、武器は
「おっ、次はおれか? おれはレダ。同じくハンターだけど、
「……マール―。私はフォース。よろしく」
「あ、あ、わたしは……そのう。モニカといいます。今回の皆さんの遠征の、総合エンジニアを務めさせてもらいますぅ……」
彼ら彼女らにならって、自分も自己紹介を終える。
今回はメンバーはアークス側が選んだものだ。結果的に完全に同期が選ばれており……モニカは、武器工匠の見習いとして招集をうけた形となる。
この中でリーダーを任せられているのは、オーザ。
「それじゃあ復唱するか。オレ達の今回の任務は惑星リリーパの
辞令をオーザが読み上げる。この任務は特に小隊の訓練も含まれており、今回の自分達のように新人の修練として取り上げられることが多いと聞いた。
「そうだ。とはいえオレ達は同期とは言っても、研修を終えた時期が一緒というだけだからな。年齢はバラバラだ。……特にヒースはまだ年少なんじゃないか?」
オーザがストレートに聞いてくる。こちらの体躯をみてのことだろう。
……一瞬だけ、マールーがオーザを睨んだような気もしたが……自分としては気にしていない。オーザの指摘は正しいものだ。
説明を挟む。
肉体強度は問題ないと許諾が出ていること。戦闘技能も教官のゲッテムハルトから可を得ていること。そして自分の戦闘スタイルは特異であるため、あまり吃驚はしないでおいて欲しいこと。
「ほう? あのゲッテムハルトからか……」
「そいつって、あんまり良いウワサ聞かないヤツじゃあなかったか?」
「と、聞いているな。オレも」
レダが振った話題に、オーザがうんと頷いて続ける。
「しかし彼の戦闘技能については、オレがようく知っている。一騎当千、右に出る者はいないだろう。オレとしては、彼から可をもらうことが出来るような人員が出てくるとは思ってすらいなかった。それほど能力には厳しい人だ」
「へぇ~! すげぇじゃん、それって!!」
本当に軽口だったのだろう。レダは途端にきらきらした目をすると、こちらを褒め始めた。
とはいえ凄いのは自分ではなくゲッテムハルトである。その点について、これからの任務で判断をして欲しい旨を伝えておく。
「そうしよう。改めて、よろしく頼む!」
「よろしくな!」
ふたりの男と順に握手。
そのまま、隣を見ると。
「……。……よろしく」
「よ、よろしくお願いしますぅ……」
マールーとモニカ。女性陣はやや気後れた様子を見せながらも、おずおずと握手を交わしてくれた。
これにてチームは結成された。
受付で今度はクエストを受注し、多人数・長期滞在用途のアークスシップへ乗り込むことにする。
向かうは惑星リリーパ。
砂漠と機械と風と。隊員のサバイバル力も試される、不毛の地である。
・弩
ボウガン。アサルトライフルでもなければバレットボウでもない。
時系列的にはブレイバーのさきがけとしてのご出演。
ちなみに原作、アサルトライフルなのに明らかスナイプ体勢のPAがあるという部分は謎。遠距離出ないのは確かだが、有効射程とかがないならむしろ全対応の、アサルトライフルとかいう区別が必要ないのでは。
・ガンスラッシュ
とても不遇だった武器。武器が救済されたというよりはラスターという裏ボスクラスが便利すぎたと呼称すべき。
PSシリーズではお馴染みの武器なのだが、それでも不遇。武器がどうこうとかですらなく、ゲームスピードの増加にも取り残され、PAも酷かった。セカンドクラスのインフレには当然の如く置いて行かれた。「火力が出せないわけではないが、他職でいい」という評価になってしまう。
レダがこれを扱うハンター職だというのは、TCG出典だそうです。
・レダ
主人公(プレイヤー)の改変によって救われ、その後フェードアウトした人。
・オーザ
ハンター。パルチザン使い。
フォースが苦手。
・マールー
フォース。ロッド、炎と光テクニック使い。
ハンターが苦手。