【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
1話 個性『脊髄ぶっこ抜き』
「諦めた方がいいね、いや本当に、うん」
そう医者に言われた緑谷出久は、目と口を見開いて衝撃を受けた。ヒーローを諦めろと、面と向かって言われた事実を受け止めるにはあまりに難しかった。
「この個性はあまりにも危険すぎるし、何よりその……あの……なんだ、ご時世と倫理的にヒーローになるのは……」
医者がそれはもう、申し訳なさそうに口を濁す。その話を聞いて、病院に連れて行った出久の母もまた、なんとも言えない表情を作っていた。
「ええっと……ヒーロー向きではないと……」
ヒーローには向かない個性、それを母からも言われ出久は固まった。どんな個性が出るのか楽しみだったのだ、と思ったらもう現れていたのが驚くしかなかった。
「強いんだけどねぇ……ちなみに奥さんは第四世代ですね?個性の方は……」
「わ、私はちょっとした物を引きつけるくらいで、夫は火ィ吹きます」
「つまり、奥さん側の個性が色濃く覚醒したみたいだ……キミの個性、脊髄ぶっこ抜きは」
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昔から、魚を食べるのが上手かった。食卓に並ぶ焼き魚一尾丸ごと、それを綺麗に骨だけを取り外し、身と骨だけに分けれた。まるで食事作法をしっかり教わったかのようにしても、それは『綺麗すぎる』程に。異様とも思える綺麗さで、もしやと病院に連れて行かれた。
『脊髄ぶっこ抜き』
脊椎動物であるならば、その頭部ないし頚部に触れ、脊髄を引き抜いて殺す事ができる。他の部位はできず、何故か脊髄だけしか抜けないその個性は、あまりにも危険すぎた。
当たり前である、頭部付近に触れた相手を無惨に殺せる個性など、危険極まりない。むしろヴィラン側の個性としか思えないそれが、出久に現れたのだ。
その日を境に、緑谷出久は変わった……彼は生粋のオールマイトオタクだったが、そこへさらに違う『色』が加わってしまった。
『はは……ヴィランみたいな個性かぁ……あはは、あははは』
『出久……』
脊髄ぶっこ抜きという個性を突きつけられた衝撃、ネットで調べてみた結果出て来た映像を見ながら、出久は母に問うた。
『超かっこいいヒーローさ、僕も……なれるかなぁ……』
『それは参考にしたらだめぇ!!』
指さす画面の先に映る映像は、青装束の如何にもなアメリカンジャパニーズ忍者が、敵の頭部を脊髄ごと引き抜く映像だった。
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時は流れ折寺中学校。
「ひぃいいいい!?や、やめろ緑谷!!先生が悪かったから!!」
「誰が……ヴィランの能力ですか?先生、言ってみてください」
その教室が、血の海となっていた。クラス総数30名、内29名の頭部が喪失、その断面から血を吹き出して教室を紅に染め上げている。その残り一名が、クラスメイトの頭部を持ちながら、壁に追い詰められた担任を追い詰めた。
「先生、僕は好き好んでこんな個性を持って生まれたわけではありません、それを茶化した挙句、そんなヴィランじみた個性じゃあ雄英受験は無理……先生としてどうなんですか?」
「あぁあ悪かった!悪かったから!?しかしキミ、いくらなんでもこんな素行はヒーローなんてーー」
がしりと、まだ頭部を握ってない方の手で緑谷は先生の頭部を鷲掴んだ。
「ああ、ああ!?」
「Finish Him」
担任教師たる彼が、緑谷よりこの処刑宣告を聞いたのは一年で百数回目となる。そして始まった、ぶちぶちとちぎれ始める首の皮膚に筋繊維、そして激痛、抗えない無慈悲な力に引き裂かれながら景色が上に、上にと上昇してーー。
「ひぎやぁああああ!?」
担任の脊髄はぶっこ抜かれて、即死した。
「全員明日まで反省しといてください、明日気が向いたらくっつけてあげますので……あ、かっちゃんは後処理用にくっつけとこう」
担任の脊髄付き生首をゴミ箱に投げ入れ、またもう一つの手に握られた薄い金髪の頭部、それを教室の倒れた首なし遺体を起こしてゆっくり突き刺した。すると、まるで何事も無かったかのように引きちぎれた首は癒着し、閉じられた金髪の少年の目が見開かれて怒りに染まった。
「テメェ!?このヴィラン幹部候補生!!またやりやがったな!!」
「じゃあかっちゃん、後掃除よろしく、あ、首は適当に置いといてねー?」
「っざっけんなよデク、ゴラァ!!」
かっちゃん、緑谷がそう呼んだ少年からの文句に対し、緑谷はその少年の頭部を鷲掴み、細目で言った。
「また行っとく?」
「あ、はい、すみません。やっておきます」
脅迫であった。
そうして、凄惨たる現場の後始末を頼み、緑谷出久は下校した。
緑谷出久、折寺中学校2年生……ヒーローを目指している少年は、その個性で折寺中学校を恐怖によって支配していた。