【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
強化合宿三日目ーー。
「あれれー、昨日はあんなにボロ勝ちしてたのに、無様に倒れてるねー?三日天下どころか一日天ぐべへっ」
「あんたはあんたの訓練に戻る!宍田、背負って休憩スペースへ……」
「よしわかった」
「庄田ぁ、アイシングの氷と止血用タオル、俺らと緑谷の頼めるか?」
「わかった」
三日目の朝、初回の訓練……緑谷出久ーー敗北!
4人からのコンビネーションに30分耐え切ったが、気絶により本日初回の訓練は敗北から始まった。
顔を血だまりに埋めた緑谷を(死んでません)たまたま訓練中通り掛かった物間がここぞと煽りちらし、それを拳藤がいつも通り制した後、宍田がおんぶして休憩スペースへと運び始めた。
「ってぇーー……昨日みたいにはならなかったが、スチールになってこれかよ……」
「今背負ってわかったが……すごい体してるよ彼……」
虎の我ーズブートキャンプ後、緑谷に合流し即組み手、しかもその緑谷は血みどろの状態というハンディキャップあり、それで昨日は完敗し、今朝は盛り返すように勝ってみせた。
「こんな子どもの顔なのに……一年最強なんだよね……」
「みんなー、氷と止血タオル持ってきたよー」
庄田が氷を入れた袋と止血のタオルを運んできて、気絶中の緑谷の鼻やら目やら耳の血を拭ってから額に氷を置き、全員が殴られた箇所や、打ちつけられた部分を冷やす。
ふと、ジャージの名前の部分『A組』の所を見た拳藤が、鉄哲に顔を向け、鉄哲は頷き、反対の宍田と庄田にも顔を向け頷いた。そして拳藤は懐から『B』のシールを取り出して『A』部分に貼ろうとしてーー。
「おい、うちの教え子を何勝手に移籍しようとしてんだ」
拳藤の手首に、相澤先生の捕縛布が飛んできて阻止した。
「……ダメですか?」
「駄目だ」
「物間とトレードで」
「駄目だ」
こうして拳藤が諦めたところで、緑谷は目を覚ましてむくりと上半身が起き上がった。
「……よし、次のセットだ」
「「「「待て待て待て待て」」」」
インターバルだよと、組手相手のB組全員で、緑谷を立たせまいと押さえつけた。
「お前インターバルというか休憩を知らないのかよ、切島が言った通りだわ」
「休みと練習くらい考えなよ、全く……」
「いや、けど、相澤先生」
「休む事もヒーローには必要だ、長期戦の力の抜きどころも覚える必要がある、今は休んどけ」
鉄哲と拳藤に休みを知らんのかと諭された、相澤先生も『休み』は大事だと、B組の意見は正しいと静かに叱る。
先生が言うなら……とそのまま額の氷が入った袋を首やらに動かして冷やしていく。
「なぁ、キミは……どうしてそこまでヒーローになりたいと思ってるんだ?」
宍田からの疑問に緑谷は、なぜ尋ねるのかと目線を向けて返事代わりとした。
「雄英に入った以上、確かに目指す場所だしそうなる為に入ったのは分かる、けどキミからは執念めいたものを感じるよ」
「何か理由でもあるのか、例えば……ならなきゃいけない理由があるとか」
緑谷は……久々に聞かれたなと、上半身を持ち上げて、組み手相手の皆に語った。
「こんな人殺ししかできない個性でも、ヒーローになりたいって思って、なれると言われたからかな……だから、その姿を恩人や両親に見せたいんだ……そして助けを求める声があったら、そばにすぐ言って手を取ってあげれる……そんなヒーローになれたらなって」
単純な理由だった、一番になりたいとか、有名になりたいとかではない、恩人や両親に立派なヒーローになった姿を見せたいからだと。
呟く緑谷に4人は……皆顔を見合わせて同じ事を思った。
『『『『そんな純朴な願いで、何故そんな戦闘力と殺意と執念を有するようになったのか、理由と経緯を聞きたい』』』』と。