【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「おいおいおいおい!!マジかよ……ガキで遊ぶつもりが……大当たり引いちまった!!ジャックポットじゃあねぇか!!」
出水洸汰は尻餅をついて、涙を流しながら、その背中を見る事しか出来なかった。現れたのは両親の仇、それを前にして立つ少年の背中。
「お前とは戦うなって言われてるんだよ、プリンス!!けどこりゃあ……仕方ねぇよな!!非常事態につきってやつだ!!なに……殺しゃしねえ、黙らせてついてきて貰うついでに……遊ぼうぜ、俺とよ!!」
蠢く筋繊維が皮膚から生えて来る、狂気の笑みと悦楽に恐ろしい笑みと言葉を撒き散らして、自己満足の為にただ暴力を振るう……そんな敵を前にして、昨晩偉そうに自分へ口うるさく語った少年はこう言った。
「安心して洸汰くん……キミは必ず、僕が守る……この命に懸けても!!」
出水洸汰は、彼から放たれた青色の安らぐ様な……包み込む闘気を目撃した。
三日目の訓練も、無事終了した。緑谷は薪を運び、着火準備を進めていた。今夜は肉じゃがらしい、具材も一緒だが味を変えれば飽きが来ない、確か自衛隊もカレー、肉じゃが、シチューとローテーションしたりとかあったような……と考えながら緑谷は、何やら金属の細い棒と板を取り出した。
「緑谷、なんだそれは?」
ちょうど背後に轟が通って、何を持ってるのか尋ねた。
「ファイヤースターター、ロマンある火打石のつよつよヴァージョン」
「火打ち石の?」
「ほら、擦ると火花がすごい出るでしょ?」
目の前でその金属棒と板を削るように擦ると、勢いよく火花が散った、それが火口用に削った枝木に燃え移り、緑谷は薪への燃え移りを確認してドヤ顔をする。
「八百万にチャッカマン作って貰ったらよくないか?まだあったと思うが……」
あー、言っちゃったよと緑谷はそれを笑顔で返す。
「こーいうので火をつけたくなるんだよねキャンプとか、あと……単純にロマンもあるけど、雨でも使えるんだ」
「便利だな、それは」
「ただ……キャンプの火の確保は最終的に、イ◯タニのガスコンロとボンベに行き着く」
「イワ◯ニのガスコンロって、あの家庭で鍋をやる時の?」
「うん、文明の利器は凄いよね」
ファイヤースターターの講釈とロマンを語るが、結局文明の力には敵わないのであると締め括る。いい感じに薪へ火がついたのを眺めて確認すると、轟がまた質問してきた。
「そういえば……昨晩森にカレーを持って行っていたが、何をしてたんだ?」
「ああ、見てたんだ……ほら、マンダレイさんが世話してる洸汰くんが1人入って行ったからさ、危ないから様子見にね」
「あの爆豪似のマセた?」
「あっはっはっは!似てない似てない!全く違う子だよ」
かっちゃんがこの世に2人も居てたまるかと緑谷は笑って、昨晩の洸汰との会話を轟に語った。
「殺されたんだって、2人ともヒーローでヴィランにさ、ウォーターホースってヒーロー……まぁ、ああなるよ、甘えた盛りの子が親亡くしたらさ」
「それは……つらいな……」
「だから個性自体憎んでる、無ければヒーローもヴィランもない世界で、パパとママは死んでなかったんだと……だから言ってあげた、好きにどうぞ恨みなさいって」
「いやそこは……もっとこうあると思うんだが?」
そこは違わないかと、子どもにそれは劇薬な言葉ではと嗜められる。火はいいな、あとは具材準備中のクラスメイトに合流しようと、緑谷は立ち上がりながら言う。
「うん、後悔してる、ていうか……失敗だった、あそこで僕は知らんぷりしておけばよかったんだろうとも思ったし……」
「ただ、ほっとけなかったと……」
「そう……なんだよね、どうにかならないかと」
「お前はその辺りが良くないな、土足で人の心に上がり込んで、ブレイクダンスしてくるし」
「反省してます……」
心の間合いを緑谷は知らない、人とやっと関わりができたのはそれこそ雄英に入ってからだ。だからその、あたりを知らず、経験できず生きてきた。それは特効薬であり、時に劇薬ともなる。
轟とは仲良くなれた、しかして爆豪と一時壊滅状態まで陥り、今回は洸汰だ。
「難しいね、人付き合い……オールマイトならもっとよくやれたのかな……」
「さぁな……とりあえず今やれる事はあるぞ」
「何?」
悩む緑谷に、轟は今やれる解決策があると提案した。
「飯食べて、風呂入って、寝る、リセットして考えるんだな」
「いいね、原始的で素晴らしい」
「というわけで肉じゃがの具材切り、手伝うぞ」
悩みが解決しないなら、一度リセットも必要だと、轟の提案に緑谷は乗ったのだった。