【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「さぁやろうぜ!プリンス!!楽しく遊ぼうや!!」
会敵の瞬間、マスキュラーの右拳は緑谷の左手に軌道を逸らされた!しかし!
「くぅう!?」
弾く為に使った左前腕がミシミシと悲鳴をあげる!!受け流しただけで自分の骨が疲労骨折でも起こしそうな膂力!!速攻で決めるしかないと側面に回り込み、自らの個性を使い頭頂部を掴み、ぶっこ抜きにかかる!!
「おっとぉ!?プリンスいきなり御開きはよそうや……まだ始まったばかりだぜ?」
「!?」
だが、抜けない!脊髄が!!首に続々生えてくる筋繊維が、決して抜かせないと主張している!!
「他の奴らなら終わってたが残念だったなぁ、知ってんだよ……筋力でゴリ押して個性封じれるってなぁ!!」
「ちぃい!!」
腕を振るわれて、それを回避するが剛腕の起こす風にタタラを踏む緑谷。それを知ったのは期末のオールマイトとの実践、いつどこから流れたと考えたが、そんな暇は無い!
こいつに手加減も、生かして捕えるなんて考えたらダメだ!即座に左手を前に、右手を弓引くように構え、今度はこちらからと緑谷は踏み込む!
「来いやぁ!!」
「バイオレントラッシュ!!」
数多の強敵に放って来た必殺の連撃!!それをマスキュラーは身体中から生やした筋繊維で自らを覆い尽くし防ぐ!!
「おおすげぇマジか!?ちょっと痛ぇな!!そんな身体にどんな力あんだよ!!流石ヴィランのプリンス!!」
少し痛いで済むのかよ!?バックステップで距離を離し、構えを取る緑谷に、筋繊維の塊から顔を出したマスキュラーが笑いながら言った。
「やっぱりお前、こっち側じゃあねぇかよ!!なんでヒーローになろうとしてんだ!!なぁ、一緒にこっちこいよ……お前だって、その暴力や個性好きに使いてぇんだろ!?」
「さっきから好き勝手に……そもそも、プリンスって何だ!何故僕を狙う!?」
そうだ、さっきからと緑谷は開闢行動隊として現れたヴィランが、自分をプリンスと呼び攫おうとする、その呼称と理由をマスキュラーに尋ねた。
「あ?まぁいいか、連れてくし……俺の雇い主、知ってんだろ?ヴィラン連合の死柄木、お前とやり合うくらいなら、仲間にしてぇんだとよ?で、俺らが来たわけ」
「死柄木が!?」
まさかの理由に緑谷が驚く、あのショッピングモールでの件、本気だったのかとギリギリと奥歯に力が入る。
「僕がそっちに行くと思うのか……僕は、ヒーローになる為に雄英に通ってるんだ!」
攫って仲間になると思うのかと言い放つ緑谷に、マスキュラーは左手をズボンのポケットに入れて弄りながら言い返す。
「だぁから、首輪つけて躾けて言うこと聞かせたいんだろうよあいつは……ああそれとよ、遊ぶつもりだったけどダメだわ……ちょっと気ぃ抜いたらやられちまいそうだからよ、本気になるわ」
そして、取り出した趣味の悪い義眼を左眼に取り付けた瞬間ーー緑谷と、背後にいる洸汰にーー殺気が叩き込まれた。
「まぁ半身不随でもあっちは治すなりしてくれるみてぇだからよ!!死ぬんじゃねぇぞプリンス!!」
剥き出しの筋繊維の鎧が展開され、緑谷の反応速度すら上回る踏み込みと、握りしめた拳に、緑谷は数瞬の内に考えた。
受け流せる力じゃない!背後には洸汰くんが居る!避けてはダメだ!!踏ん張って何とか弾くしかない!!
しっかり足を踏み締め、ガード体勢を取った緑谷。愚の骨頂!!されど洸汰を庇うにはその他無し!!暴力の無慈悲な一撃が緑谷を直撃し、下の地面に後ろへ下がりながら線を足の踏み締めが作り、洸汰の手前ギリギリまで押し込んだ。
「ああ、あああ!お前!?」
洸汰は見てしまった、自分を守る為に避けたら自分を殺しかねない一撃から守る為に壁になった緑谷、その右腕の小指側、前腕の尺骨が折れて筋肉と皮膚を突き破り飛び出している様を!!
「まぁじかよ、マジかよ!!耐えるか!!耐えちまうのか緑谷出久ぅう!!」
本気で放った、半身不随どころか死んでも仕方ないと思って後で仲間に謝る気で殴った。それを、緑谷出久は耐えてまだ立つ様に、マスキュラーは歓喜して笑うしかなかった。
「い、一発か……はは……折れたのは……屋上から……叩き落とされて以来……かな?」
骨折は中学以来か……母の愛情たっぷり煮干しの味噌汁で鍛えた骨を久々に折られた。右腕も、そして見た目じゃわからないが左腕も……両腕を持ってかれた絶望を、緑谷出久は叩きつけられた。