【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
111話 A組達の沈黙
「お見舞いに来たのはいいけどさ……これ……」
「入院患者の姿か、これが?」
林間学校襲撃から二日、合宿所に待機していたA組の軽傷者、無傷の者達は、重傷により入院している耳郎、葉隠、八百万、そして緑谷のお見舞いに来ていた。
耳郎と葉隠はヴィランのガスにより意識不明、八百万は襲撃の翌日に目を覚ました。
緑谷は気絶から搬送数時間後、リカバリーガールの治癒によって目を覚まし、警察から取り調べを受けていたのだが……その際、警察より爆豪勝己がヴィラン達に攫われたと知ってしまい、病院を脱走した所を警察に確保され、退院まで絶対安静をリカバリーガールから命ぜられた。
その結果ーー緑谷出久は凶悪囚人犯が着せられるような、袖が外に出せない服に革のベルトでベッドに繋がれるという状態になっていた。
「知ってる、レク◯ー博士や、羊たちの沈黙って映画の」
「また古い映画ねお茶子ちゃん……」
ベッドに繋がれ身体を蠢かす様に、芦戸と瀬呂が困惑してそう呟く、その既視感に麗日が映画の殺人鬼の名前を出すや、蛙吹はよく知ってるわねと言うや、緑谷は言った。
「やぁクラリ◯……じゃなくて麗日さん、そしてクラスのみんな、お見舞いだよね、よかったらこれ外してくれない?」
「ダメに決まってるだろう、全くキミは……」
そんな事したらキミは絶対逃げて爆豪を助けに行くだろう……だからそうなっているのだと飯田は呆れて却下した。
「メロンみんなで買ってきたからさ、ちょっと落ち着いて食べよ、緑谷?」
まぁちょっと落ち着こうよと、峰田がメロンを見せてきたので、緑谷は身動きをやめて言った。
「食べる……」
本日退院なので、拘束具は外し回収して貰いました。
切り分けたメロンを皆で食べる中、一体どうして爆豪が攫われたのか、当事者に緑谷は聞いた。
その直前までは省くが、肝試しにて爆豪と組んでいた轟に合流したのは、障子と常闇、そして相澤先生だった。
マジシャンみたいなヴィランが常闇と爆豪を、球体に閉じ込め攫おうとした、奮戦虚しく常闇は救出できたものの、USJの時のようにワープゲートが現れヴィランは撤退した。
大まかな流れがそれだった……自分があの場に居れば……なんて傲慢な事は言えない。けど、かっちゃんが攫われたという事実だけで緑谷にとっては大きなショックであった。
「1人は救えたんだ、なんとか……けど友達は……いや、かっちゃんにとって僕はクソ野郎なんだけど、友達を助けられなかったの…‥悔しいよ」
「キミはそもそも大怪我をしていただろう、聞いたぞ、もしも洸汰くんが止めてなかったら……右腕切断もあり得たって」
どうやら、先程の医務室での医者との会話を聞かれていたらしい。右前腕尺骨の解放骨折……処置が早くて奇跡的に後遺症も皆無と診断されたが、この解放骨折が厄介で、病原菌やバクテリアの感染なんてしたら切断もあり得たらしい。
しかも……疲労困憊による免疫力の低下ともなれば、時間の問題だったらしく、カルテで頭を小突かれた。もう、尺骨を武器にする事はやめようと緑谷は心に誓うのだった。
「まぁ切断したら切断したでロボアームでも付けーー」
まぁそれでもそうなったらガジェットアーム付けれるなと、そんな事を宣った瞬間だった……全員からそれはもう鋭く睨まれた緑谷は、ヒュッと息を飲み込んだ。
「あのね緑谷ちゃん……私たちとても心配してるの、葉隠ちゃんも耳郎ちゃんも、爆豪ちゃんも……何よりあなたもよ」
「緑谷……今のマジ取り下げてくれ……お前、ほんといつか何かの拍子に死にそうだから……マジな、これ……」
「ひゃい……」
怖い、マスキュラーより怖いよ……代表して蛙吹と上鳴に言われ、縮こまった。上鳴に至ってはあだ名呼びじゃ無くなってガチの忠告である、緑谷出久はデリカシーに関して、まだお子様であった。
「あぁ、それでなんだけどよ……お前もその気があるなら……今夜行かないか、爆豪を助けに」
「切島くん!!」
もしそこまで熱をまだ持っているならばと、切島が唐突に提案してきた。あまりに唐突な提案に緑谷はポカンと呆け、飯田は流石に止めようと声を上げた。
「まるで……場所を知ってるみたいだね……切島くん」
「ああ、実はお前が昨日、オールマイトに締め落とされた時に、俺と轟は来てたんだよ」
「「「えっ!?」」」
オールマイトが来ていた?しかも緑谷が締め落とされた?どんな状況だったのだと、轟と切島以外が声を上げた。