【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
ーーお見舞い前日ーー
『よし!拘束解けた!!待っててかっちゃん!!全国のヴィランを片っ端から脊髄ぶっこ抜いて口を割らせてでも探してやるからな!!なんだったらタルタロスまで行ってやるからなーー!!』
『また203号室の患者が逃げたわ!!誰か捕まえて!!』
院内の非常ベルが鳴り響く最中、緑谷が入院翌日3回目の脱走を決行した病室の扉を出た瞬間ーー。
『こらこら駄目じゃないか緑谷少年!リカバリーガールと病院から絶対安静が出てるんじゃあないのか!?』
『えっーーな、何でオールマイトが!?』
『所用があって意識を取り戻した八百万少女に面談をしに来たのだ、が!その前に……私が、君を寝かしつけてベッドへ叩き込みに来た!!というわけでグッナイ緑谷少年!!アーカンソースリーパーホールド!!』
『ちょっ!?まっ!?きゅっーー!?』
運悪く来ていたオールマイトに背を向けた瞬間、新技のチョークスリーパーにてきゅっ!と締め落とされた緑谷は失神し、病室にオールマイトと担当看護師により拘束された。
『なぁ切島、確か緑谷って……右腕の骨が飛び出た大怪我したと聞いたが、元気だな……』
『あぁ、応急処置して意識取り戻したのが数時間後だって……どんな回復力してんだ……』
合宿所から見舞いに来ていた轟と切島は、その緑谷出久脱走阻止RTAオールマイト遭遇チャートを見た後、オールマイトが用があると言った八百万の病室に向かうのを聞いて、2人は気付かれないように後をついて行ったという。
同行していた警察の人間とオールマイトは八百万と面談して、2人が聞いたという話がこうだった。
『B組の泡瀬さんに協力して頂き、ヴィランの1人に発信機を取り付けました、これがその信号を受信するデバイスです、捜査にお使いください』
『この前……相澤くんはキミが咄嗟の判断力に欠けると評した。素晴らしい成長だ!ありがとう、八百万少女!』
『級友の危機に……こんな形でしか協力できず、悔しいです……』
『その気持ちこそ、君がヒーローたりうる証だよ、後は私たちにまかせなさいっ!』
彼女とオールマイトの会話を聞いた轟と切島は、2人して同じ事を考え互いに顔を見合わせ頷いた。
緑谷がマスキュラーと対峙していた最中、彼女は彼女なりにできる事をしていたようだ。つまり……この2人が今からやろうとしている事はと……その答えを代弁したのが飯田だった。
「つまり……その受信デバイスを八百万くんに作ってもらうと……!?」
「……だとしたら?」
切島が飯田から視線を外し、轟は飯田から目を離さずそう言った。申し訳無いが止まる気はないぞと示すように。
「オールマイトのおっしゃる通りだ!プロに任せるべき案件だ!俺たちが出ていい舞台ではないんだ!!馬鹿者!!」
飯田からすればそんなのは許されないと怒り、止めるのは目に見えていた。職場体験を私怨によりステイン探しに費やし、事務所に、ヒーローに迷惑をかけた事実を省みているから、切島と轟に行かせまいと叫んだ。
「んなもん分かってるよ!けどさぁ……何もできなかったんだ!緑谷はこんなになってまで助けたのに、俺はあの場でただ待つしかできなかったんだ!!そうしたらどうだ、ダチは攫われて今何されてるか分からねぇ……ここで引いたら俺は、ヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ!!」
切島は感情論でぶつかる、目の前でボロボロになった緑谷を引き合いに出して、あの場で何もできず待つしかなかったから、行けば何か変わっていたかもしれないと、だから今度こそ行動しなければならないと飯田に対抗し、緑谷に振り返る。
「なぁ緑谷!まだ手は届くんだよ!助けに行けーー」
「断る」
「は?」
その流れを断ち切るかのように、緑谷は切島を見上げてばっさりと言い切った。
「キミを見て、飯田くんの話を聞いて……気持ちが落ち着いた……冷静じゃなかった、僕は……こればかりはプロに任せるべきだ」