【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
緑谷出久こと『スコーピオン』は、切島と飯田の指摘にしばらく黙り…‥咳払いしてもう一度名乗り直した。
「俺はお前達の学友、緑谷と同門、シライ流忍術の兄弟子スコーピオーー」
「いや、緑谷だろ?なぁ、もしかして来てくれたのか?心配して……」
「そんな、キミをこんな事になるまで僕達は追い詰めーー」
「ちょっと2人、こっち来てくれる?」
スコーピオンは、切島と飯田においでおいでと手招きして、路地裏奥の行き止まりまで共に歩き……八百万と轟に背を向けてから2人の後頭部を鷲掴みにして小さくもドスの効いた声で囁いた。
「い ま の お れ は ス コー ピ オ ン だ い い な?」
「は、はい」
「はい……」
「よろしい」
そうしてから2人を改めて轟と八百万の方に戻して、緑谷出久が演じる架空のヴィジランテ、スコーピオンは語り出した。
「俺は弟弟子から、貴様らが死地に赴き、友を助ける為に無茶をするから、その助けをしてやって欲しいと言われ此度の頼みを受けた……」
「緑谷さんが……」
「緑谷が……」
轟と八百万は信じている様で、緑谷ことスコーピオンは安心した。
「言伝を、預かっている……共に行けずすまないと、代わりにかっちゃ……爆豪を助けてやって欲しいと、ただ……もしもお前たちの命が危うい時は、必ず救ってやってほしいと……不甲斐ない弟弟子に変わり、謝罪させてくれ」
スコーピオンという仮面を介して、緑谷は頭を下げた。本当は一緒に行きたかった、できれば引き留めたかったと。不甲斐ない自分を許してほしい、代わりに……必ず君たちの命は僕が守ると決意を込めて。
「そんな、スコーピオンさん……こちらこそ緑谷さんにはいつもお世話に」
「あいつの事悪く言わないでやってください、腕切り落とすかもしれない傷を負ってまで、子供を助けた奴なんです」
マジで騙されてる?乗ってる?切島と飯田は、八百万と轟の反応を見て、顔を見合わせた。
「話はここまでにしておこう……弟弟子から聞いているが、デバイスを見せてくれるか?」
「は、はい、こちらに……」
八百万は言われるがままデバイスを見せ、スコーピオンはそれで把握したと頷いた。
「わかった、俺は先にポイントに行って索敵をしてくる。キミ達はゆっくり来てくれ、もしも危機ありと見れば……そちらに連絡する、では!」
壁に向かって走り、鎖苦無をコンクリの壁に突き刺し、引き上げてその反動でスコーピオンはビルの上に消えていった。
「いや見たろ!?緑谷だってあれ!!鎖使う奴なんてあいつくらいだろ!!」
「途中かっちゃんと呼びかけたぞ!?それに、僕たちを壁に呼んだ時に声も緑谷くんの声だったのを聞いたろう!?」
流石にもう気付いたよね!?飯田と切島は轟と八百万に我慢できず言い放った。
「いや、切島……緑谷の鎖に苦無は付いてないだろう?あいつは分銅だ、流派は同じでも武器は違うと思うが……」
「そうだったんですの?聞き分けられませんでしたわ、かっちゃん呼びも緑谷さんが呼ぶから移ったのではないでしょうか?」
この2人、マジか……それはヒーローとしてマズくないかと愕然としたところで、切島と飯田の携帯が鳴った。
2人して、知らない番号からのショートメールで、同じ番号だったから開くと。
『い ま の お れ は ス コ ー ピ オ ン だ せ き ず い ぶ っ こ ぬ く ぞ』
同じ文面を見て、真上を見ればこちらを見下ろす人影があったので、2人は冷や汗を流して携帯を閉じたのだった。
*スコーピオン(緑谷出久)
緑谷出久が、モータルコンバットシリーズの人気キャラクター『スコーピオン』に扮した姿。つまりはただのコスプレ……なのだが、普段使いの鎖に苦無が着いたり、背中に携える忍者刀がモノホン(鉄板から切り出して研いだ粗悪品)だったりと、普段のヒーロースーツより殺意が高い。また、口元の面頬は火を吹ける機構をしており、目くらまし程度だが火炎放射も可能。
実際、雄英で作るヒーロースーツは、こちらと現在ので迷ったが、権利的にアウトをくらったようである。
皆の前で止める為行動した手前、緑谷出久として行動できないならばと、架空のヴィジランテとして仮面をつけて爆豪奪還作戦に加わることにした……のだが、演技が堂に入ってるけど大丈夫だろうか?
無論、緑谷が参考にしたのは映画『モータルコンバット』でスコーピオン役を演じた真田広之。