【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「爆豪が狙われた理由……」
「ああ、彼は……雄英体育祭の優勝者だったな、そして何より向上心の塊、自尊心の権化だと……閉会式ですら態度が話題となった、新聞にも記事になっている」
スコーピオンは、爆豪が無事である理由を切島達に仮説としてだが説明を始めた。
「彼らヴィラン連合は……大前提として攫うなら誰でも良かったのでは?と私は考えている」
「誰でも?」
「誰か1人攫った、これだけで雄英の信頼、ヒーローへの信頼を地に落とせるからだ……いや、そもそも襲撃が成功したという事実でもう、この二つは達成されている」
「あの謝罪会見……ですわね」
スコーピオンは語る、今の現状からヴィラン連合の目的は『雄英高校とヒーロー社会の信頼を破壊すること』だと。
そして……襲撃が成功した時点で、もう成功してしまっているのだと、その結果が謝罪会見であり、社会の不安の増長、ヴィラン連合という存在の喧伝であるとスコーピオンは語った。
「ヴィラン連合からしたらそこからはボーナスゲームだ、どれだけ被害を出せるか、生徒の殺害に誘拐、被害が大きいほど……民衆の目はヒーローへの疑念を浮かべ、連合の力を見せつける……こんな感じだな」
そして……とスコーピオンはさらに続ける。
「攫った生徒が、ヴィランの仲間になろうものなら……雄英は教育機関として終わるだろう」
その言葉を聞いた瞬間だった、切島が襟首を掴みスコーピオンを壁に叩きつけた。
「あいつは!爆豪はそんなやつじゃーー」
「切島くん押さえて!みど、スコーピオン、幾ら何でも爆豪くんが寝返るなどと!」
飯田が引き剥がし、それでも隠密を忘れくってかかる切島にスコーピオンは言った。
「ああ知っている、爆豪勝己は寝返りはせぬ、弟弟子から話を聞いてそれは確信している」
「へ……?」
「すまなかったな切島よ、話す順番を間違えてしまった」
切島はまさかのスコーピオンの台詞に呆けた返事が出た。明らかに今の流れだと『もう既に、爆豪は手に落ちて徒労となった』で締め括ると思ってしまったのだから。
さて、その答えはとスコーピオンが語った。
「爆轟勝己の自尊心や向上心の柱には、オールマイトという存在がある、あの男を超えた最強のヒーローになるのが野望の男、決して最強の存在になりたいのではない……彼奴等は攫う男を間違った……弟弟子が言うにはあの男、それこそ脳味噌を弄って洗脳しようとも、すぐ正気を取り戻してしまうだろうと言っていたからな」
「ぷっ!の、脳みそですか……」
「確かに爆豪なら、そこからでも正気を取り戻すだろうな……」
皆が確かにと納得せざるを得ない話に、八百万が笑いを我慢できず吹き出し、轟は納得しかないと頷いた。
「さて……頃合いか、貴様ら頭を守り体勢を低くして備えておけ」
これで全て語り終えたと、スコーピオンは防御姿勢を皆に取るように命じて自らも屈んだ。
「あの、どうしてですか?」
「我々の徒労の意味が、すぐ目の前で起こるからよ……ヴィジランテの俺や、キミ達学生なぞ取るに足らない……プロヒーローの強さが分かる」
そうしてスコーピオンが指差した先には……浮き上がる軽トラックと、歯を見せ笑う巨大な女性の姿があったのだった。