【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
緑谷出久ことスコーピオンは流石に、個性で引っ張れる建物が無い為に、爆豪と離され遅れる形になって神野のモニタ前を見下ろせるビルに辿り着いた。バレはしたが八百万に、スコーピオンとして使っているスマホからショートメールを送り、爆豪と合流できたか確認する。
しばらくして、合流しましたと返信が来て、ほっとしてその場に座った。これでもう何も無い、全て終わった。ああ疲れた……あとは着替えて合流しようか、もう先に避難しようかと考えながらモニターを見つめた。
中継ヘリが飛んでいたし、多分オールマイトの戦いを映すつもりだろう、グラントリノも居るから心配ない筈だと思っていた。
もう全て、ここからは、何もかも知っての通り、オールマイトがヴィランを倒して、めでたしめでたしでお終いの筈だと。
だから、モニター前の野次馬から聞こえた声に、緑谷ことスコーピオンは思考が止まった。
「な、なぁ、オールマイト……押されてないか?」
「いや、大丈夫だろ……当ててるのはオールマイトだし……」
「相手……たった1人だろ?」
スコーピオンは、いや……緑谷はそのモニターの映像を見て、心臓が締め付けられた。いやいや、待ってくれ……そんな筈、あのオールマイトが……負ける?
他に、他にヒーローは居ないのか?エンデヴァーは?エッジショットは?シンリンカムイは?もしかして、まだどこかで戦ってるのか?
スコーピオンは拳を握り締める。
誰も……いないのかよ!
『お前に何ができる?』
誰か……助けてくれよ!
『所詮お前は、学生でしかない』
オールマイトが負けちゃいそうなんだ!
『すぐに負けて死骸となる』
誰も居ないなら……。
『それでもと言うならば』
「『俺が行くしか、ないだろう!!』」
行け、早く!帰り道より早く!!傲慢だとか邪魔だとか言われて構わない!!馬鹿だ間抜けだ言われても、体が動くなら行け!!行け!!
行け!!緑谷出久!!
お前は!!
オールマイトの正統後継者だろう!!
ーーーー
「6年だ……キミに敗れてから6年、私も色々やったのさ、それでも……今のはめちゃくちゃ…‥危なかったが……衰えたようだねオールマイト?」
顔面に拳がめり込んでいる、地面にクレーターが出来上がる一撃!それでも、AFOは耐えていた!
「しかし……ごほっ……本当にキミは似ているよ……ワン・フォー・オール先代継承者、志村奈々に」
「!?」
息を切らし、身体中から煙が沸き立ち始めたオールマイト、その髪型も崩れ、筋骨隆々だった肉体のスケールが、少し縮まったようにも見えた。聞くな、流してしまえ!
「貴様の……!汚れた口で!お師匠の名を出すなぁ!!」
無理だ!分かっていても!苛立ちが、怒りが募り我を忘れかける!!
「理想ばかりが先行し、まるで実力の伴わない女だった……OFA産みの親として恥ずかしくなったよ、じぃつにみっともない死に様だったぁ……どこから話そうか!?」
その言葉で左腕を引き上げ叩き込もうとした瞬間!黒い電流が走ると共に衝撃波が発生し、オールマイトは上空高くまで吹き飛んだ!
「かはぁあ!?」
『う、うわぁ!?』
その軌道は報道ヘリに直撃のコース!しかし間一髪!グラントリノがオールマイトを横からタックル気味に軌道を変え確保して事無きを得た。
「6年前と同じだ俊典!落ち着けぇ!!そうやって挑発に乗って奴を取り損ねた!!腹に穴を開けられた!!」
着地すらも、衝撃と土煙をあげて、2人は不時着する。
「お前のダメなところだ!奴と言葉をかわすな!!前とは戦法も、使う個性もまるで違うぞ!!」
「はい……」
「正面からはまず有効打にならん!虚を突くしかねぇ!!限界を超えろ!!」
「はい……」
あと、私の体がこの状態で戦えるのはどれくらいだ!?部分部分で余力を残したが、3分はすでに経過している!!それでもやるしか無いと、受け継いだ灯火をオールマイトは滾らせる!
「!?かほっ、こほっ!!」
それを受け付けないと、やめろと、咳が血を吐き警鐘を鳴らしている!
「少し悩んでいるよ……弔がせっせと崩してきたヒーローへの信頼、決定打を僕が打ってしまって良いものか……」
ゆっくりと歩き、両手を広げ、決着は近いとAFOは語り出した。
「でもね、オールマイト!キミが僕を憎むように、僕もキミが憎いんだぜ!?僕はキミの師匠を殺したが、キミも!僕の築き上げて来た物を奪ったんだろう?だからキミには……可能な限り醜く!惨たらしい死を迎えて欲しいんだ!!」
赤黒い電流と共にAFOの右腕が膨張し始めた!また先程の風圧弾か!!
「デケェのが来るぞ!避けて反撃をーー」
グラントリノが飛翔する!しかしーー!
「避けていいのか?」
「くっーー!?」
オールマイトは今になって気づいた!!背後の瓦礫に!埋もれた民間人が居る事に!!避けたらーー背後の民間人が死ぬ!!
「おい!?」
避けれないオールマイトに、グラントリノは即座に空中で転じて向かう!しかし間に合わない!!
「君が守ってきた物を!奪ーー」
AFOの風圧弾が発射される間際……オールマイトは今のOFA使用可能な時間、余力で背後の民間人を庇おうと踏ん張った!!
だからこそーーその乱入は正しく、イレギュラー!!
「あグァああ!?」
「むっ!?」
「ぬぅう!!」
風圧弾を放つ右腕の肩を貫く、無慈悲な刃!!それにより発射を封じられたAFOが、何事かと振り返る間も与えずに!!
「Get Over Here!!(こっちへ来やがれ!!)」
「ぬぉああああ!?」
響き渡る声、その言葉とともに背後の瓦礫に向けてAFOが引っ張り上げられ叩きつけられた!!
叩きつけられたAFOの身体から引き抜かれた鎖苦無が、生き物のようにその忍者の元へ戻り、忍者はそのまま背中の刃を抜刀した。
「さ、さっきの、怨霊忍者スコーピオン!?」
「あの馬鹿弟子!戻ってきおったか!?」
不意をつかれたからか、揺らぎながらも立ち上がるAFOが、焼け爛れて無いだろう目を、あるように顔を向けて言う。
「誰だね全く……邪魔をしてくれるな!怨霊!!」
「吐かせ!金玉顔め……貴様のために散った者たちの為に、俺は地獄から蘇ったのだ!!」
緑谷出久、いや、怨霊忍者スコーピオンは今……この世で最も強大な悪と一人で対峙する事になったのだ!!