【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『な、何でしょうかあれは!?敵のヴィランをオールマイトから引き剥がした人が居ます……忍者でしょうか?彼は一体何者なのでしょう!?』
中継を見ていた相澤、ブラドキング、根津校長は、その遠巻きながらの映像を見て口をあんぐりさせた。
「み、緑谷くん!?何をやってるんだキミは!!」
「相澤!?あれは……緑谷で間違い無いよな!?何故彼が!?」
「あの馬鹿……何がどうしたらそうなるんだ!!」
あんな鎖を使って戦う奴は、緑谷しかいない!状況分かってんのかと相澤は歯を食いしばった。
「逃げなさい緑谷くん!キミじゃあ敵わない!!早く!!」
テレビの前であろうと、根津校長は心配最大で言い放った。オールマイトが戦って互角の相手!ただの生徒のキミが敵うはずも無いと叫んだ。
「若いな……声からして低い声をわざと出してるのかな?ヒーローごっこは他所でやりたまえよ」
立ち上がったAFOが歯を見せニタリと笑う様に、底知れぬ悪意を感じる緑谷ことスコーピオン。粗悪な、廃材の鉄板から切り出して研いだ刀を構えて言い返す。
「吐かせ、ユタ州とフ◯ディのあいの子、顔面モザイク男、気取ってないで掛かってこい」
スコーピオンは考える、時間を稼げと、オールマイトが、グラントリノが呼吸を整えるか、他のヒーローが到着するまで、お前でこの男を倒す実力は無いのだから、死ぬ気でなんでもやって時間を稼げと!
「ならそうさせて貰おうか?」
AFOが右手人差し指の指先をこちらに向けた瞬間!緑谷も左手をかざし、下に振り下げた!AFOが放とうとした風圧弾が、手を制されて真下に向けられ瓦礫を砕く!
「むぅう!?」
「えぇい!!」
隙ありとばかりに踏み込み切り掛かるスコーピオン!しかし袈裟に切り掛かったその刀身から火花が散り、金属音が鳴り響く。
「硬質化……粗悪な武器だね?」
「言ってろ!!」
構わずスコーピオンは幾度と切り掛かる、しかしAFOは自らの腕を固めて、弄ぶように斬撃の全てを軽々弾く。
「少しは変わり映えある攻撃をーー」
「だぁ!!」
「おおっと!?」
チャンバラも飽きるぞと挑発した瞬間だった、瓦礫をスライディングして向こう脛を、さらに背後に回り込み頚部を切り付けたスコーピオンにAFOは体勢を崩した。
「変わり映えが、なんだって?」
「せ、先生……彼、AFOを、遊んでいるとは言え崩しましたよ……」
オールマイトは、宿敵であるAFOと対峙したから分かる。まだ奴は遊んでいるだけに過ぎないと、そんな遊びですらプロヒーローでも突破して一撃入れれる者は少ないだろう相手に、あの怨霊忍者は足首と頸部に当ててみせた事に絶句した。
「お前本当にわからんのか……あの忍者は……緑谷出久だと気付かんのか?」
「え!?」
グラントリノから言われ、ようやく気付いたオールマイト、確かにセリフからあの鎖の武器から似ていたが、何故あんな装いをとオールマイトは驚愕した。
「理由は知らん、だがチャンスだ、息を整えて力を蓄えろ俊典」
馬鹿な、なぜ君がここに!どうして戦っているんだ!?逃げてくれ、頼むと唖然とする中で、状況は動いた。
「よくない、よくないなぁ?キミ……大人をからかっちゃいけないよ?」
背を向けたAFOが、右腕を異形に変えていくのを、緑谷は目を細めて眺めた。
「筋骨発条化、瞬発力×4 、膂力増強×3、増殖、肥大化、鋲、槍骨……まぁこれでいいだろう、お痛をした子どもの躾には、これで十分だ……これでキミを殴る」
異形の腕を前にして、緑谷は刀身がガタガタになった粗悪な刀を投げ捨てた。そして右手を見せつけ握りしめて言う。
「ならこっちは、お父さんから貰った肉体と、お母さんの愛情たっぷり煮干しの味噌汁でカチカチになった骨と、僕の今日まで鍛えた力と技術で、その金玉みたいな顔面ぶん殴ってやる!!」
「やめろ馬鹿弟子!?無茶だ無茶!!」
「自殺行為だ!!やめなさい!!少年!!」
いくらなんでも、それはやめろとグラントリノとオールマイトが慌てて声を上げた。しかしもう遅いとAFOが振りかぶる!
「現実を見れない哀れな少年よ!チリ一つ残さず消し飛ぶがいい!!」
思い切りに、振り下ろされた拳。広がる亀裂と衝撃波、舞い上がる砂埃にスコーピオンとAFOの姿は消えた。
これは助からない、緑谷少年は今、木っ端微塵の肉片となってしまったと、2人は見ることしか出来なかった。
だがーー砂塵が消え去る中、2人はさらに驚愕した。
AFOは完全に油断していた、ヒーローごっこの少年が気をよくして、現実も見ない比べ合いをしに来たのだと。衝撃反射も、硬化の類も必要なく、この一撃で肉片となるだろうと。
AFOよ、お前の誤算はただ一つ……。
緑谷出久は、悪を抱いて正義を成す男である事。故にーー正義のヒーローらしからぬ技も持っている事を!!
「僕の必殺技…‥禁じ手その②!!」
その技の名前は!!
「ナッツパンチ(金玉潰しアッパー)!!」
AFOの股間に、拳はめり込み、ズボンに血が滲み出す。そしてーー。
「AAAAHHHAAAAAAAAAAAAAAAAAーーーーー!!!」
オール・フォー・ワンの、悲痛な叫び声が、神野区に響き渡った。