【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
黄金の衝撃波から、金色の光が神野区に降り注ぐ。瓦礫や倒壊した建物の中……佇む黄金の鎧をカメラが捉えた。
『や、やりましたオールマイト!窮地をなんと、新たな姿となって勝利しました!!』
その中継に、全国のこの放送を見ていた者達が沸き立った。オールマイトの完全勝利だと、悪は去ったのだと歓喜に満ち溢れる。
宿敵は意識を失い、痙攣している。もう起き上がって戦う余力も無いだろう、それを見た黄金の鎧を纏ったオールマイトは、空を見つめーー。
「シューワッチ!!」
空に両手を伸ばして飛び立ち、黄金の輝きで空に『A』の文字を刻んで空の彼方に消えて行ったのだった。
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数分後、神野区の端の端にて。
「グラントリノさん!早くこちらに!!」
「勢いで去るなバカモン!見つかるとこだったわい!!」
「ごめんなさい!ちょっとやってみたかったんです!」
「いやしかしすごいな、この状態で生きてる私、生命の神秘を感じるよ」
変身を解除した緑谷出久は、グラントリノと合流していた。そしてオールマイト(脊髄パーツ)とオールマイト(首から下)をがっちゃんこしたのであった。
「おー……何というかあれだ、生まれ変わった気ぶこはぁ!」
「ああ!無理しないで……大丈夫でしたか?色々と」
「俊典……もう、戦える体ではなかったのか、お前は」
ちょっと癖になるかもと言いかけたが、吐血した細身のオールマイトを緑谷とグラントリノが支えた。既に肉体の限界が来ていたらしい、口元を拭うオールマイトは、その足でしっかり立って緑谷を見た。
「緑谷少年、助けられてしまったな、キミに……いや……今は怨霊忍者スコーピオンと呼んでおこうか……」
「もう……二度と戦う事はできないんですか?」
もはやその身に、戦う力は残っていないのか、平和の象徴よ?それに対してオールマイトは笑って答える。
「あの姿で戦ったらもう、10秒と持たないだろう……今がそうだ、私の事実上引退が来てしまったのだ……」
「そうですか……お疲れ様でした……」
憧れが終わる、もう二度と戦えない、もしかして自分が彼を終わらせてしまったのかと考えて、気が沈みそうになった緑谷の肩をオールマイトががっしり右手で掴んだ。
「私は……今日引退する、今からあの瓦礫の撤去と救助に参加した後、公式にね……筋書きはこうだ、私の全てをかけた変身により、もう二度と戦えない体になってしまった……とね」
「落とし所としては、最高ですね」
「ああ……そして、この意思はキミに託す……次はキミだ、緑谷出久」
その言葉に、緑谷は驚くも……真剣な表情でその言葉にこう返した。
「受け取りました……けど、オールマイト、僕だけじゃ無いですよ……」
「む……」
「貴方の意思を受け継ぐのは、僕だけじゃあ無い……今のプロヒーロー達、そしてかっちゃんやクラスの皆、雄英生徒……いや、僕たちの後に続く、貴方に憧れた人皆が、意思を継いでいくんです」
それは、緑谷出久からの労いであり宣誓であった。意志は受け取った、あとはまかせろと。
「僕たちみんなで……オールマイトのようになって、平和を守りますから」
その言葉を聞いて、オールマイトは笑った。そして煙と共にマッスルフォームへ変わり、緑谷に手を差し出す。
「そうか、ありがとう我が親友イーヴルヒーローイズク、そして怨霊忍者スコーピオンよ、君と最後を共に戦えた事は一生忘れないさ」
「ああ、あとは任せろ、オールマイト……我が莫逆の友よ」
がっしりと、握手を交わしたそれは、継承式だ。意思を、魂を受け継いで、次はキミだと任された、それに応えると力を込めて意思を見せて、2人は手を離した。
「ま、それはそれとして……明日は覚悟しときなさいよ、緑谷くん!教師から全員2時間説教だからな!」
「あいたー!?」
そして説教のゲンコツをくらって、緑谷は、頭を押さえて縮こまった。
「ではな、緑谷少年、ちゃんと着替えて避難誘導に従うんだぞ!」
「二度とこんな真似するな……と言ってもするだろうな、全く悪い所ばかり俊典に似よって……気をつけて帰れよ馬鹿弟子」
オールマイトとグラントリノが飛び立つのを見送り、緑谷は忍び装束に手をかけ引けば、いつものシャツとハーフパンツ姿に着替え終えた。
「さて……避難しよーっと」
そのまま緑谷は、そそくさと避難誘導の列に紛れるように立ち去ったのだった。