【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
130話 寮生活の始まり
神野の悪夢からしばらく……雄英高校は生徒の安全の為に、全寮制への切り替えが決まった。
親元を離れ、クラスメイトと同じ屋根の下の共同生活……緑谷出久も例外ではなく、雄英敷地内、校舎から徒歩5分、築三日で建てられた寮『ハイツアライアンス』にA組全員が集まったのだった。
夏合宿で行う予定であった、仮免取得へ向けての訓練がこれから行われる中の生活の変化、色々とあったがそれでもイベントとしては楽しく思えてしまうものだ。
がーーその前に、と相澤先生は厳しい眼差しで生徒達を見つめた。
「色々棚上げした上で言わせてもらうよ……オールマイトの引退が無けりゃ俺は爆豪、耳郎、葉隠以外は全員除籍処分にしている」
救出作戦への釘刺し、叱責だった。それだけの事をお前たちはしたのだとこの場でお叱りが始まる。
「行った4人は勿論、把握しながら止められなかった13人も、理由はどうあれ俺たちの信頼を裏切った事に変わりは無いそして……緑谷、お前はさらに焚き付けたな?」
「!?」
「焚き付けた……?」
言うか、この場で、まぁ覚悟はしていたがと緑谷へ相澤が目を向ける。クラスメイトも彼が何をしたのかと注目する。
「ヴィジランテ……非正規の自警活動をよしとする者を扱い、4人を守るように頼んだ、怨霊忍者スコーピオンだったな……お前が連絡すべきは学校側なのにだ……」
「軽率でした……」
怨霊忍者スコーピオン、今や都市伝説となったオールマイトの時間を稼いだヴィジランテ……それとの繋がりを使った事への叱責……という形での注意だった。その正体が緑谷出久本人だと知っているのは轟、切島、飯田、八百万……そして先生方々だけだ。
「正規の手続きを踏み、正規の手段を持って、正規の活躍をして信頼を取り戻していただきたい……以上だ、さ、中に入るぞ、元気に行こう」
そんなお叱りムードで入寮に移るのは、ちょっと無理がありますよと皆が沈む。その空気を爆破したのが爆豪だった。
上鳴を放電させてアホにして耳郎を笑わせて、切島に暗視鏡代を渡し、さっさと寮に向かう。少しだけ和やかになった一同が寮に入ろうとする中……。
「緑谷ちゃん……聞きたいことがあるのだけど」
「えっ……どうしたの蛙吹さん?」
蛙吹梅雨から話しかけられ、緑谷は止まった。
「梅雨ちゃんと呼んで……怪我は大丈夫?」
「うん、もう痛みは無いけど」
退院できたしリハビリも順調だと、緑谷は蛙吹に答えを返したのだが……。
「違うわ……心は、痛くない?」
「心……が?」
「入院した時、2人を止めれなかった時よ、ついぞ手まで貸したなんて……大丈夫?」
蛙吹には、正体がバレなかったのか、はたまたよく見えてなかったのか、怨霊忍者スコーピオンの正体がバレてない前提で、緑谷は言った。
「大丈夫だよ蛙吹さん、僕は平気だから」
僕は平気だ、その答えを聞いて……蛙吹は……。
「そう……分かったわ」
ひどく落ち込んで先に寮へと向かった、どうしたのだろうかと考えながら、緑谷も寮内を見るために後に続いたのだった。