【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「うーん…………」
緑谷出久は悩んでいた、まさかこの授業で課題にぶち当たるとは思わなかったからだ。
ヒーロー活動の為の仮免許試験へ向けて、さらに授業が進む中行われた課題。それを、教師達の前でオールマイトと組手をした『体育館γ』こと『トレーニングの台所ランド』通称TDLにて行う事となり、クラスメイトは既に取り掛かっている。
「新しい必殺技か……」
今回与えられた課題に、緑谷はまさか、ここまで悩む事になろうとはと、胡座をかいて考えるのだった。
『必殺!これ即ち必勝の型、技の事なり!』
『その身に染み付かせた技、型は他の追随を許さない、戦闘とは如何に自分の得意を押し付けるかだ!』
『技は己を象徴する、今日日必殺技を持たないヒーローなど、絶滅危惧種よ?』
此度の授業の為、A組に来たエクトプラズム、セメントス、ミッドナイトより、その概要は説明された。
後期の始業まで残り10日間となった夏休み、ヒーロー科は必殺技の開発、個性のさらなる強化、そしてそれらに合わせたヒーローコスチュームの改良を行う事になった。
それが、緑谷出久のぶち当たった壁であった。授業開始前の、切島の一言が発端とも言うべきか……。
『え、じゃあ緑谷はいいんじゃねぇの?必殺技めちゃくちゃあるし』
緑谷出久は、それこそこの日まで様々な必殺技を皆に披露している。特に挙げられる技と言えば、やはりこの技。
『バイオレントラッシュ』
最初の戦闘訓練、USJのヴィラン対峙と、緑谷出久の代名詞たる技。敵のあらゆる急所へ、様々な打撃を叩き込む正しく必殺に相応しいのだが……。
『今後全てのヴィランを肉塊に変える気か?下手したら過剰暴力で訴えられるぞ、あの技は』
この技……場合によっては倫理的にアウトで逆に訴えられるぞと相澤先生から指摘を受けた。余程の窮地や凶暴なヴィラン相手でない限り、あんな技使えないだろうと。
他にはーー。
一瞬で敵に近づいて脊髄をぶっこ抜く『エクスキューション・アタック』
敵の前面でいきなり股割り開脚で視界から消え去り、金玉にアッパーカットを放つ『ナッツパンチ』
自らの尺骨を刃として、敵の身体中の腱を断ち、最後に敵を十字に切り裂く自殺技『大切断』
どれもこれも……ヒーローの技じゃ無いしあまりに暴力的過ぎるのだ!!つまり……今の緑谷に必要なのは『ヒーローとしての必殺技』なのである。
「悩んでいるみたいだね、緑谷少年」
「あ……オールマイト」
その悩む様を見兼ねた、最早見る影も無い鶏ガラの金髪の男、オールマイトが声をかけて来て、緑谷は返事した。
「まさかここで躓くとは思いませんでしたよ、新しい必殺技を編み出すのが」
まさかここに来て難題にぶち当たるとは思わなかったと、腕を組み悩む緑谷へオールマイトは笑った。初めて見たかもしれない、学生らしく彼が課題に悩む様をとオールマイトは尋ねてみた。
「キミは雄英に通う前から、色々技を編み出したり真似をしてたみたいだね……僕の必殺技、だったか……ちなみに、他にどんな技があったりするんだい?」
今まで見せて来た必殺技シリーズ、まだまだあったりするのかとオールマイトの質問に緑谷は答えた
「あー……例えば、瞬時に相手の目玉、咽頭、金的を潰す"四玉突き"とか……背後に回り込んで相手の脊柱を一つだけ殴ってずらし、二度と歩けなくする"脊柱落とし"とか……逆さまに抱えた相手を回転しながら脳天より叩き落として首と頭蓋を砕き折る"スクリューパイルドライバー"とかありますけど……」
「なんて技考えてるんだキミは!?相手を殺す気かね!?」
「必殺技ですから……」
緑谷出久の新必殺技開発は、前途多難が見てとれた。