【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「中々……浮かばないですね、必殺技」
「では今回も、個性を伸ばす訓練を行うとするか、緑谷くん」
後期授業開始まで残り9日、今回も中々イメージが沸かないと緑谷は必殺技開発は難航していた。エクトプラズムからも、焦らずゆっくりイメージをしたらいいって言われるが、こうも行き詰まるのは初めての事であった。
「まずキミは、入学当初は脊髄を引き抜くしかできなかったが、この数ヶ月で様々な物を引けるようになったらしいな?」
「はい、ただの物から始まって……遠くの人間も脊髄をイメージしたら引っ張ってこれたし、体の一部を引っ張って体勢崩しもできる様には……あと、高揚すると個性の攻撃を引っ張った事が体育祭でありました」
エクトプラズムから、今はその個性でどれだけの事ができるのか尋ねられ、細かに緑谷は彼へ伝えた。成る程、とエクトプラズムは頷くと、彼に伝える。
「キミがこれから必要になるのは、他の生徒と真逆な事になるな……」
「真逆……」
エクトプラズムの言葉を反芻する緑谷、彼はそのままどんな意味かを説明し始めた。
「キミは恐らく、個性の始まりが呪いの言葉となり、それしかできないと思っていた、そのまま使い慣れを起こしたキミは、本来出来る事が出来ないと頭の中で思い続け……雄英に入ってようやくそれが解けつつある状態となっている」
成る程、緑谷は納得した。始まりは医者の言葉『キミの個性は脊髄ぶっこ抜き』だろう、それが呪いとなり、それしかできないと思い続け、成長していくにつれそれに特化した考え、脳みそになっているわけかと。
「皆が深化、発展を目指すなら……キミが向かうべきは理解、解読となる、本来出来るはずだった事を思考を解いて更に広く、キミの常識からより逸脱した個性の使い方ができるのだと広く見ていくのが目的となろう」
というわけで、とエクトプラズムが壁の一部を義足でゴツリ蹴るや、手のひらに収まる野球ボール程度のセメントの塊を、割って作った。
「これを使ってキミは色々と試すといい、引っ張って手元に持ってくるだけじゃあない、そもそも押せないか?引っ張るイメージは何でするか、手元だけじゃ無い別の場所へ引っ張れるか……地味だがまずそこからやってみるといい」
「わかりました」
皆が派手に戦ったり個性を使う中での地味な訓練、合宿ではひたすら脊髄以外への個性を使う際の回数、時間を増やす体力的な物からの様変わり……。
果たして自分は、新たな必殺技を掴めるのだろうかと思いながら、早速セメントの玉を緑谷は手元に引き寄せた。