【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
思い出せば身が竦む……中学一年の時の話……折寺中学は地元でもあまり評判が良くない学校だった。ヒーローに捕まり少年院行きした奴も居たし、それまで誰も雄英に受かった奴が居ない……吹き溜まりと言えばそれだけだった。けど、他に行ける私立やらは地域になかったから、地元の奴らは自ずとここに行くしか無かった。
俺とデクが入学する前から、個性使ってたいじめ、喧嘩の絶えないそんな学校だった。かくいう俺も、向かって来た奴をシメた事もあったが、自分から喧嘩をしたりはしなかった。
俺がなりたいのは最強のヒーロー……オールマイトの様に、挑まれる存在だからだと、こいつらとは違うと言い聞かせた。
だが……そんな掃き溜めを出久は……たった数日で掃除しちまった。
うるさかった先輩達の教室は静まり返り……汚かった廊下や校庭は綺麗になって、そこをあいつは悠々と歩いた。
誰もが、教師までもが恐れをなして借りた猫のように怯える。あいつは……緑谷出久はあの学校で最強の悪となって『秩序』をもたらした……。
「始まった……さて何処から入ろうか、麗日さん」
訓練開始のブザーが鳴り響き、まずは侵入だと出久は麗日に侵入経路を如何にすると尋ねる。
「2階の窓からはどうかな、私の個性で緑谷くんも浮かせて運ぶから」
「分かった、よし行こう」
2階の窓から、その提案を聞いて緑谷は歩きだす。
「あ!待って今から個性をーー」
「大丈夫、あれくらいなら自分で登れる」
「ええーー」
自分の個性で、浮かせて窓から侵入しようとした麗日だったが、目の前で起こった事態に目を丸くした。なんと、緑谷は一階の窓枠を掴みそのままよじ登り、ほんの少しの窪みに指をかけて自らを引き上げてあっという間に2階窓に到達し。
「よいしょ、麗日さん、早くー」
そのまま窓を開けて中に入ったのだ。
「うそぉ……あ、待って!今行くから!」
慌てて自らに触れて、無重力を作り上げ浮かび上がる麗日……それをモニタールームで観戦していた生徒達の反応は様々だ。
「あれ、パルクールってやつか?かっけーな!」
「彼は頑なに個性を使いませんわね、いや……もしやもう使っているのでしょうか?」
「ふふ、分かったよ……つまり彼は蜘蛛人間の個性さ、だからあんなスイスイ壁を登れたのだよ」
「だったら体が蜘蛛みてーになってないか?それこそ障子みたいに」
各々が映像を確認して、出久の隠している個性を考察する中……採点する為に画面を注視するオールマイトはヒヤヒヤしていた。
『頼むから、公開スプラッタはやめてくれよ緑谷少年!いや、使わないとどうにもならない時は仕方ないけど!』
侵入した2人は、頭に叩き込んだ見取り図を思い出しながら進んでいき……。
「デクゥウウウウーー!」
「きゃあ!」
接敵!遂に爆豪が緑谷と麗日を曲がり角に捉えて奇襲をかける!突然の襲撃に驚く麗日、しかし!
「変わり映えしないねぇ、かっちゃん?」
放たれた右の拳、それを出久はまるで予測したように掴み、その勢いのまま爆豪を背負い自分ごと飛び上がった!
Dooom!!まるでビル全体が揺れたような音と衝撃!!爆豪の背中が、コンクリの床に一本背負いで叩きつけられた!!
「ごぁああ!!あがーー!?」
その衝撃は、爆豪を海老反りにして横隔膜がせりあがり、呼吸困難に陥るほどの威力!
「麗日さんは先に!!ここは僕が引き受ける!!」
「う、うん!」
ここは引き受ける、そう言って麗日を行かせた緑谷は、棒立ちになってそのまま呻く爆豪に笑顔で問いかけた。
「まだやる?かっちゃん?」
「て、んめぇ……ごほっ!かはっ!」
呼吸ができるようになって、ゆっくり立ち上がる爆豪。もうルールとして相手を確保した事を記す確保テープを巻く余裕があったのにしない、その煽りに爆豪の苛立ちは最高潮に達した。
「このクソヴィランがぁ!舐めた真似しやがって!」
「一応、ヒーローなんだけどなぁ?僕たち側は」
この組み合わせの時点で、爆豪が突貫して自分や麗日さんを仕留めに来るのを出久は分かっていた。何しろ中学時代から、幾度も諦め悪く突っかかってくるから、この訓練を口実に自分を叩きのめす算段なのはもう分かっていた。
怒る爆豪に、左足を軽く前に出して左手はだらりと脱力、右手は顎の近くに置くように構えて出久は言った。
「久々に遊ぼっか、かっちゃん」