【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
こうして、A組の新技開発とそれに並行したコスチューム改良は無事に終わり、いよいよ仮免試験当日を迎えた。
場所は、国立多古場競技場ーー。そこに雄英高校1年A組はバスにて到着し、様々な高校のヒーロー科生徒達が集まっている事に圧巻させられた。
「うぅ〜緊張してきたぁ」
「試験ってなにやるんだろう、仮免取れっかなぁ……」
緊張が解けない耳郎と峰田、その峰田の目の前で相澤先生が、前傾して目線を合わせ言った。
「峰田、取れるか?じゃない、取ってこい」
「うぉお!?も、モロちんだぜ!!」
命令じみた激励だが、それで緊張が砕け自身の言葉を返す峰田。それを見た緑谷は久々に背後から、峰田の頭を撫でに手を伸ばした刹那ーー。
「うお!?」
すううーーと、残像を残す回避で手から逃れ、背後の緑谷を見上げた。
「大丈夫でしょ、峰田くんなら?僕の手を背後から避けれるし」
「やめてくれよ緑谷ぁ、生きた心地しないよ」
「いい加減撫でさせて欲しいんだけど……」
「一回鷲掴みしたからいいじゃんかぁ……」
殺気や死への察知能力を、無理矢理に鍛えられて得た峰田の回避術だった。ちなみに技名は無いが緑谷は勝手に『色即是空』という技名を、この峰田の回避術に付けている。
相澤先生が身体を前傾から戻して直立するや、改めて生徒達へ言った。
「この試験に合格し、仮免許を取得できればお前ら卵は晴れてヒヨッコ、セミプロへと孵化できる……頑張って来い」
教師からの激励に身が引き締まる、いよいよ……ここまで来たのかと緑谷の手に力が入った。
思えば……中学時代の腐った時から随分変われたのかもしれないと思えて来た。オールマイトに出会わなければ、あの留置所の言葉がなければ自分はここに居なかったのかもしれないと目頭が熱くなった。
泣きそうになったが堪えて左右に顔を振ってから、目力を入れる。
「っしゃあ!なってやろうぜひよっこによ!」
「いつもの一発キメていこうぜ!プルスーー」
上鳴も気合いが入り、切島が円陣をキメて気合いを入れようと拳を握るので、緑谷もそれに続こうと右手をあげて続いた。
「「ウルトラーー!!」」
と、ここで、知らぬ声が重なった為緑谷はそちらを向いた。
「あの……どちら様?」
手を上げて叫んでる学帽の高身長な生徒に、緑谷は尋ねる。
「勝手によそ様の円陣に加わるのは良くないよ、イナサ?」
「ああしまった!?どうも大変、失礼いたしましたーー!!」
そのままその生徒は、ビシリと気をつけして暑苦しく、そのままコンクリの地面に頭突きするお辞儀で謝罪するのだった。
「な、なんだこの、テンションだけで乗り切る感じの人は!?」
「待って、あの制服!?」
上鳴もその様に唖然とするが、ふと耳郎が制服を見て気付いた、それは爆豪もであった。
「東の雄英、西の士傑……」
緑谷は爆豪の言葉を聞いて思い出した、日本に数あるヒーロー科を擁する高校、その中でも雄英に匹敵する難関校……それが『士傑高校』だと。
「一度言ってみたかったっす!プルスウルトラ!自分、雄英高校大好きっす!雄英の皆さんと競えるなんて、光栄の極みっす!!よろしくお願いしまーーす!」
暑苦しい叫びの声で礼を述べる男だったが、先程頭をコンクリに打ち付け血を流しているのを見て、緑谷はポケットからハンカチを取り出して渡した。
「血、拭いなよ?万全で挑まなきゃ試験は」
「おお!すまないっす!雄英の生徒さん!!洗って必ず返すっす!!」
「いやいいよ、その代わり……一つ尋ねたいんだけどさ、貴方は一年生かな?」
「そうっす!夜嵐イナサっす!」
馬鹿正直だな、この人。気持ち良すぎるくらいにと、この目の前の巨躯な坊主頭の士傑高校生徒の名前を知り、彼が一年と聞いて……気になっていた事を尋ねる事にした。
「そっちにさ……黄野越人(きのえつと)って人、入学してない?」