【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「なんてこった、最悪だ……」
「せっかく良いところだったのに……」
緑谷は今の状況に、士傑の女子生徒は邪魔をされたと、2人して理由は違えど顔を顰めた。
崖上に現れたのは恐らくは傑物の生徒達!孤立した中での遭遇という最悪な状況の中ーー。
『下からまた蜘蛛の巣がくる!?』
緑谷はふと、予兆が頭によぎってそのまま再び地面から跳ね上がれば、まるで予知を当てたかの様に、地面から蜘蛛の巣が、本当に来て避けれてしまった。
身体中に、紫色の雷が迸る、そしてーー。
「おっとぉお!?」
明らかに、自分の……いや、人間の脚力では跳べない高さまで飛翔していた。それこそグラップルガンや、個性で自ら引っ張り上げる反動でも無ければ無理な高さを、生身で!
『やっぱり……あの時から、オールマイトのベルトで変身した時から!身体能力が上がっている!?』
AFOとの戦いから、この紫色の雷が時々自分の身体能力を向上させていた。それだけでは無い、今の傑物の生徒の攻撃もまるで『来るのがわかった様に』回避できたのである。
『何故かは知らないけど……今はありがたい事この上無い!!』
明らかに、自身の『個性』からかけ離れた力!しかしてよく馴染む不可思議な力!だがそれでもこの窮地で使えるなら、使ってやると、波状攻撃で来る様々な個性とボールの攻撃を、最小限の動きで回避してみせる緑谷。
「あいつ、未来でも見えてるのか!?」
「ならあっちだ!士傑の女を狙え!!」
当たらないならもう片方だ、ターゲットを士傑の女性へと切り替えた。
「うそ、こっち!?」
唐突なターゲット変更に驚いた士傑の女生徒は、相手の1人が放った水流を跳んで回避してーー。
「あーー」
そのまま真っ逆さまに落下した、緑谷は、この刹那…‥身体が即座に反応した。
「Come Here!!」
「きゃっ!!」
手をかざし、彼女を引き寄せながら走り、そのまま片腕で抱え上げ、そのまま瓦礫の一つに手をかざし……。
「げっと……おぉばぁあ!!ひぁああああ!!」
巨大な瓦礫を思い切り引きつけ、それをそのまま傑物学園の集団に投げつけた!
「うわぁああ!?岩石がァああ!!」
「回避ぃいいい!!」
脳が焼き切れそうな重さだったがなげつけれた!そのまま士傑の女生徒を、流れでお姫様抱っこしてそのまま緑谷は逃走した。
「あの……私他校ですよ?さっきあんな事したのに助けるんですか?試験ですのに……」
「ああそうですねぇ!ほんと、身体が勝手に動いたんです!」
試験でしかもターゲットを1回当てた、更にはあんな、痴女めいた行いをしたのになぜ助けたのか士傑の女生徒は尋ねる、緑谷は本当にその通りだと苛立つがーーその答えは即座に出た。
「あのまま落下して!僕が助けずに首を折ったとか、見逃して大怪我して仮免合格しても!ヒーローなんてできないですよ!あーもう!」
蹴落としあいだ、試験だ、それはもう理解している。じゃあそれで目の前の人が大怪我しそうになったら放っておけるかと、そのままお姫様抱っこで緑谷は駆け抜け、岸壁に隠れた。
「まいたかな……ああもう……散々だ……」
そのまま彼女をお姫様抱っこから下ろして、即座に離れて緑谷は距離を離した。
「ここまでだから!助けるのは!互いに敵同士!オーケー!?」
あくまで窮地を助けただけ、敵同士だと士傑の名前も知らない女生徒にそう言い、このまま交戦されない為そそくさと離れようとした緑谷……しかし。
「待って、ダーリン!」
「はぁ!?だからその、ダーリンっていうのは一体ーー」
その手を掴まれ、緑谷はボールを掴まされるや、自身の左上腕のターゲットに押し付けた。
「えーー」
「これでおあいこ……ダメ?」
先程の礼のつもりか?いや、騙されるなと手を振り解こうとしたが。
「ならーー」
「ま、待て!!」
さらに右脇腹に押し付け、二つのターゲットが赤く光る。これで彼女は、左足の最後のターゲットになった。
「馬鹿!何のつもり!?」
「協力しましょうダーリン、合格の為に……これは私が協力する為の、契約とでも思って」
後一つで脱落、そのターゲットだけを残して彼女は、ボールすらも緑谷に手渡した。ダーリン呼びといい、さっきの痴女な様と言い、理解ができなかった。妥当な手段だ、武装解除して無抵抗になり、隙を見せる……信じるな、他校で、敵だと彼女はそうでしかないと言い聞かせる。
「信じて……」
ならこれでと、最後のターゲットにすら手を伸ばそうとして、緑谷は流石に振り払った。
「借りを返したいとか、そんな感じ?」
「それも含めて……お願い」
弱った……他校の生徒が協力を要請、しかもリタイアする気すら見せての交渉に頭を掻く。どうしたらいいか……緑谷はしばらく考え、こんな時ヒーローならどうするかを考え、よしと決めた。
「分かった、協力しよう」
キッパリ受け入れた。そう言った瞬間、彼女はパァアと顔に光を宿して飛びかかった。
「ありがとうダーリン!」
その両手をがしりと緑谷は掴み、何する気だと防御する。
「待って待って待って!そのダーリンはやめて!というか何してるの!?」
「お礼にハグとキスを!」
「間に合ってます!!てか力強っ!?」
本当に意味分からん、なぜ知らない人間からこんな好意をと、過去にこんな女性と関わりがあったか掘り下げたが全く記憶にないぞと再確認した。
「おー緑谷……取り込み中だったか?」
その最中、声をかけられたからそちらに向けば……。
「せ、瀬呂くん!?良かった、無事だったんだね?」
瀬呂範太が、崖に腰掛けてこちらを見下ろしていた。その隣には麗日お茶子も居た……2人して眼差しが冷たかった。
「おー無事だったよ、お前が他校の女生徒と羨ましい事してる間に何とかここに来たよ」
「出久くん……他校の女の子とも仲良かったんやね……」
ああ最悪だ、痴話喧嘩してるとしか思われちゃいない。どうにか誤解を解かないと……。
「待って!誤解だってば!!瀬呂くん、麗日さん!全く知らない人!!えーと……」
「現見ケミィよ、ダーリン?」
「向こう行ってるなー?」
「他と合流しようか、瀬呂くん?」
「話を聞いてってばーー!」
2人して立ち上がり、行こう邪魔だからと立ち去る様に、緑谷は悲痛な声をあげるのだった。