【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
心労凄まじい緑谷出久を他所に、二次試験は始まった。非常ベルとサイレンが控え室に鳴り響き、アナウンスが報じられる。
『ヴィランにより大規模テロが発生、規模は〇〇市全域、建物の倒壊により傷病者多数ーー』
演習のシナリオだろう、口に含んでいた飲み物を飲み下し、テーブルに置いて帽子を被り直せば、また控え室の建物が開きだした。
『1人でも多くの命を救い出す事ーーそれでは……スタート!!』
一斉に、100名の受験者が走り出した。爆破により倒壊したフィールドに皆が走り出した。
「とりあえず!一番近くの都市部ゾーンへ行こう!!なるべくチームで動くぞ!燃えるレスキュー魂だ!!」
「気に入ったの!?その言葉!!」
指揮権はやはり飯田くんに任せた方がいいなと緑谷が感じていると、また爆豪が山岳ゾーンへ単独で走り出し、切島と上鳴がついて行ってしまった。爆発があれば瓦礫の破砕に使えたのだが……相変わらずだと呼び戻す暇無いなと、緑谷は飯田と、他のクラスメイトと都市部を駆ける。
「演習とはいえ……酷い状況ね?」
「皆落ちてくる瓦礫に気をつけて!!」
蛙吹と尾白が全員と連携のために声を上げる中、緑谷は微かに耳がある声を捕えて立ち止まった。
「どうした緑谷くん!?」
「子どもの泣き声!こっちから!!」
声のした方向に走り出し、瓦礫を超えて行けば、見つかった子どもの救助者役だろう『HUC』が見つかった。
「ひぃい!たすけてぇえ!おじいちゃんがぁああ!!」
緑谷に続いてA組も行く、そして少年のHUCに、緑谷が声を掛ける。
「大丈夫ですよ!僕たちが来ましたから!!」
「うぅうう!おじいちゃんが!おじいちゃんが瓦礫にぃ!!」
まず緑谷は、自分たちが助けに来たと、救助に来たと安心させようとした。要救助者をまずは安心させなければ、そこから始まると救命救急の授業で習ったからだ。
「大丈夫、まずは落ち着いて、ゆっくり横になって!痛いところはありますか?気持ち悪かったりーー」
「顔とトーーン!!」
「え!?」
が、ここで少年役のHUCがビシィいい!!と指をさして緑谷に言った。
「人命救助するヒーローがそんな切羽詰まった顔したら駄目!声のトーンも棘がある!!まるで戦場の敗走軍の医療班かキミは!?行動はできているが減点!!」
減点、その言葉を聞いて理解した。二次試験の採点は減点方式によるものだと、そして何より……自分自身そんな場所まで指摘されるとは思いもよらなかった。
「キミが今救助しようとしているのは子どもだぞ?それがそんな顔して来たら、不安がるでしょうが!ヒーローはどんな状況でも子どもに笑みを崩したらダメだ!」
笑顔……か……確かに、オールマイトは笑顔を崩しはしなかった。多分、今後の1番の課題かもしれないと、緑谷は左右に顔をブルブル振ってから今の精一杯で笑う
「もう安心して、必ず助ける……僕たちが来たから!」
その笑顔を見た子役のHUCは……目を細め緑谷に言った。
「キミ、笑顔下手だね……うん、おまけしたげるから頑張って」
「は、はい……」
緑谷出久の笑みは、安心を与えるのとは違う。狂気と殺意の笑顔の為に、同情されるという珍事になってしまった。
「ぼ、僕はこの子を救護所まで運ぶから……皆先に行ってて……」
「き、気を落とすなよ緑谷くん?」
「ま、まぁこれから頑張れば上手くなるからさ!よし、俺らもがんばっぞー!!」
飯田と峰田から励まされて、緑谷は子役のHUCを抱え、皆を先に行かせここで救護所まで戻る事にした。
「あーきみ、ちょっと質問していいかな?」
「え!?あ、はい?」
運ぶ最中、抱えた子役のHUCから試験中ながら尋ねられた。
「初動から手慣れてたけど、キミ地区か学校で救急の授業か訓練を受けたりした事があるのかな?」
初動が経験者の様に手慣れていた理由を尋ねられる、学校で習ったか、地区の訓練にさんかしたのかと。緑谷はHUCの人に答えた。
「その経験もありましたけど……特撮ヒーローで、レスキュー隊を題材にしたヒーローが居たので、そこから調べたりしました!」
「成る程それでか……けどレスキューや消防とヒーローは違う、キミたちは即座の判断も必要だ、さっきのは良かったけど……目視での軽重傷の判断も必要になるよ」
「は、はい!ありがとうございます!!」
まだまだ荒いが初動は良かったと褒められ、緑谷は笑った。その笑みができたら減点がなかったのになと、子役のHUCは惜しいと苦笑するのだった。