※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

158 / 697
158話 象徴派閥というやべーやつら

ーー3週間前、ヒーロー公安委員会本部ーー

 

 此度の仮免試験における、試験内容に関しての会議が行われていた。

 

「ボール当て?随分遊び感覚というか、大丈夫か?」

 

「本質はそこでは無く、混乱状況を作る事にあります……非常時に能力や思考を素早く正しく働かせられるか……」

 

「二次も同様か?これだと個々人の能力では無く、団体行動前提のチーム能力審査だよ」

 

 昨年の事件から内容が全く変わっていると、これでは個々人のヒーローとしての特性、実力が分からないと難色を示す者がいた。

 

「警察庁からの提唱なんですよ、免許交付における判断基準要項の改訂、事実上……命令です、応急処置や傷病診断など、救助における個々の基礎知識はある物と前提した上で、その先の協力、協調姿勢に注目した内容をって……」

 

 だがしかし、警察庁からの命令であると、今回から仮免試験において、新たに生まれるヒーローに必要なのは、チームアップの際の力、団結力を見ろと言われこの内容なのだと役員の1人が言う。

 

「協調ねぇ……」

 

「そうする必要があるのだ……力も魅力も……全てにおいて一強のオールマイト、彼と二位との間には常に大きな開きがあった……あれほどのカリスマ性を持った人間はそうそう現れない……」

 

 その理由は『オールマイトの引退』

 

 彼はあまりに強大すぎた……万年二位であるヒーロー『エンデヴァー』ですら、引退した今日まで全く日の目を浴びれぬカリスマと力を持った『ヒーローの象徴』それの引退による穴は……エンデヴァーでは、そしてランキングに入るヒーロー達で補うにはあまりに大きすぎたのだ。

 

「次の彼を待つよりも、今まで以上に結束を強く意識した群のヒーローで穴を補って行く……今回の提唱はその足がかりな様なものだからな……」

 

 故に『次のオールマイト』が現れるのを待つより、新たな世代は群の力で悪を抑えるべきと決断が降ったのだ、これからの世代のヒーローにはそれが必要なのだと。

 

「そういえば……今ここには居ない閑職組、象徴派閥が抱き抱えようとした子が、受けると聞きましたが?」

 

 ここで、役員の1人が声を上げた。公安の窓際に追われた閑職の奴ら『象徴派閥』と呼ばれる者達が、神輿として公安に誘った学生が居ると。

 

「彼か……まだヒーローでないのに、多大な戦果をあげてしまった……ヴィラン殺しだったか?」

 

 まとめ役の役員がパソコンを操作し、受験者のデータから彼を引っ張り出して表示した。

 

『雄英高校1年A組 緑谷出久』

 

『個性 脊髄ぶっこ抜き』

 

 仰々しい個性、彼の写真が映されて、役員の1人が非公式ながら功績を説明した。

 

「雄英襲撃時におけるヴィラン殲滅と脳無討伐、保須市の脳無襲撃においても2体を討ち取っています」

 

「あー、彼か?確か表向きはエンデヴァーが逮捕したとなっていますが、ステインの撃退に逮捕、林間学校時のヴィラン襲撃にはマスキュラーを倒したとも」

 

「あと、神野の件で乱入した忍者も彼で……AFO逮捕に貢献……即戦力ですね、象徴派閥が欲しがるわけだ」

 

 まだヒーローでも無い一学生、しかしてその功績はヒーローとしてならば見事なものであった。力や戦闘技術ならば、学生の域を出て即戦力としてプロでも上位となろう……まぁそもそも、仮免ですら無いのにこれほどやらかしているから、表立って讃えれないがと、皆苦笑した。

 

「奴らはもう1人レディ・ナガンを作る気だったらしい、この子はホークスが見張ってくれて事無きを得た……奴らが目指した彼を象徴とした"ヒーローズディストピア"とやらは、これで諦めてくれるといいが……」

 

 彼がもしも『象徴派閥』に接触して抱えられていたらと、役員達はゾッとした。

 

「さて、話が脱線したな……次は試験用の小道具及び、試験フィールドだがーー」

 

 

 

 目良はフィールド全体を見回す放送席より、救助者役を抱えて走る緑谷出久を見て、プロフィールをパソコンで確認した。

 

「欲しがるわけだよなー……私でも免許の試験飛ばしてさっさとウチで働いて欲しいと思うもの……人員少ないから……合否関係なく公安に声かけよーかな……いかんいかん!私情挟むな私!」

 

 そんなの、私だって彼を引き入れたいと眠気から私情を溢した自らを律した目良だったが、背後に待機していた同じ職員達が次々耳打ちした。

 

「目良さん……彼の黒スーツにサングラスと革靴手配しますけど」

 

「ホークスさんに美味しい焼き鳥屋を手配して歓迎会を……」

 

「夜は中洲でしっぽりと!」

 

「やーめーなーさーい!キミら、彼の歓迎会にかこつけて遊びたいだけでしょうが!まぁ、そんな事すらできない激務がうちなんだけどさー……」

 

 経費でできるか馬鹿野郎と役員たちに注意した目良は、インカムのボタンを押して通信を繋げた。

 

「準備はいいかい?そろそろ第二段階いくよ?」

 

『ああ、さて……ヒーローの卵達がどう対応するか、見せて貰おうじゃあないか』

 

 二次試験の救助活動、初動こそもたつきはあったが皆しっかりやっている……だが、今回はそれだけではない。此度の事件にあわせ、更に壁は一層高くした。

 

 目良が通信を切った瞬間、受験者が設営した救護所近くのドームの壁が爆破し、さらにフィールド各地でも爆破が起こる。そして、目良は放送用マイクの電源を入れて、演習のシナリオを語り始めた。

 

『ヴィランが姿を表し、襲撃を開始ーー現場のヒーロー候補生は、ヴィランを制圧しつつ、救助を続行してください』

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。