※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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159話 いい加減にしとけよお前ら!?

「いや近い近い近いって!!そんなのあり!?」

 

 救護区域として他校の受験生が区切ってくれた場所に、緑谷は子役HUCを運び、診察をしていた先輩に確認を取って、さぁ次だと救護活動を再開しようとした瞬間だった。

 

 その近くの壁が爆発し、さらにはフィールドのあらゆる場所からも爆破が始まり、まさかの二次災害地鳴りかと思えば、目と鼻の先にヴィラン役の下っ端……そしてーー。

 

「ギ、ギャングオルカ!?ヒーロービルボード10位のヒーローがヴィラン役だなんて!!」

 

 投擲先輩も近くに来ていたようだ、そのヒーローの姿をみて驚愕する。そうして驚いているうちに、ギャングオルカとその部下達は救護区域に進軍して来た!

 

 どうする!?明らかに避難所の受験生の数が少ない!!避難か戦闘か!?緑谷が思考に入った瞬間ーー。

 

「皆を避難させろ!!奥へ!!ヴィランからできるだけ距離を置け!!」

 

「真堂先輩!わかりました!!投擲先輩行きましょう!!」

 

「よし、全員避難だ!立てる方は走って!立てない方や大怪我の人はこちらで運びます!」

 

 真堂先輩の一喝で、緑谷は即座に身体を転身させて、投擲先輩にも声をかけ、救出したHUCの避難に専念する事にした。あの大勢を、今足止めできる個性を持っているのは、この場では真堂先輩しかいない。殿は彼に任せ自分は避難誘導だと、重傷者のHUCの身体を担いで様子見しながら退避に移った。

 

「インターバル1秒程の震度で畳み掛ける!!」

 

 両手を地面に付けて揺らし、地割れが起きれば、ヴィラン役のギャングオルカ率いる部下達はそれに呑まれ足止めされたーーが!

 

「緩い!!」

 

 その地割れすら超えてくるのが!プロヒーローなのか!ギャングオルカは真堂の目と鼻の先まで間合いを詰めるや、さながら衝撃波じみた、離れていた緑谷の耳でも脳が軽く揺らされる凄まじい超音波に、真堂は至近距離で晒されて大の字に倒れた。

 

「うあ……あ……」

 

「真堂先輩!!」

 

 日本プロヒーロービルボードチャート上半期10位、鯱ヒーロー『ギャングオルカ』

 

 個性は『シャチ』!!シャチっぽい事ならば何でもでき、その中の一つ『超音波アタック』が!真堂揺の脳みそを揺らし、麻痺させたのだ!

 

 ちなみに……彼は『ヴィランっぽい見た目ヒーローランキング3位』であり、副業で沖縄の水族館で館長をやっているぞ!!緑谷も、いつか絶対行きたいと思っているのだ!!

 

 それは後だ!今背中に重病者を抱えたまま戦えないが……真堂が倒れた今殿は自分になってしまった!どうすると悠々と歩いてくるギャングオルカを見ていた緑谷だったがーー。

 

「むっーー!?」

 

 その左側から、氷の波がギャングオルカに襲いかかり、それを超音波アタックが防いだ。氷の波の出所を見て緑谷が叫んだ。

 

「轟くん!!」

 

 何という僥倖!轟焦凍が援護に来てくれたのだ!

 

「緑谷!避難か!?手伝う!!

 

「うわ!轟はやっ!」

 

「みんな!!何処居たの!?」

 

 それに続いて尾白、芦戸、常闇の3人がさらに駆けつけてくれた。

 

「向こうの水辺付近さ!皆、街の方に行ったから手薄な方に行ったんだが……ヴィランがここに大挙するのを見て防衛に来た!八百万や蛙吹達は、向こうで救助続行してる!」

 

 尾白から状況確認をして、ならここは轟に任せるべきかと、もう一度轟の方を見たがーー。

 

「これしきの攻撃ぃい!!」

 

「うっそぉ……あれを防ぐの!?」

 

 今まで何度も見て来た、体育祭ではやりあったあの氷をまともに、真正面から対抗している様を見て、やはりプロヒーローだと緑谷は驚愕する。

 

 行くべきか!?背中に抱えた重症のHUCを尾白に預けて、轟の援護に行こうとした緑谷だったがーー。

 

「ふぅううきぃいいとぉおおべぇえええーーー!!」

 

 身体を叩きつける風を感じ、緑谷が見上げた先の真上に現れた士傑の一年、夜嵐イナサが、轟が張った氷ごとギャングオルカとその部下達を吹き飛ばし始めた。

 

「いいぞ……緑谷、芦戸、常闇、ここはあの2人に任せて避難を進めよう!」

 

「うん!」

 

「わかった!」

 

「よし!ダークシャドウ!」

 

『あいよ任されたぁ!!』

 

 面制圧が可能な2人が隙を作ってくれた!これなら避難も余裕があると、尾白に促され、近場に居た子供のHUCを緑谷は抱え上げ、避難区域へ皆と走り出した。芦戸も子どもを連れ、宵闇はダークシャドウで一気に3人を巻き上げて運び、尾白は緑谷に託された重症HUCをおんぶして駆け出した。

 

 がーーここで、緑谷は背後からの会話と、風と炎のたなびく音を聞いて立ち止まった。

 

「なんで炎だ!?熱で風が浮くんだよ!!」

 

「さっき氷結を防がれたからだ!!お前が合わせて来たんじゃあねぇのか!?」

 

「ーーえ?」

 

 振り返れば、恐らく互いに個性を使ったのだろう、風も炎もヴィラン役のギャングオルカや部下たちに当たらず、霧散して消えてしまっていたのを見て、緑谷は真顔になった。

 

「え……な、何してるの……」

 

 試験会場で喧嘩?状況分かってるのか?緑谷が立ち止まったのを見た常闇は、ふとその表情と眼差しを察して声をかける。

 

「同胞よ、俺に任せておけ、お前はあっちに必要と見た……」

 

 本当に、こんな時は一番気がついてくれるのはキミかもしれない。緑谷は常闇に顔を向けて頷いた。

 

「ありがとう同胞、ちょっと……あの2人懲らしめてくるーー」

 

『あいよ同胞!気をつけろよぉ!!』

 

 抱えていた子どものHUCをダークシャドウに預け、帽子を被り直して轟と夜嵐がぶつかり合う最中に、ゆっくり緑谷は歩きだした。

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