【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
雄英に入学して、ヒーローになる為頑張って来た。色々な人と出会い、学び、怒られ、嘆き、戦い、笑い、成長して来たと思う。
そうして、手に入れてきたのは様々だ。
ヒーローのあり方。
新たなる個性の深化と理解。
友達。
愛。
師匠。
しかし……緑谷出久の心にはいつも渦巻く物があった、それはーー。
『悪意』
一言で表すならそれだ、雄英入学から、ヒーローネーム『イーヴルヒーロー・イズク』を名乗るまで、今まで曝け出してきたが、名前を名乗った日からゆっくり、少しずつそれから離れようとしていた。
『怨嗟』
『殺意』
『狂気』
『衝動』
しかしそれらは、死柄木、ステイン、マスキュラー、そしてAFOというヴィランに会うたびに思い出し、湧き上がってきてしまう。
そして……実感する。
それらに身を委ねた『快楽』の、なんと甘美な事かーー。
中学時代がそうだった、あの折寺の日常はクソながら、その力を振るう楽しさを、緑谷出久は感じていたのだ。
それは今になって、自分を引き戻す。
『ああやはり、僕はヴィランなのかもしれない』と。
でも、決別できそうになりつつあった。今はそれが少しずつ、薄らいでいくのを日に日に感じていた。
まともになれそうだと思ったのだ。
しかし……目の前の友達は言う。
『悪のお前を超えなければ、自分は先へは進めない!』と。
そっか、そうだよね……キミが見てたのは……悪の僕だったんだ。緑谷は、叫んだ爆豪に言った。
「ごめんよかっちゃん……キミの事を僕は理解してなかった……あの日、キミにいじめられて反撃した日から、キミに枷をつけたのは、僕だったんだね」
『イーヴルヒーロー・イズク』は、悪を抱えて、正義を為すヒーローだから……。
「ならば僕は……キミの為に……今一度立ち返ろう……悪に!!」
キミの為に今一度と、両手の拳を解いて……爪立てる猛獣のように開いて、爆豪を睨みつけた。
ーー瞬間、会場に居た雄英生徒、雄英教師陣の背筋が凍りついた。A組の、特に峰田と蛙吹は、その緑谷の溢れ出す、紫色の殺意と稲妻に思いだす。
「や、やべぇよ、なぁ蛙吹あれって!?」
「緑谷ちゃん、あの時の雰囲気に戻ったわ……」
その2人だけでは無い、その殺意の奔流を、過去対峙して退けて見せた轟は、冷や汗を垂らした。
「体育祭の時より……濃く強くーー!」
クラスメイト達も、その時の惨状こそ見たが、その時の緑谷が如何なる姿を、殺意を孕み戦っていたかまで知らない。けどこれは、まるでーー。
「オール・フォー・ワン……貴様、あの子に何をした……」
ステージから出て試合を見ていたオールマイトは、緑谷出久のその姿が、あの男と重なるのを感じて、歯を食いしばった。
「そうだ、それだ!テメェはやっぱりその様が似合う!!それを超えなきゃ、俺は一歩も踏み出せねぇんだよ!!」
震える足、体、魂が恐怖している!これだ、俺が倒して超えなければいけないお前は!!しかも前よりもより恐ろしく強くなっている!!何という好都合か!!超える壁は、高いほど、厚い程に達成感があるんだと、爆豪は震えを笑い飛ばした。
考えた事が無い訳はない。
グラントリノにより再編された緑谷出久の戦い方は、三つに分かれた。
『破壊の型』レッキングスタイル
『流体の型』フルイドスタイル
『無法の型』クライムスタイル
三つは独立し、状況に合わせて使っていた緑谷が、日々考えない訳のない話。
『もしも、このスタイルを掛け合わせたら、新たな型にならないだろうか?』と。
それは、更に前へ……というよりは『回帰』が正しかろう。
グラントリノによる『分解』を経て、今!緑谷出久の手により『再編』される、緑谷出久『第四の型』にして『本来の姿』!
その名は!!
「ヴィランスタイル……!!」
その型の名前を呟き、緑谷が見せた構えは、初めての戦闘訓練で見せた、爪立てる獣の構えで爆豪と対峙した。