【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
過去に回帰し、悪を宿した緑谷の冷たい眼差しに爆豪は笑った。これだ、自分が超えなければいけない、緑谷出久の姿はこれなのだと、バチバチと手のひらから余計に汗が垂れて弾けだす。
「悪いけど……泣いても止まれないよ?」
「泣かすのは俺だーークソヴィーー」
言い終わる前に、先程以上に素早い踏み込みで近寄られ、すでに腹部へのアッパーが放たれて爆豪は即座にガードした。
しかしーーその一撃で、ヒーローコスチュームの両腕を包む手榴弾型ガントレットが、砕け散った。即座に跳んで威力を殺した判断までしてこれか!?爆豪は改めて、緑谷の本気になった理不尽さが、この数ヶ月で跳ね上がったのを理解した。
しかもーーまた脊髄が引っ張られてーー!
「へし潰れろぉ!!」
そのまま頭を鷲掴み顔面、いや肉体全てをセメントのステージに叩きつけられる。そしてバウンドした爆豪の肉体、その背中に右の回し蹴りを、ボレーシュートの様に蹴り抜いて、爆豪の身体はスピード違反の乗用車に跳ねられたように二転三転した。
「がぁあああ!!」
その程度で、勝ったと思うなクソヴィラン!!爆発で身体を立て直し、即座に緑谷むけて勢いをつけ突貫し蹴りを放つ、靴がセメントに線を引くほど擦れた緑谷に、爆豪が空中から手をかざし顔面目掛け狙いを定める
「APショットォオオ!!」
この至近距離で!?コンクリに穴を開ける貫通弾の如き爆破に緑谷は身体を横に傾けたが、放たれたのは目を潰す光だった。
閃光弾ーー!ブラフを使われたかと目を潰されて見えない中で、緑谷の右脇腹が衝撃を受け軋んだ。
「ぐうう!?」
そのまま来た衝撃に、腕で巻き込むように抱き抱え、感触を確かめ左腕かと理解すると、暗闇の中で今の爆豪の姿を思い描いた緑谷はーーそのまま背中を逸らし爆豪をフロントスープレックスでぶん投げた!
「がっは……」
まともに叩きつけてやった、息ができない筈だとそのまま立ち上がるがまだ視界が焼けついてぼやける。輪郭を捉えて、ふらついて立ち上がる様を見て緑谷は構えた。
「かっちゃん……轟くんには使ったこの技……今のキミなら……」
恐らく、自分よりも彼の方がもうふらふらだろう。だからーーこれで幕を引く、緑谷はようやくその姿を捉えた爆豪が、パチパチと何かの準備をしているのを見て、緑谷は構えた。
その構えを見た瞬間、轟はハッとした。
「常闇!!来てくれ!!緑谷を止める!!」
「!?」
あの構えだけじゃない!恐らく、あいつは『本気』で放つつもりだと、常闇と共に観客席から降り立った。
「全力……全開……全、鏖……殺!!」
緑谷が弓を引く構えに入った!!即ちこれ、必殺の暴の嵐の予兆!!
「こいやぁああ!!緑谷ぁああああ!!」
その構えに対して爆豪は踏み込み、爆速ターボで死地に入った。それを見た教師陣はその数瞬前からこれで終わりだ、もう止めだと、捕縛と終了に入っていた。
「バイオレントォオオオ!!」
「ハウザァアアアアア!!」
間に合わない!!2人を止める幾つもの個性よりも、2人の攻撃が放たれる方が早かった!!
「ラァアアアアアアアアッシュ!!」
「インパクトォオオオオオオオ!!」
爆炎と、暴の嵐がぶつかり合った。そしてーー教師陣が、間に合わなかったと、轟も常闇も遅かったと、煙が立ちこめる。
そしてーー煙が去っていき、そこに立っていたのはーー。
「テメェ……止めやがったな、寸前で」
「そっちこそ、わざと外したでしょ?」
2人して、無傷!!緑谷は爆豪の喉に触れるギリギリで手を止めて、爆豪の爆発の跡は、緑谷の左右を削るように跡が残っていた。
「ほんっとムカつく、全力を相手にして慈悲かける余裕ってわけ?」
「そりゃこっちのセリフだ、クソヴィランが……当てりゃあ良かったろうが」
「あくまで、演習だから」
「けっ……」
お互い『全力を出して、全力で演習に留めた』というわけである。ちゃんと、届出通り、ルールを決めて、その通りに演習はこの時点で終えたのだと、腕を下ろした。
「あれ?先生方々に、轟くんに、常闇くん?何してんの?」
「もうこれで終いだぞ、言われた通り演習で止めたが?」
そんな2人の口ぶりに、相澤先生がスタスタ近づき、2人の個性をしっかり封じてから、拳を握り締めーー振りかぶった。
「馬鹿どもが、反省文100枚明日までに書き上げてこい!!」
「「あいたーーー!!」」
2人の決闘……いや『自主戦闘訓練』の結末は……両者引き分けと説教という結末にて幕引きとなった。