【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
緑谷出久は、中学在学の間『喧嘩をした事はあまり無いと嘯く』というのも、その個性によって『喧嘩にすらならない』がこの話への答えだ。さらに言うなら『自分が、折寺中学を恐怖政治で支配した気は全く無い』と宣う。その答えは『目の前でいじめを見たら助けていじめっこを黙らせたり、騒がしい迷惑な奴らを黙らせたり、個性をからかってくる奴らを黙らせたらそうなっていた』らしい。
が、しかし……一度だけ、学園の不良に呼び出された時にだけ、喧嘩をした事があるのだと言う。爆豪勝己はその一部始終を目撃して理解した。
『ぶっこ抜くだけで済ませたのは、彼なりの優しさだったと』
「いくよかっちゃん……僕の必殺技……その①……!」
さながら、弓を引くように右手を奥に、左手を照準として前に伸ばし、息を吐きながら出久は構えを取る。
「ーー!!」
対して爆豪は、悪寒で凍りついた身体を、必死に動かして防御体勢を取った刹那。
「バイオレントラッシュ」
暴の雨が、爆豪に叩きつけられた。一撃一撃、その放たれる拳が、蹴りが、肘が、膝が、様々な緩急と角度より放たれ、爆豪を決して逃しはしない!
『まさかあれは……私のラッシュを真似たのか!?』
報復とばかりに生きていた緑谷のラッシュ攻撃に、オールマイトは目を見張った。そこまで再現するか、そこまで私に憧れるか緑谷少年!しかし……生徒の1人の言葉で我に返らされた。
「なんて事だ……やり返すにしても殺す気か!?緑谷くんは!!」
「なにっ!?どう言う事だ尾白少年!!」
「あの攻撃全部、人間の急所に的確に当ててるんです!!当ててないのは目玉と喉と金玉くらいですよ!?」
ただのラッシュ攻撃、しかして模倣に非ず!その攻撃全てが人の急所を的確に打ち据え破壊する狂気の連撃だったのだ!
「なんてこった……やりすぎだろ!こんなの!!」
「出久くんやめて!死んでしまうわ!!」
「ヒーローの戦い方じゃあない……!」
地下モニターからこの演習を見ていたクラスメイト達の誰もが、緑谷の静止を叫ぶ。そうしてようやく、オールマイトは緊急終了のブザーのボタンを押した。
「まだやる、かっちゃん?」
やがて……倒れ伏した爆豪の首根っこを掴み、持ち上げて緑谷出久は尋ねた。両手はだらりと垂れて、顔は腫れ上がり呼気も弱々しい……先程の爆破で散った窓ガラスの破片も倒れて突き刺さったようだ。
「よし、じゃあテープ巻いて拘束してーー」
これで終わった、まだ時間はあるから麗日さんと合流して、核弾頭を確保しに行こうとした矢先。
ビーーーー!!
「え……あ……」
ブザーが鳴り響いて、ようやく緑谷出久は自分の世界から帰って来た。