【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「インターン先決まったんだ!よかったね出久くん!」
「しかもあの、オールマイトの元サイドキックだったサー・ナイトアイさんの所だなんて!」
「凄いじゃん!」
「おめでとう緑谷くん!俺もうかうかしてられないな!」
「あははは……ありがと」
雄英寮『1-Aアライアンス』共同談話スペース、そこに集まっていた麗日、八百万、蛙吹、芦戸、峰田、そして飯田から、ナイトアイからのインターン推薦があった事を明かし、飯田からは握手を求められた。
「流石A組総大将、通形先輩と引き分けたんだからそりゃ声掛かるよ!」
「ナイトアイ本人からのご指名だって!?」
「よくやったな!」
この話を聞いた他の男子陣もわらわら集まって、緑谷を称賛する。しかして緑谷の表情は浮かない顔だった。
理由は二つある。
一つは、そもそもこのインターンは『監視と観察』の為にナイトアイが提案したからだ。本来のインターンの為に推薦したわけではない。緑谷の身体に移ってしまった、OFAの欠片の様子を確かめる為に、もしもの事態を考えて手元に置いておきたいからという理由からだ。
そしてもう一つ……その理由は瀬呂が談話室のテーブルに置かれた、様々な雑誌やらを見て、理由を話す事となってしまう。
「あれ?緑谷の前にあるのって……何だ?」
瀬呂が雑誌の一つを手に取り、表紙を見た。そこには見知らぬヒーローがポーズを決めていた。
「実は……インターン受け入れ条件で、ヒーロースーツ変更を指示されました、ナイトアイさんに」
そう、ヒーロースーツの変更。ついにその時が来たのだと、緑谷は肩を落とした。そしてクラスメイトの反応はーー。
『『『『ま、妥当やな……』』』』
満場一致であった。あれは確かにかっこいい、かっこいいが……ヒーロースーツというより、夜闇の獣を狩る狩人である。何度もヴィラン扱いされるくらいには、皆も変えた方がいいと指摘したくらいだ。
「成る程、それでヒーロースーツを新しくする為に雑誌を、これあれか?緑谷が好きな特撮ヒーローってやつ?」
「うん、その設定資料やムックに雑誌……あと普通にヒーロースーツの会社の見本とかね?」
「こうしてみると色々ありますのね……あ、こちらはベストジーニストさんのスーツの会社でしょうか?」
「こういったアーマー系って動きにくそうだよなぁ、飯田はその辺りどうなんだ?」
「早く走る妨げにならない工夫はしてるさ、足のあたりは特に何度も考えてーー」
こんな物まで持っているのか、改めて見ると色々なヒーロースーツやヒーローが、現実偶像含めあるんだなと、皆が緑谷の雑誌を見て興味を示した。
「けどなぁ……こう、今まで着ていたあれとの離別は惜しいんだけどなぁ」
「緑谷ちゃんのスーツって、確か自作なのよね?やはり、自作スーツをダメ出しされて悩んでたの?」
「Ver.1はね?今着てるのはVer.2で、Ver.1を元に服飾控除で材質やら何やら変えてもらって、防御性能や耐火性、防弾防刃仕様になってる。唯一帽子だけは流用してるんだ」
そこまで惜しむ理由は、やはり自作だからかと蛙吹に問われ、デザインはそうだと頷く。デザインを流用し、ちゃんとヒーロー活動をできるように、自作ではできない部分を作り上げて貰ったのだと。
「まーこの際だからさ、色からもう真反対にしてみたら印象変わるんじゃないの緑谷?真っ黒黒すけだから、真っ白にしてみたら?」
「白……かぁ……」
ソファにぐでんとしながら身体を預ける峰田から、もうイメチェンするなら真反対にするくらいしてもいいのではと提案される。
自分に白は似合わない気がするのがなと、緑谷は様々な雑誌やら設定画集を皆から回収して、どさりと落としてしまった一冊に、ああしまったと手を伸ばした。
その一冊……そこに映る金色の狼の鎧のヒーローを見て、緑谷は……あっ、となった。そして何とタイムリーなと。
「そっか、別に全部変える必要無いな、これなら……いや、せっかくだからズボンも……」
「お、何か決まりそう?緑谷?」
上鳴から尋ねられ、うんと頷き雑誌を回収して、緑谷は部屋に戻る事にした。
その日ーー緑谷は、自身のヒーロースーツと別れを告げたのだった。