【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
ヒーロースーツのバージョンアップに伴い、緑谷はしばらく放課後に暇を持て余す事になった。正式なインターンも来週の半ばとなるため、緑谷は久々の暇な週末が訪れた。
緑谷出久の週末は……早朝トレーニングから始まり、ニチアサを見て復習、また昼にトレーニング後、風呂に入り就寝が流れになる。遊びに行く事はあまり無い、というか……遊びに行く友達なんて居なかったから。たまに買い物で1人、街をふらつくくらいである。
高校生になりようやく、全寮制になる前だが短い期間、クラスメイトと帰りに寄り道したりはできていた。週末のオフは精々、林間合宿前の買い出しくらいしかなかったかもしれない。
だから、ふとその日……緑谷は自分の携帯電話に送られてきたメッセージに、驚いた。
それは……ミッドナイト先生からの遊びの誘いであった。
「改めて、仮免取得おめでとう緑谷くん」
「あ、はい、ありがとうございます……恐縮ですミッドナイト先生」
「今は睡でいいわ」
「ありがとうございます、睡さん」
ミッドナイト先生の呼び出しに応えた休日、この日は彼女もオフで教職も休みだったらしく、外出許可を出してそのままあれよあれよと彼女のスポーツカーに乗せられて……辿り着いたのは中々にいいマンションだった。
所謂タワマン、と呼ばれるマンションで、そこに通された緑谷はグラスに注がれたジュースを、彼女のグラスと鳴らして乾杯した。
小さな、それでいて決して安くはなかろういちごのショートケーキに、ホワイトチョコのプレートが置かれている。こうして誰かに祝ってもらうのは嬉しいなと、ジュースを傾けて飲んで、仮面を外した素顔のミッドナイト先生……いや、今は香山睡と対面するのはやはり気恥ずかしい。
というか……寮の女の子の部屋を見るどころか、年上の女性の家に招待されるって、色々やばいのではなかろうか?そもそも教師と生徒だがと考え、切り分けたケーキが置かれ、優しく笑う睡に思わず笑みが溢れた。
「一歩前進したわね、ヒーローへの道……ここからはインターン、やがてはプロ試験と大変だろうけど頑張らないとね?」
「はい、がんばります」
「ところで……あれからどう?好きな人はできたかしら?」
「え、あ……」
夜遊びに連れられたあの日から、緑谷にヒーローとは何かと聞かれたミッドナイトは、彼に『愛する女性を守る人』と説いた。そんな人は果たして現れたのか?悪戯に尋ねられた緑谷は、もじつきながら話す。
「えっと……八百万さんと麗日さんが……気になるかなって、だ、ダメですよね2人なんて……」
「あらら……どっちも好きになっちゃったの?」
「というか……好意はあります、けど恋なのかと言われたら……分からないというか」
ミッドナイトこと香山睡は……その話に出てきた麗日お茶子と八百万百が、緑谷に好意を抱いているのを知っていた。両思いだと。
麗日にとっては入試の救出劇という漫画やアニメのような出会い、八百万はその同年代らしからぬ可愛らしさと、苛烈な強さとそれに見合わぬ情緒に引かれていた。
そして……名前を明かしたミッドナイト自身も、頷いてしまう少年らしからぬ強さ、時折見せる未熟な子供っぽさ、そして年相応の反応が唆られたのも事実だ。
「そうね……もう2人とも抱いちゃえば?」
「だーー!?」
「あの子らそれも構わないって感じよ?」
「い、いやダメでしょ!?こ、恋人って1人で……浮気になるじゃないですか!?」
「普通はね?ただ、その恋人同士で納得できたならありと思うわ、昔の……私が雄英教師になる前、それこそ事務所構えてた頃は、男のサイドキックを侍らせて代わる代わるシテたし……」
「あ、あれほんとだったんですか?」
「伊達に18禁ヒーロー名乗ってないわよ緑谷くん?」
過去、ヒーロースーツ露出問題で騒がせて法律変えた人じゃ無いな……さすが大人の女性で、18禁ヒーローを名乗っていないと、汗が垂れた。
「ふふ……興味ある?そーいう事……」
「えっ……」
緑谷出久は、ふと彼女が細目で近寄って来たのを、嫌だの、怖いと感じはしなかった。近寄られ、肩が触れて……心音が高鳴り一気に体温が上がっていくのを実感する。
互いの唇が当たるギリギリまで近づいて、吐息の匂いすら甘く、クラリと脳髄が溶けそうになるその感覚は、少年にとって初めての体験だった。
唇が離れ、いつの間にかミッドナイトは、いや睡は緑谷の足に跨り、ショートケーキの苺を取って口に入れ、軽く噛んで見せ……そして、躊躇いなく緑谷の唇を奪った。
舌も容赦なく捩じ込まれ、緑谷は震えて目を見開き、キャパシティを超える情報の波に押し切られる。しかし、それでも、ガキなりに頭にある知識で、舌を絡めてみたり、唇を優しく吸ったりと、睡を力で壊さない様に優しく抱きしめた。
2人しかいない、1人には持て余すタワマンの部屋に響き渡る粘質な音が止み、互いの涎がつーーと橋をかけて2人の唇は離れた。
「……緑谷くん……さくらんぼのヘタとかでキス練習した?」
「いや……そんな事は……」
初々しい、教え子の初めてのキスを堪能した睡は、ガッつかない合わせるような、そんな舌の使い方にゾクゾクしてしまった。
ああ、そして……ズボンを押し上げる、全国に晒された男の証の、何とたくましいと、跨ってお腹に当たるそれを見た睡は……雌の本能が揺り動かされた。
「緑谷くん……いずれ、恥をかかないよう……八百万ちゃんや麗日さんをかなしませないように、私で練習しましょう?」
部屋着のシャツのボタンを、ゆっくり外して、下着を晒し、ヒーローであり、教師であるミッドナイトは、その日、ヒーローとしても教師としても、一線を超えてしまった。