※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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178話 新たなスーツでインターンへ

「それで、作り直したというヒーロースーツがそれか?」

 

「だ、駄目でしょうか?」

 

 サー・ナイトアイ事務所にて、緑谷は通形ミリオと並び、ヒーロースーツ審査の合否を尋ねた。新たなヒーロースーツ、とは言っても上に羽織るコートを白く、よりヒーローらしいピシッとした形にして、お気に入りの帽子を脱いだ。インナーはあまり変わっていないが……それでも以前のヒーロースーツから幾分かマシにはなったらしい。

 

「……貴様、まさか……」

 

「な、何か?」

 

 鋭い眼光で立ち上がり、私の目は誤魔化せないぞと緑谷の、羽織っただけのコートをきっちり着せて正面を閉じて目を見開いた。

 

「これは……オールマイトのヤングエイジ時代のスーツか?そのラインデザインが出来上がるのか……」

 

 しっかりピタリと前を閉じたら、カラーリングは灰色の落ち着いた目立たない色ながら、ヤングエイジ時代のオールマイトのヒーロースーツのラインデザインが完成するのをナイトアイはしっかり見抜いたのだった。

 

「あ、憧れで恩人ですけど……がっつりリスペクトを前面に出すのはどうかなと、ひっそり仕込むのが好きでして……」

 

「……私の髪の毛も同じだ、ほらこの金髪のメッシュ」

 

 あ、それでと初めて気付かされた緑谷。何よりそもそも……ナイトアイの事務所自体がオールマイト一色だから、余程好きなんだなと頷かされる。

 

「だ、駄目ですかサー……」

 

 果たして、このヒーロースーツの合否はと、ミリオがゴクリと息を呑み……しばらくしてからナイトアイは、手をバツにクロスし……ようとして大きく丸を腕で作った。

 

「いい、及第点をやろう、今日からインターン生として、うちの事務所で働いてもらう」

 

「あ、ありがとうございます!よろしくお願いいたします!」

 

 その一言に、緑谷は深く深くお辞儀をし、改めて礼を言った。

 

「よかったね緑谷くん!共に今日から頑張ろう!」

 

「はい、通形先輩!」

 

 合格を得て、ミリオから手を差し伸べられ緑谷はガシリと握手を交わす。監視とは言えインターン、迷惑を掛けずサイドキックとして頑張らねばと気合いを入れる。

 

「サーナイトアイ事務所へようこそ、ミリオくんの後輩くん、私はバブルガール、よろしくね?」

 

「はい、こちらこそ」

 

 ナイトアイのサイドキックとして所属する、青髪青肌の女性ヒーローバブルガールからも歓待を受けたところで、ナイトアイが何やらファイルを取り出して開き始めた。

 

「早速だが……緑谷、お前はミリオと共にパトロールと監視を行ってもらう」

 

 早速インターンの仕事を与えるとナイトアイがファイルを開けば、そこには一枚の男の写真と、切り抜かれた新聞記事が幾つか収められていた。

 

「監視……」

 

「ナイトアイ事務所は、今秘密の捜査中なんだよ」

 

 秘密の捜査……クライムヒーローの推理パートが始まったみたいだと、こちらに見やすいように向きを変えたファイルに目を通し、その男の写真を凝視する。

 

 時代錯誤な、ハロウィン仮装でしか見た事無いペストマスクを付けた、ピシッとしたシャツにネクタイをつけた青年……異様な雰囲気を醸し出していた。

 

「死穢八斎會という、小さな指定ヴィラン団体……ここの若頭、所謂ナンバー2である治崎という男が妙な動きを見せ始めた、ペストマスクがトレードマークだ……」

 

 指定ヴィラン団体……昔は『指定暴力団』と呼び名が違ったが、今は一緒くたにされているんだなと、写真の治崎を手に取って眺め、緑谷はしっかり顔を覚えた。

 

 そして……たしかこの死穢八斎會とやらはと、かつて記事を見たようなと緑谷は記憶の図書館から掘り起こそうとしたが忘れてしまっており、ふと同じく切り抜かれたスクラップ記事の一つに目がいき、それを読んであっと思い出した。

 

「思い出した……確か2年前、折寺の開発区の利権騒動で揉めたとかでガサ入れが入って大解体された!」

 

「よく知ってるな緑谷……所謂レッドライン事件の主犯格とされたが、証拠不十分として釈放されたのがこの治崎だ、死穢八斎會は元々山川会というヴィラン団体の二次団体で……その山川会の本家が抗争を起こし一斉検挙、解体された後生き残ったのがここだ」

 

 緑谷が記事から思い出して、鮮明に思い出す。一時期下校路の指定があって、ヒーローが毎日変わる変わる飛び交う騒がしい期間があったと。ナイトアイはよく知っているなと関心する。

 

「その治崎って奴は、大解体されてから散った連中をまた集め始めてる……最近は、あのヴィラン連合とも接触を図ったわ……顛末は不明だけど」

 

「ヴィラン連合……あれで生きていたなんて……」

 

「へ?」

 

「どういうことだい、緑谷くん?」

 

「あ、いや……ほら、怨霊忍者に倒されたとワイドショーでやってたから……」

 

 最後に会ったのは、それこそ自らが神野で怨霊忍者に扮して爆豪を助けた際で、死柄木含め女子高生のヴィラン以外全員、誰かに治療して貰わねばならない大怪我にしてやったから、まだ生きていたのかと口が滑り、バブルガールとミリオから首を傾げられた。

 

 ナイトアイは咳を一つして、話を元に戻そうと語りだす。

 

「ただ、奴が何か悪事を企んでいるという証拠を掴めない、そのために八斎會は黒に近いグレー……ヴィラン扱いができない、我がナイトアイ事務所が狙うのは奴らの尻尾……私はバブルガールと、緑谷はミリオと組み、パトロールと監視を今回は行う……くれぐれも気取られないように」

 

「「「イエッサー!!」」」

 

 その指示を受けた緑谷、そして先輩であるミリオ、バブルガールもい一斉に了解の声を上げた。




セキアカ独自設定解説

・レッドライン事件
緑谷がオールマイトに出会う前、折寺区域の開発区の利権に介入した当時の指定ヴィラン団体『山川会』と地元に根を張っていたヴィランとの抗争で、日夜ヒーローが出っ張ってくる大事件となった。

その後、山川会幹部は一斉検挙され、大解体。抗争に参加していたとされる、当時山川会二次団体の死穢八斎會若頭、治崎も一時検挙されたが証拠不十分で釈放された。

 一説では、治崎が絵を描いていたらしく、大解体後の死穢八斎會は、山川会の全てを手中に収めたとか……。
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