※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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181話 めちゃくちゃな一日

インターン初日を終えた翌日、緑谷は授業に身が入らなかった。治崎の娘であるエリのその後が心配でならない、両手の指を組み机に肘をついて顎を支えて、考える。

 

 自分は、プロヒーローとして正しい選択はできた。サー・ナイトアイは厳しくも、その感情を汲んでくれてよく耐えたと言ってくれた。

 

 けれども、やはりあの時、無理矢理にでも保護して事情を聞けばよかったのではと思ってしまう。

 

「な、なぁ……緑谷ぁ、大丈夫か?」

 

「あ?」

 

「ひ!?」

 

 心配から声をかけてくれた峰田に、ぴりついて返事をしてしまった自分にはっ、として緑谷は取り繕う。

 

「ご、ごめん峰田くん……ちょっと、インターンでさ、色々あって」

 

「そうなのか、何か……失敗したのか?」

 

「いや、上手く行ったよ、けど……色々と考えさせられてね?当たり散らした感じになった、ごめん」

 

 にっこり、緑谷は笑った。こちらをみる峰田の双眸へ微かに映った自分の笑顔の、何と酷い事かと、緑谷はため息をついた。八つ当たりになったと峰田に謝った、峰田はその雰囲気に気圧されて、これ以上踏み込むのは駄目だと感じて、席に戻った。

 

 そういえば……麗日さんと蛙吹さん、切島くんの姿が無いなと、もうすぐ一限目が始まる間際になってやっと気付く。確か、3人もインターンの指名があって公欠とかだったかと、緑谷は空席を見つめた。

 

 今日も、授業が始まるーー。

 

 

 

「大丈夫か、緑谷少年?」

 

 そうオールマイトから声をかけられたのは、今日の授業を全て終えて、寮に帰る間際だった。

 

「オールマイト……」

 

「聞いたよ、今日の授業と訓練も、まるで変わり果てたみたいに集中できてなかったって……」

 

「えーっと……」

 

 それだけ酷かったのは事実だ、座学では先生に上の空を注意され、水難訓練で溺れかけ、相澤先生と13号先生が驚くはクラスメイトも心配するくらいに酷い有様…‥普段から真面目に頑張る少年がズタズタで散々な内容を見せれば、噂にもなって彼の耳にも入ったというわけだ。

 

「少し歩こう……インターンで何かあったのだろう、話してくれ」

 

「すいません、手を煩わせて」

 

「いいんだよ、私は教師だからね」

 

 迷惑をかけてしまった、申し訳なくする緑谷に、オールマイトはにっこり笑って気にするなと言う。この人は引退して痩せ細った姿を見せても笑顔の力強さは変わらないなと、今日ようやく緑谷は普段の笑顔を浮かべる事ができた。

 

「それで……何かあったのだろう?」

 

「……プロとして、正しい事はできたと、サーからは褒めてくれました……あ、大丈夫かなこれ、一応仕事で、秘密捜査だし……」

 

「私とサーの仲もある、なに、決して口外しないさ、暈してかまわない」

 

 

 

 相談前に業務上の守秘義務がと思ったが、口外しないし暈しても構わないからとフォローも貰ってしまう。歩きながら、緑谷は昨日のインターン、その時出会ったエリという少女、その時の行動によって彼女が今も虐待を受けているのではと話す。

 

「成る程……確かに、少し前のキミなら構わず助けただろうな、無茶をして……だがインターンの身である事を理解し、サーへの迷惑と捜査も考え我慢できた……しかしその助けられなかった無念があると」

 

「はい……傲慢な話をしますが、今思えば無理矢理にでもと……」

 

「難しい話だね、君の思いも正しく、そして社会規範、プロヒーローとしてキミは正しい選択をした……どちらも正しいのぶつかり合いか……」

 

 ヒーローとしての思いも、キミが考えて耐えた事も正しい事だとオールマイトはまず、間違いは無かったのだと諭した。

 

「サーには考えがあるのだろう、一網打尽にして片付け、そしてその、エリちゃんを救う手立てがね?キミはその時にしっかり、今の無念の部分を晴らすくらい頑張れば良い」

 

「わかりました……今は、耐える時と……」

 

 今は耐えねばならない、しかし今の感じた無念を力に変えて、もしもその時が来たならば彼女を助けてあげなさいとオールマイトは言う。理解したという緑谷、割り切るにはまだ難しいが、少し楽になったと感じた矢先……ふと、オールマイトの服装に目が行った。

 

「あれ?そう言えば……どうしてヒーロースーツを?」

 

 そう、シャツと長ズボンのラフな格好から、ダボダボのヒーロースーツを着込んでいたのだ。それにすら緑谷は今更になって気づいたのである。

 

「今気付いたあたり、余程こたえてたみたいだね?今私ね、ランニングをしてるのさ、まぁ鍛え直してるんだ……」

 

 鍛え直す?その言葉に、まさかと緑谷は声をあげた。

 

「復帰なさるんですか!?」

 

「いやいや流石にね、もうOFAのマッスルフォームを維持して戦えるのは……10秒が限界さ、けど……キミにOFAの欠片が移ってから体の調子が良くなったのもあるから、いざという時の為に、とね?」

 

 ちょっと期待した緑谷だったが、流石に無理だとオールマイトが笑う。しかし、体の調子が良くなってぐーたらするわけではない、いざという時、少しでも自分の力が助けになるならばと。オールマイトは折れかけの牙をまだ研いでいるのだ。

 

「引退しても……まだヒーローなんですねオールマイトは……」

 

「サーからはいい加減休めと言われたがね……」

 

 それはそうだろうなと、苦笑するオールマイトに緑谷も笑った、自分だってそう言うだろうさと思った中で、ふと気付いてしまう。

 

「あの……まさか、サーとのコンビ解消の理由って」

 

「聡いなキミは……ああ、6年前の……AFOの戦いが原因さ」 

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