【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「イレイザー、戻ったぜ?」
「うちの生徒が迷惑かけたな、タカカズ」
会議はすでに終わっていたらしい、待合スペースの椅子には今日集められた雄英インターン生、そして相澤先生……今はイレイザーヘッドが集まっていた。迷惑を掛けたとタカカズに、相澤が軽く頭を下げてから……切島に麗日、蛙吹達クラスメイトが、戻った緑谷に心配の声を掛ける。
「大丈夫なん?出久くん……」
「吐くほど追い詰められてたなんて……」
「お前が思い詰めた理由……今更やっと分かっちまって……余計辛いよな」
皆の励ましが、吐き散らしてスッキリした胸に沁みた。頷くだけだが応答した緑谷に、通形が立ち上がって話す。
「緑谷くん、サーは……エリちゃんの所在を明らかにする為に各地の死穢八斎會の拠点を、集めたヒーローに協力して貰って探す事になったよ、僕たちが動くのはそれからになる」
「そうですか……断定、できてないんですね」
「けど、それからだ、今度こそは必ず……エリちゃんを保護しよう」
「はい」
各地の地方ヒーローまで集められた理由がそれかと、緑谷は理解した。エリちゃんが見つかったその時、自分たちヒーローが動き、必ず彼女を助けようとミリオに促されて緑谷は返事をした。
「いやしかし……本当はな、今日はキミらのインターン中止を提言する予定だったんだがなぁ……」
「え?」
決意表明のところ悪いが、と相澤先生は相変わらずの疲れ眼で呟き、緑谷は振り返った。これには切島も立ち上がった。
「今更なんで!?」
「ヴィラン連合が関わってくる可能性があると聞いたろ、話は変わってくる……」
妥当である、学生の、仮免許の範疇を超える作戦になりかねない。度々雄英はヴィラン連合にしてやられたのだから……それを聞いた緑谷の眼差しを見た相澤は、深くため息を吐いた。
「が……俺がそれを提言したら緑谷……お前は雄英に退学届出して、ヴィジランテになっても飛び出していきそうなのが見て取れた……心理的にも、お前は止めるより参加した方が安定するのも分かってしまう」
その提言をすれば、緑谷は止められなくなるとも感じた。仮にお前の今の精神状況で止めれば逆に余計引きずるのも分かってしまうと。
「以前の決闘沙汰、手口はどうあれお前は正規の手続きや手段、方法を踏んで解決しようとは見せてくれた、サーとのインターンで思い詰めるほど苦しい選択をして正しくあろうとしたお前に、俺は応えてやりたいと思う……」
相澤先生は、軽く拳を握り緑谷の胸板に押し付けた。
「俺が見といてやる、だから……その時が来たらお前は、正規の範囲内で存分に力を振るえ緑谷……いいな問題児?」
「はい……」
先生からの許しと叱咤激励が籠った手、それをゆっくりと掴んで握って返事をする。その手を抜き去りまた開き、相澤先生は緑谷に話した。
「気休めを言う……振り払ってしまったその手は……エリちゃんにとって必ずしも絶望だったとは限らない……前向いて行こう」
その言葉を聞いて、緑谷の消えかけた心に火がついた。まるでぶちまけたガソリンにライターを投げたように一気に燃え上がり、下がっていた体温が平常まで戻るほど血流が早まった。
「緑谷くん、今度こそ……必ず!」
立ち上がった通形の言葉に、緑谷は頷いた。
「ええ、必ず……エリちゃんを救う!」
もう、腐りかけて弱っていた緑谷の姿はそこには無い、ようやく吹っ切れた緑谷が、決意をしたと同時にーー。
グゥううう〜〜〜
「あ……えっと……最近あまり食べてなくて、さっき吐いたし……」
数日分の消え失せた食欲全部が、ここに来たらしい、凄まじい腹の音が響き、流石に相澤先生含めて全員が笑いそうになるのを必死に耐えた。
「ケロ……すごい音ね……」
「お腹すいてるのも感じる余裕なかったんやね、出久くん」
「っしゃぁ!景気付けに帰りは牛丼にしようぜ!!」
「とりあえず……腹の中パンパンはやめときな?6分目くらいから慣らして食事を取るんだ、緑谷くん、ゼリー飲料とかからゆっくりとな?」
兎にも角にも、腹が減ってはと言うやつだ、会議を終えた雄英インターン組と相澤先生、そしてタカカズは、近場の牛丼屋で食事をしてから解散するのであった。