【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『当時を振り返ると……幸運でしたね、取り押さえられた程度で、はい』
当時、死穢八斎會のヒーロー突入の際、同組の舎弟として盃を貰っていた元組員の男は、ある記者に語った。
『あれ見てまた悪事働こうとか、思いませんでしたよ……いや、ヒーローがまず、個性抜きにショットガンぶっ放して来て、容赦なく引き金を作業みたいに引いて来ましたからね?』
当時の彼は、死穢八斎會の舎弟、ヒーローのガサ入れの抵抗を命じられた1人であったらしいが、あの時の『彼』を見て、釈放後はもう悪事を働く事などやめて、真面目に更生しようとしたらしい。
『私?私は警察に取り押さえられてました……はい、アレで当時まだ雄英一年って後で知って……もうヤクザやるとか、ヴィランとかなれないと思いましたよ、今は雑誌の仕事で普通に働いてて……はい、墨を消す手術代稼いでます』
警察に取り押さえられて怪我はなかった、幸いであったと彼は胸を撫で下ろしていた。
『何人かは……後遺症残るとか、傷跡とか、酷いやつは二度とまともに動けなくされたみたいでした……若頭は……死んだほうがマシな状態で生かされているとか……うちも顔を売る以上は、言えないんですよね……』
何故なら、当時同じ組員達が、場合によっては無惨な姿にされてしまったから、まだ自分はマシであったのだと目の前で理解してしまったのだ。次にまた、悪事を働いて『彼』にあったら、自分がその番になる、だからもう真っ当になろうと彼は更生の道を歩み出したと言う。
『はい……兎に角……イーヴルヒーローイズクは、今も恐怖の象徴として、平和の象徴ルミリオンと並ぶヒーローとして畏れられているし、その始まりがこの事件だったのかなと思ってます……え?彼が、ヴィランっぽい見た目ヒーローランキングを三年連続一位に入って殿堂入り?まだプロヒーロー4年目でしたよね……こーわっ……』
元死穢八斎會組員、現在ヒーロー雑誌『リアルヒーロー』ライターBさんのインタビュー。
“彼はヒーローか?ヴィランか?賛否両論のイーヴルヒーローイズク大全、関係者及び目撃者インタビュー集”より抜粋。
午前8:00……警察署前ーー。
此度の救出作戦前に、ヒーローと警察が連携と作戦確認の為に集合していた。
エリちゃんの居場所は死穢八斎會本部敷地内、未届の地下施設……サー・ナイトアイが予知で見た男が歩いたルートが、その最短ルートとなっている。
隠蔽や逃走を防ぐ為、そのルートを叩き込み、構成員の個性を把握して即時対応が出来るようにと、ヒーロー達に資料が渡された。無論、インターンとして参加する緑谷達にも渡される。
「プロはみんな落ち着いてんなぁ……慣れか!?」
資料に目を通す緑谷の側で、そわそわする切島に、目線を向けずに緑谷は返答した。
「だろうね……こればかりは経験値が僕ら仮免取り立てとプロじゃあ全く違う……」
「てか、緑谷も落ち着いてるじゃねぇか……」
そう言う緑谷も落ち着き払ってるじゃないか、蛙吹に麗日も緊張しているのにと、何故そう落ち着きがと切島が聞けば、緑谷は答える。
「落ち着いてるんじゃあないよ……」
「え?」
「静かに、怒ってるんだよ……至らない自分、助けられなかった自分、そして治崎にね……」
肩に携えたショットガン型ガジェットを抱きしめ、冷たい眼差しに変わる緑谷に切島は後ずさった。が、すぐいつもの眼差しに切り替わり今更ながら緑谷は気付いた。
「あれ?師匠が、グラントリノが来てない?」
師であるグラントリノの姿が見えないと気づいた緑谷、それに答えたのはナイトアイであった。
「あの人は来られなくなったそうだ」
「えっ?」
唐突であった、一体何があったのかと尋ねる前に此度の作戦にて警察側の代表が続いて話した。
「塚内が行っている連合の件に、大きな動きがあったみたいでな……だがまぁ、こちらも人手は十分、支障は無い」
塚内……オールマイトと仲のいい警察の方だったか?何度か見たことがあるなと思い返す中で、切島が笑って言う。
「八斎會とヴィラン連合、一気に捕まったりしてな!」
「ああ……そうしよう、絶対……誰一人逃がさない」
師匠が別件に向かった、ならば自分はこちらで必ず成果を上げようと気合いを入れる緑谷。
「おい」
「あ、はい、せんせ……イレイザーヘッド」
ヒーロー活動中はヒーロー名をと、忘れそうになりながら緑谷は相澤先生こと、イレイザーヘッドに返事をする。
「俺はナイトアイ事務所と動く……一つだけ、お前に言っとく……俺が見といてやる、だから……存分にやれ、危うかったら止めてやる」
その言葉を、待っていた。緑谷はいよいよ、コッキングレバーを引いてそれを返事替わりとした。
AM.8:09……ヒーロー、警察合同部隊、死穢八斎會へ進行開始。