【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「きみたちの力は、人を傷つけるためにあるのでは無い、助けるためにあるのだと、心得て帰ってくださいな」
レスキュー訓練担当となる先生、スペースヒーロー『13号』が、1-A生徒にそう語った。緑谷出久はその言葉を聞いて、右手を眺め考える。
レスキューヒーロー……人命重視のヒーロー達は災害にいち早く駆けつけ、人の命を守り、救う英雄だ。自分とは、全くもって正反対の人達。
13号先生の個性『ブラックホール』は、どんな物も吸い込んでチリにする。その個性で、どんな災害からも人を救う。ただし、裏を返せばそれは、人すらチリに変える危険な個性だ。
けれど……応用が効く、毒が転じて薬になるように、使い方の違いで彼女はレスキューヒーローとなっている。
緑谷出久の個性『脊髄ぶっこ抜き』には、応用が無い。ただ、人を傷つけ殺すしかできない無慈悲なる能力……こんな個性で人は救えない。
理解しているからこそ口惜しい、自分は一生……人を助ける事はできないだろうなという諦観が包み、こればかりは否定できない。
相澤先生は緑谷に言った『その個性がただの人殺しの力になるか、人を救う力になるかは、お前に掛かっている』と……しかして、こんな個性で人をどう助けたらいいのか分かりませんと、今回の授業で13号先生と指導する相澤先生を見たが、その眼差しはまるで『お前が見つけなければ意味が無い』と厳しかった。
バスの中で、個性を暴露しても信じてもらえなかった出久は、こんな時にはオールマイトは諦めないと言い聞かせ立ち直ろうとしたができなかった。
やるだけやろう……それから、また相澤先生にもオールマイトにも相談してみようとため息混じりに考えた矢先……。
「!!」
「一塊になって動くな!」
出久が『悪意』と『殺意』に気付いたのと、相澤消太がそう叫んだのはほぼ同時だった。
その視線の先に…….渦巻く暗黒の闇がシミの様に広がって、そこから現れたのは『悪意』
「なんだアリャ!?また入試ン時みたいなもう始まってんぞパターン?」
「動くな!あれは……敵だ!」
呑気に眺める切島に叱咤を入れるような相澤先生の声、平和の象徴を殺せと、無慈悲なる悪意が流れ込んでくる!
「どこだよ……せっかくこんなに大衆を連れて来……うん?」
その首魁らしき、身体中に手首を纏った前衛的アートの敵が、台詞を言おうとして止まり……確かに出久を見た。そして……。
「はぁ?なぁんでヴィランが生徒と居るんだぁ?」
それを聞いた緑谷出久は、プッツンと怒りの琴線が切れた。
「誰がヴィランだ!ちゃんと試験受けて合格したヒーローの卵だ僕は!!」
と、言い返した。しかし……。
「出久くん、その格好でヒーローは……やっぱ無理あるよ」
「「「「どーかん」」」」
麗日お茶子に、そのコスチュームは無理だと言われ、クラス一同に頷かれた。
「……ここ切り抜けたら新しい戦闘服の申請出しとけ、緑谷」
相澤先生にも言われ、緑谷は崩壊した。