※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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197話 いや、勘の一言で全て覆るとかありかよ!?

「くそっ逃げ足の速い……イレイザーヘッド、僕は治崎達を追います、ちょうど今あの2人が逃げた道がその方角なので!」

 

「……分かった、無理はするなよ」

 

 トガヒミコとマグネが逃げ去った道が、奇しくも治崎が逃げている方角と同じ。緑谷は弾薬を次々ガジェットに詰め込み、後の残弾を確認しながら自分が追うと相沢に進言した。

 

 血を流すロックロックの傷跡を止血し、今の自分の個性『抹消』が、警察やナイトアイから離れるのをまずいと、合理的判断からすれば緑谷を行かせた方がまだいいと断じて、相澤は緑谷が1人行く事を許した。

 

「はい!」

 

 無理をするな、その一言守れないかもしれないと、再び緑谷はトガ達が逃げ、さらには治崎の本物か偽物かは分からないが、兎も角追いつくために走った。

 

 入中の個性、擬態が及んでないのか……道は一直線で、そろそろ逃げたトガやマグネの背中が見えていい頃合いの筈と、それくらい走った所でーー。

 

「居た!?」

 

 そこに見えた背中、見間違える筈も無い。

 

 ヴィラン名『オーバーホール』

 

 本名、治崎廻が悠々とエリちゃんを連れて歩いていたのだから。あの一本道で、トガとマグネがどこ行ったかなぞ知った事かと、緑谷はさらにスピードを上げ走り幅跳びの要領で跳躍。

 

 さらに天井を引っ張って勢いをつけて等速直線で飛びーー。

 

「逃すかぁああああ!!」

 

 治崎の後頭部を、思い切り右脛で蹴り抜けばーー。ボンッ!!と、その頭部が破裂した。

 

 着地して振り返る緑谷、首を失った治崎、いやオーバーホールは……泥となって崩れ落ちた。そして、手を引いていたエリちゃんも、表情は呆けていて、そのままこてんと転んで汚泥に形を崩していった。

 

「偽物……じゃあ、ルミリオンの方が!!」

 

 こっちが偽物か!ならば戻って再び合流だ!今日走ってばっかりだと、緑谷はまた来た道を戻ろうとしたがーー。

 

「あーちょい待てプリンス!そっちに治崎は居ないよ」

 

「!?」

 

 その後戻りを静止する声が聞こえた。すると、奥の方からコツコツと歩いて来たのは、仮面にシルクハットを着た男であった。その男も緑谷は知っているし、覚えている。

 

 神野で、自らが怨霊忍者スコーピオンとなり、爆豪を助けた際最初に頭蓋を踏み潰してやったヴィラン!

 

「Mr.コンプレス!!」

 

「お!嬉しいなプリンス、おじさんの事もちゃんと頭に、あ!待って撃つなよ!?」

 

 撃たない道理があるのかよと、ガジェットを向ける緑谷に待ったと静止をするコンプレス。そのまま、手があたらないぎりぎりまで近づき、緑谷は言った。

 

「その口ぶり、治崎の、オーバーホールの居場所か逃げた方角を知ってるな!言え!!言ったらぶちのめして豚箱に叩き込んでやる!!言わなくても身体の骨を全て砕いてすりつぶしてでも言わせて、豚箱に叩き込む!!」

 

「おじさんどの道ぶちのめされるのね!?オーケー、落ち着こうぜプリンス!な?言うから、死柄木からもそうして来いって言われてるからさ?」

 

「死柄木がーー?」

 

 治崎の居場所を吐くか吐かないか、知っているなら言え、言わなくともぶちのめして吐かせてやると興奮気味な緑谷に、まぁ落ち着いて聞いてほしいと、死柄木の名前を出して、緑谷へコンプレスは話した。

 

「治崎はここには居ない!反対側も、うちのトゥワイスの泥人形さ!数分前に治崎は地上に出てる!プリンス、キミは研究室のカメラ映像見て来たんだろ?」

 

「なっ……え?」

 

 敵の言葉である。信じられる筈がない、しかし……今の泥になった治崎の偽物と、エリちゃんの偽物……そして監視カメラの話……必死になだめにくるコンプレスに、警戒こそ解かなかったが話は続いた。

 

「タッチの差だよ、お前ら運が悪かったんだ、治崎は……お前らがガサ入れに踏み入る数分前に、危機を感じて逃走準備してたのさ、今は最奥のエレベーターから地上に出て、車で逃走の準備してるだろうさ」

 

「そ……んな……」

 

 そんな馬鹿な……そんな事があるのかと、緑谷は身体の熱が消え去るのを感じ、ガジェットを下ろした。

 

「気に病むなよ、言っとくが……お前らヒーローは万事しっかりと準備できてた、ただ……裏稼業でこっそり生きてた化石のヤクザ連中だ、そんな危機には敏感だったのさ」

 

 お前らはうまくやっていた、完璧であった。しかして、治崎の……勘一つでタッチの差でもう逃げつつあるとコンプレスに聞かされた緑谷は、また怒りが沸き立つ感覚に歯を食いしばる。

 

「それを聞かせて……どうするつもりだ!!答えろ!!」

 

 怒りのままに、ガジェットを構える緑谷。そこにまた一つ、声が響く。

 

「協力してやるよヒーロー、治崎の逃げる場所と乗る車……今から間に合う道を案内してやる」

 

 コンプレスの背後からまた、足音が響く。そして……その姿に緑谷はさらに怒りを露わにした。

 

「死柄木弔ぁ……天下のヴィラン連合が、化石ヤクザの尻舐めてたのかよ!」

 

「ああ、お前にやられたおかげでな?だが……案外気持ちいいぜ?」

 

 ヴィラン連合の首魁、死柄木弔が……三度緑谷出久の前に姿を現したのだった。

 

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