【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「協力だと……死柄木弔、お前はこうも考えなかったのか?」
緑谷は身体から紫の稲妻を迸らせ、苛立ちながら言い放つ。
「ここでお前達を僕が泣き入れるまでぶちのめして、居場所を吐かせる事とかさぁ?」
敵と自分が協力するとでも、お前らをぶちのめしてから居場所吐かせて、それからでも治崎の元へ行けばことは済むんだよと、その不遜な言葉にMr.コンプレスは後ずさる。
が、死柄木は笑った。
「いいや、緑谷出久、それはできない……お前はその選択肢を選びやしない」
それは無理な話だと一笑に付す、もはや衝突は免れない雰囲気の中、死柄木は言い放った。
「何故なら、お前はヒーローだからだ、俺たちをぶちのめす時間、この話の時間すら無駄、お前の……ヒーローの役目は人を助けるのが一番の責務だからだ……エリとか言う子どもを助けたいんだろ?」
緑谷の稲妻がピタリと止まった、ガジェットを下ろして背中にしまい、舌打ちをして緑谷は死柄木を睨みつけ、にやりとその行動に対して笑みを死柄木は見せる。
「おいおい、これから助けを待つ子の元へ行くのにその表情はやめろよ、笑えよヒーロー?ほら、こうやってさぁ?」
左右の親指で、自らの頬を持ち上げる仕草を見せる死柄木に緑谷は問うた。
「ヴィランめ……死柄木、お前どう言うつもりだ?」
自分を助けて、メリットがあるのか?死穢八斎會と協力関係じゃあないのかよと、そんな意味合い全て込めて尋ねると、あっさりと言い返す。
「治療費分はケツ舐めたって事さ、別に杯交わしたわけでもない……俺からすればここで死穢八斎會もヒーローも、共倒れてくれたら万々歳だ、ついでにお前もくたばれば……なおよしだ」
そうして死柄木は壁にもたれかかり、親指で自分が現れたさらに奥を指差した。
「治崎は奥のエレベーターで地上に上がった、行けよヒーロー?黒塗りのスポーツカー、番号は10-39すぐに分かる」
うわこいつ、この会話を時間稼ぎにしやがった。ぶちのめしたら追いつけたかもしれないじゃないかと、狡猾にこちらを足止めしてきた事を今更理解して、緑谷の苛立ちは募る。
「覚えとけよ、次会ったら脊髄ぶっこ抜いてやるからな」
「それがヒーローの台詞かよ」
緑谷は悪態を吐いて、奥のエレベーターに向かう。その背中を見て死柄木は、首を少し掻くと、一息吐いてコンプレスに言った。
「さて……俺たちも出るか、この地下が爆破で崩落する前に」
ーー同刻、ルミリオンの向かった方角ーー
ミリオは冷や汗を流し、地面に広がる汚泥と、打ち倒した2人の死穢八斎會鉄砲玉を見て言い放った。
「キミたちは……キミたちはそれでいいのか!?治崎はキミたちを物のように切り捨てて、1人逃げたんだぞ!」
打ち倒した死穢八斎會、鉄砲玉『八斎衆』の2人、音本真と酒木泥泥に言い放つ。2人から聞かされた、この後起こりうる事態と、その為に捨て駒とされた2人は、口々に言った。
「べぇつにいいさ、鉄砲玉ってのはその為の役職だしなぁ?まぁ、最後の酒にお高いの貰えたからさぁ、ああうめぇよ……うんめぇえ」
「私を……本音で必要としてくれた男が……死んでくれと、命が欲しいと言ってくれたんだ……理想のために……これほど嬉しい事は無い……」
片や諦観、片や狂信。治崎に対する思いに違いはあれど、鉄砲玉という命を弾丸として敵を討つ役を任された。
「これで、何人……ヒーローが死ぬかな……さぁ一緒に地獄まで引き摺り込んでやるよ……」
音本真が、スマホを操作した。
そして……アナウンスが響き渡る。
ーー爆破電源が作動しました、1分後に地下を爆破しますーー