※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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204話 象徴の鎧 漆黒

エレベーターは上がっていく……上へ、上へ、やがて屋上を示すRに光が灯り、扉は開いた。目の前の光景を見て、緑谷の顔は歪んだ。

 

「遅かったなヒーロー気取り、お前の仲間はそのザマだ」

 

 コスチュームが破れ、彼方此方に傷を作り、床から現れたコンクリートの棘が、致命傷では無いとはいえ、あちこちを抉り、貫いている。

 

「ヒーローは大変だな、守るものがあると……エリを守りながら戦うと言う枷は、確実にこの男を窮地に追いこんだ……」

 

 通形ミリオ、ヒーロー名『ルミリオン』の個性『透過』は、無敵の個性だ。大きなデメリットは、彼が積み上げた研鑽がそれを気にしない程に上回った。

 

 しかし……弱点は存在する。

 

 ヒーローは、無力な人々を守る盾。だからこそ、こうして人質や要救助者を守るため、その身を盾にしなければならない。

 

 ルミリオンはエリちゃんを決して傷つけさせない様に立ち回れば、自分の命を削ってでも身を挺して庇うだろう。決して彼は、助ける人を見捨てやしないから。

 

「イズク……す、すまない……」

 

「ルミリオン……先輩、貴方は最高のヒーローだ、ナイトアイがオールマイトの継承者として見出した人だよ」

 

 分かった……そうだ……緑谷出久は理解した。僕は……いや、俺は……こんな真っ当な光り輝くヒーローが、どうしようもないくらいに追い詰められた時に。

 

 光照らす象徴ですら、晴らせない闇を飲み込む為に、自分が居るのだと、この日この場所で理解した。

 

 目を開いて泣いているエリちゃんに、緑谷は自らの目を指さして、今度は自分で言った。

 

「ごめんねエリちゃん、ここから先はR-18G指定だからさ?もうしばらく目を閉じててほしい、あと耳も塞いで……ね?」

 

 笑顔、できてるかな?ああまだ練習が必要だな。やはりルミリオンや、オールマイトのようにはまだいかないか。

 

 けれども……ああ……沸々と怒りだけは湧き上がる。

 

「オーバーホール……組長に託された女の子を切り刻み、あまつさえそこから作った弾丸で、金を稼ごうと言う悪行!!」

 

 怒りが抑えきれない……こいつらだけは許してなるものか!!その感情がいよいよ臨界点を超えたその瞬間ーー。

 

 

 

「断じてゆ゙る゙ざん゙!!」

 

 

 

 不思議な事が……起こった!!

 

 

 

「何だ……それは!?」

 

 オーバーホールですら、その事態に理解が追いつかない。緑谷の腰に蠢く触手が、形を作り上げ!何かを作り出していく!緑谷もまた理解が一瞬できなかったが、その物体が、ベルトが鳴らす音を聞いて理解する!

 

 

 

I'm Here!!I'm Here!!I'm Here!!

 

 

 

 出来上がったそのベルト、そして体の奥底から湧き上がる怒りの感情が、今!その時であるとイーヴルヒーロー・イズクに告げる!!

 

『変身ポーズは……こうだったよなぁ!!』

 

 両手を力一杯、怒りの力で握りしめる!!ミシミシと骨が軋むくらいに!そのまま一度振りかぶり!左腕を対角線へビシリと伸ばし!!ゆっくりと頭上でアーチを描いて!!

 

 

 

「変……身!!」

 

 

 

 ベルトから鳴る、不気味な機械音。ディスクの読み取りか、はたまた機械の吸気なような音を鳴らして、赤くベルトが輝き出し……緑谷出久の身体に黒の不気味な生物じみた甲殻が纏わりつき始める。

 

 それは、あまりにも歪な姿。左右の腕には蟷螂のような鋸刃が生えて、踵や膝には鋭い棘が……額のV字の触覚は、オールマイトを模したにしてはおぞましい!!

 

イーヴルヒーロー・イズク

 

『象徴の鎧 漆黒』

 

 装着……完了!!

 

 残り制限時間……99.9秒!!

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