※この作品はR-18です。

【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】   作:ぶっこ抜きデク

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207話 増殖してしまったベルト

 逃げ延びたイズクとルミリオン、そしてエリは、その廃ビルのあった場所に現れた存在を見上げるしかできなかった。

 

 その肉塊を、形容するものがこの世に果たして存在するのか……人体組織が露出し、無理矢理に繋がり、融け合うなどとは決して言えぬグロテスクな全容。顔面が、腕が、足が、ある場所には肉体そのものが癒着して無理矢理張り付いて、幾つもの臓器が脈打ち蠢いていた。

 

「個性で、チンピラ達を破壊して自らに取り込んだのか?分解して再生できるなら、自らに異物を取り込んで、融合するなんて……」

 

「いくらなんでも巨大すぎるよね!?質量保存の法則から明らかに逸脱してる!」

 

 蠢く『オーバーホールの肉塊』は廃ビルの代わりに直立していた……が、その肉塊が蠢き、幾つもの肉触手が生えてきて、鋭利な形に切り替わると……それが一斉にイズクとルミリオン、エリ達に襲いかかる!!

 

「うわぁああ!?」

 

「くぅうう!!」

 

「きゃあああ!!」

 

 エリを抱えたまま飛び跳ねるルミリオンと、転がって回避するイズク!さらにそれを触腕はコンクリートの路面を軽々に抉り、また縮んでビルに戻っていった!

 

「くっそー!巨大化していいのは戦隊シリーズの怪人だけにしてよ!!」

 

「僕たちじゃ……対処のしようが無い!!」

 

 こんな巨大な化け物が突如現れるなんて、回避した二人はその理不尽へ流石に弱音が出てしまった。そしてさらに、二人に追い討ちをかける事実が判明する。

 

「うっ!?る、ルミリオン……この肉塊……ゆっくりですけど……動いてます!!」

 

「何だって!?」

 

 緩慢ながらこの肉塊は、確実に移動していた。つまり……さらなる被害があってもおかしくないという事になる!

 

 幸いなのは、この廃ビル近辺と他の建造物が離れている事だが……やがては他の建物や人々の攻撃に移ってもおかしくない。

 

 他のヒーローがいつ到着するか分からない中、二人のインターン生はこの窮地を満身創痍で耐え切るしかないのであった。

 

 万事休すか、ここまで来て……せっかくエリちゃんを助けたのにと歯を食いしばるイズクとルミリオン。

 

 その時ーー。エリが二人の背中を触って、叫んだ。

 

 

 

「負けないで!!ルミリオン!!イズク!!」

 

 

 

 瞬間ーー二人の肉体から疲労が、傷が、一気に消え去った。

 

「わぁあああああーー!?」

 

「うぉおぉぉおおおーー!?」

 

 高圧電流に感電したような衝撃!!二人してピーンと反射運動で直立し、そのままくったり弛緩してーー。

 

 

 

「フゥウルゥウ!パァワアーーー!!」

 

「はぁああーー!!完全復活だぁ!!」

 

 

 

 ギンギンに活力を漲らせ、二人はそれぞれ叫びを上げたのだった。イズクは紫色の雷を、ルミリオンは黄色の雷が身体を迸る!!

 

『バカめェエ!……えリのこせいは……せイギョがデェきなぃいい!!ソノまマみをユダねレば、やがテはたいジにもドり、ショうメつスルぞぉお!!』

 

 轟く唸り声で、肉塊となったオーバーホールに二人は身体が『巻き戻されている』事実を宣告される。発動すれば制御ができない!やがてその肉体は若返り続け行き着く先は受精卵、そして消滅するのだと。

 

『エりをわタセェェ!コロさネバ!キサまらはシヌのだぁあ!!ノロわれたちかラにぃいイい!!』

 

 止めるには、エリを一度殺すしか方法は無い。つまり、暴走の度に治崎はエリを分解して殺し、再生していたのだと二人は理解した。

 

 

 

「「それがどうしたオーバーホール!!」」

 

 

 

 だからどうした?それがどうした!イズクとルミリオンは二人同時に叫んだ。

 

「ならばその前に、僕たちがお前を叩きのめす!!細胞の欠片になろうとキサマをぶちのめす!!」

 

 たとえこの身体が、細胞の一片になろうと戦ってやるよと、イズクは指差し宣った。

 

「か弱い女の子の応援を受けて!!立ち上がらないのはヒーローじゃあない!!この身が滅びようと、お前だけは必ず倒す!!」

 

 願いの声援を受けて、立ち上がらないのはヒーローじゃないとルミリオンは言い切った!

 

『ビョうニンガァああ!!イジょウシャドモがぁあああぁアアァアア!!』

 

 最早、怪獣に成り果ててしまったオーバーホールが絶叫を上げる。緑谷は、仮にと考えた。

 

 今、エリちゃんによって『肉体の時間が巻き戻ったならば』と、目を閉じて腰元に意識を集中させた。そしてやはりと、その腰に現れたベルトは……先程の生物を思わせるようなデザインから、あの神野で、自分が巻いたベルトへとデザインが戻っていた。

 

 多分、エリちゃんのおかげだろう。巻き戻しの強大な力が、OFA.Mの力を最大にまで使っても、制限時間を巻き戻し続けているのだと理解した。

 

 そして安堵した……。

 

 実は……ベルトで変身してから緑谷は個性が、疲労困憊によって使えなくなっていたのだ!啖呵を切った内心はめちゃくちゃ焦っていたのであった。

 

「うわ、かっこいいなそれ!いいよなイズクは、変身できるんだからさ!!」

 

 ルミリオンが腰元に目線を落として、具現化したベルト『DXマイトドライバー』を見て、羨ましいとこんな状況で軽口を叩いたーーのだが。

 

 そんなイズクも、ルミリオンの腰に目線が向いていて、そして尋ねた。

 

「えっと……ルミリオン先輩?そんなベルトつけてましたっけ?」

 

「へ?」

 

 イズクの言葉に、ルミリオンは自らのコスチュームの腰に視線を移すとーー。

 

 イズクと同じ『DXマイトドライバー』が、何故か巻かれていたのだった。

 

「「なんか増えてるーーー!?」」

 

 まさかのまさか、ベルトは……二つあったのだった!!




セキアカヴィラン図鑑

・肉塊個性獣『レギオン・オーバーホール』

 オーバーホールこと『治崎廻』が『個性治癒薬』と共に『個性ブースト薬』『筋肥大薬』と様々なヤクをキメた上で、130人のチンピラと補佐である玄野を取り込んで変異した怪獣だぞ!!

 全長約30mで、マウントレディよりデカい!!けど、その肉塊から伸ばした触腕を操り叩きつけるしかできないんだ!!移動スピードもめちゃくちゃ遅いが、こんな巨体が侵攻するだけで被害は甚大だ!!

 ヤクをキメた反動と131人も取り込んで自我も崩壊し、制御もできずひたすら破壊するしかなくなった、悲しきヴィランである。
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