【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「えぇえっ!?なんか突然生えてきてるんだよね!!」
突如、通形ミリオことルミリオンの腰に現れたベルト。それは緑谷と同じ形をしていたと思ったのだが、ふとよく観察すると、微妙に違っていた。
オールマイトの前髪を模したV字の象りが、それぞれ片方ずつしかなかったのだ。神野でオールマイトをぶっこ抜いた時はそんな片割れみたいになってはいなかったが、緑谷はあっ!と即座に理解する!
「ルミリオン先輩それ!その尖ってる部分斜めにしてください!」
「こ、こうかい!?」
縦に直立した部分を、言われるがままに斜めにガチャリと動かした瞬間、ベルトが叫ぶ!
『ルミリオン!!』
やっぱりか!緑谷もベルトの直立した部分を斜めにガチャリと動かせば、同じ様にベルトが叫びを上げる!
『イーヴル!!』
互いのベルトが共鳴する様に叫びを上げると、ルミリオンの身体が自ずとイズクの身体に透過して重なる!
『ルミリオン!!イーヴル!!』
ベルトが再び叫びを上げれば、重なり合った二人は同時に叫んだ。
『「変身!!」』
その台詞と共に、ベルトは光り輝くや微粒子の光が付着して金色の鎧を作り上げる!右半分には黒のラインが走り、左半分には白のラインが走る鎧……しかし!その姿は紛れもなく、神野に現れたオールマイトの金色姿そのもの!!
象徴の大鎧 陰陽金色!!
融合装着完了!!
蠢く肉塊となり最早言葉も話せなくなったオーバーホールへ、左手をピストルのような形にして指差し宣告した。
『「さぁ、オーバーホール……お前の罪を数えろ!!」』
その輝かしい姿を見たエリは、呆けて目が離せなくなりつつも両手を祈るように握りーー変身して重なったルミリオンとイズクは、跳躍のためにぐぐぐと力を込めて屈み、肉塊に向かって一直線に跳躍した。
巨躯なる肉塊から、幾つもの触腕が、来るな来るなとばかりに襲いかかる、しかし!その全てが無意味とばかりに透過して空振りに終わった!
それどころかーーその触腕が通過してコンマ数秒の後に細切れとなって地面に落下する!
『「ファントムエッジ!!」』
イーヴルヒーロー・イズクの装備!アームブレードが不可視の刃となって触腕を切り裂いたのである!それでもなんとか近付かせまいと触腕が、次は閉じ込めようと集まって囲みにかかるが、そもそもの話透過して切り抜けてしまう!
『こんな巨大な怪物は、大概がコアみたいな弱点があるよね!』
意識の共有世界で、ミリオが緑谷にそう言えば、たしかにと緑谷は頷き方針が決まる!
『恐らく治崎が、あの群体の肉塊の中に居る!内側に入って見つけましょう!』
『了解!!』
即座に、そのプランで行こうと肉塊の中に透過して突貫した二人。その内部に入った瞬間ーーミリオからの意識が途切れた。
成る程、透過のデメリットは重なった相手が被るのか。肉塊の中の景色を見れているのは緑谷だけ、ならば自分が操作を肩代わりする必要があると、飛び回っているとーー。
見つけた、オーバーホールを!しかしーーその姿に緑谷は唖然とした。
それは……もはや人間の形を保っては居なかった。薬物の過剰摂取、それによる個性の暴走の果て、ぐったりとして腕も足も肉塊と肉体の境目を無くしていたのだ。まるで部屋のような空間に居たオーバーホールの前に立ち、緑谷が呟いた
『醜い姿だ……哀れになってくる』
『怖いね、ドラッグは……殺しちゃあだめだよイズク』
ルミリオンも透過を解いたらしい意識が繋がると、ヒーローとして彼も助けるべきだ、殺してはならないと確認はした。
『殺しませんよルミリオン……だって……あれだけの事をして、死んで終わりなんて僕は許さない』
緑谷も殺さないと断言する。それはヒーローの、不殺捕縛の決まりからではない、エリへの仕打ちを償うのに『死』だなんて甘えは許さないと言った。
両腕を十字架の様に組み、不可視の刃が煌めきを強め実体を露わにする!そして二人は共に叫んだ!!
『「罪・罰!断!ざぁあああああい!!だぁああああいせぇつだぁああああああん!!」』
断罪の十字架の斬撃が、オーバーホールを、肉塊を十字架に両断した。斬撃の軌跡は、肉塊の端から端まで届きーー四つの塊となって崩れ落ちると、次々と肉塊は解けて落下していく。
エリはその光景を見上げ、金色の光がゆっくりと落下しながら二つに分かれて地面へ降り立ったのを見つめた。
「終わったみたいだな……」
「何事かと思ったが……無事に帰ってきそうだ」
ようやく到着したタカカズは、ドハッテンから出てその光を見送り、合流して同乗したイレイザーヘッドこと相澤も、話は後だとため息を吐いて、緑谷達の元へ向かう。
「私の予知というのも、こうも当てにならないとなれば……やはり詰めのダメ押しにしか使えんのかもしれないな」
後部座席から出てきたサー・ナイトアイが、その光景を見てため息を吐いた。
「あんた、もしかしてどっちかの未来を見たのかい?」
その様子だと、全く違う結末だったかとドアに身体を預けながらタカカズはナイトアイに尋ねた。
「ああ、あの小僧……イズクの未来を見た……酷いものさ、エリを助けたのは変わらないが、仮免許を捨ててしらみつぶしに死穢八斎會を皆殺しにしていたよ」
「はっはっは!随分と物騒な未来から、ここまで変わったなら万々歳じゃないか!オールマイトの居なくなったこの先も、心配する事無いって事じゃあないの」
そう言ってタカカズは、常備しているのか、後部座席の座椅子部分を持ち上げ、クーラーボックスがそこから出て来ると、中の缶コーヒーを二つ取り、一つをナイトアイに投げ渡した。
「とりあえず、これにて一件落着ってやつだ、一息入れようぜナイトアイ」
「相変わらず貴方はマイペースだな、タカカズ」
缶コーヒーのタブを開けて、一息に飲むナイトアイに、タカカズも開けて一口飲んでから言った。
「いい男は慌てないのさ……あ、それでだけど、イズクくんのインターン、あとはウチでなんて駄目?そもそも個性の監視とやらで彼を招いたんならいいじゃないの?」
「いいや、イズクには残りの期間で法律と倫理を叩き込もうと思う……あんなやり方では将来、訴訟沙汰で埋もれかねないからな」
「残念、じゃあ二年生になったらもう一度招待しようかな……」
一息を入れた二人、そして帰ってきた二人が助けた女の子に向けて、そして先生に向けて手を振ってここに居ると示す。
こうして……死穢八斎會の野望は、悉く打ち砕かれたのだった。
・象徴の大鎧 陰陽金色
緑谷出久と通形ミリオが、エリちゃんの個性によって全回復し、過剰な巻き戻しにより個性の限界を超え、緑谷の個性因子に刻まれた『DXマイトドライバー』の情報が勢い余って漏れてしまったが為に、近場にいた通形にもリンクしてしまった、偶発的事故によって変身可能となった姿。なお、以上の条件が重なっての変身である為、エリちゃんの力があって初めてなれる姿である。
それだけではなく、緑谷に現在ある『OFA.M』、その元のOFAの『譲渡の個性』や緑谷自身の『引き抜いた脊髄から個性情報を読み取り武器化する』事も関係している。
神野で緑谷とオールマイトが変身した、象徴の大鎧金色に、左右でそれぞれを表す白と黒のラインが入った姿をしている。左右の不可視のアームブレードと、透過の個性で戦う。変身時間は3分間。
必殺技は『罪罰断罪大切断(しんばつだんざいだいせつだん)』不可視のアームブレードによる、次元すら切り裂く斬撃。