【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「オールマイトさん……改めまして、出久の父の久です」
「ああいや、こちらこそ初めまして」
お互いに日本人サラリーマンの如く一礼をして、挨拶するオールマイトと緑谷久。
「出久から聞いてます……あなたが庇ってくれなかったら、この子はヒーローを諦めていたと、本来なら私が支えてやるところに、貴方が来てくれた……このご恩は一生忘れません」
「いやそんな……彼が決めた事です、私は少しだけ手を差し伸べただけで……」
もしも、あのヘドロヴィランの時に貴方が来てくれなかったら、本来ならば自分が支えてやらねばならない筈がと、宣う久に、そう自らを貶めないで欲しいとオールマイトは慌てた。
「出久、こちらは私の仕事の仲間であるデヴィット・シールドの娘さんのメリッサ・シールドだ、挨拶なさい」
さて、そこまでにしてと久は出久に向き直り、この美女について説明した。
「メリッサ・シールドです、キミがイズク・ミドリヤくんね?ヒサシ叔父様から話は聞いてるわ」
「初めまして……え、デヴィット・シールドって……オールマイトのスーツを作り上げた?」
「そうよ、そして……貴方のパパ、ヒサシ叔父様とパパは、仕事仲間!今のアメリカトップのヒーロースーツのデザインは、彼がデザインしてるのよ?」
手を差し伸べて来た美女、メリッサに自らのヒーロースーツの手袋を取って握手する出久。
ヒーローオタクの出久が知らないわけがなかった。まさかのこの目の前の美女は、かの有名なノーベル個性賞を受賞し、オールマイトの全ての時代のヒーロースーツを開発した天才科学者『デヴィット・シールド』その血を受け継いだ娘なのだと。
そのデヴィット・シールドと、自分の父親がまさか並び立って仕事をしていたなんて、出久は今日初めて知る事になったのだ。
「オールマイトさん、デヴィットは貴方を待っている……早速だが研究室までは私がエスコートさせていただこう」
「おお、悪いね!えーっと」
「ひさし、で構いません……、メリッサさんも一度、研究室に行きましょうか」
「そうねヒサシおじさま、こっちよ、マイトおじさま!イズク!」
淡々として起伏は見えない、冷ややかではあるが、ちゃんと礼節を持つ久に案内され、オールマイトと出久は二人の後について行く。
「キミのお父さん……言っちゃなんだけど……眼差しが怖いね?」
「すいません……僕がヒーローを目指した時から、そうなんです……」
オールマイトが恐怖を感じた眼差しは、しっかり緑谷出久に受け継がれているのが分かるほど、父子共に似ていてならなかった。
「う私がーーー!!再会の感動に震えながら!来たーーー!!」
「トシ……オールマイト!!」
「あっはっはっは!わざわざ会いに来てやったぜデイヴーー!!」
「オールマイト、相変わらず元気そうだなぁお前は!」
二人は再会を喜び合うやテンションが天元突破したらしい。スキップスキップランランランからハイタッチやらツンツンこのこのとおっさん同士が学生時代を思い出す様にスキンシップをはじめた。
「パパもオールマイトも嬉しそうで良かったわ!」
「いい歳したおっさんが何をやってるのだろうか……」
オールマイトがこうも人間味を見せるのは許容を超えていると、緑谷は苦笑するも、メリッサは招待して良かったと笑顔を見せた。
「お前も、いずれ親友を持って歳を取れば気持ちが分かるさ……」
頭に手を置いて、出久の髪を撫でてやりながらいつか分かる日が来ると久は息子に教えてやった。そんな日が来るのかと、さっきから度々頭を撫でてくる父親を拒まず、撫でてもらったままにしていた。
「会えて嬉しいよ、デイヴ!!」
「私もだ、オールマイト!!」
互いに拳を合わせて、親友の再会を改めて確かめ合った。
意外にフランクな人なんだな、あのオールマイトとかつて組んでいた科学者はと、その光景を眺めていた出久に、デヴィットは気付いた。
「ヒサシ、その子が?」
「ああ、私の息子の緑谷出久だ……個性も話したよな?やがて……ヒーローとなる私の自慢の一人息子だ」
個性を話している事実を聞いた出久、しかし……そんな些細な事より、父から言われた自慢の一人息子という言葉に、ここはしっかり礼儀を見せねばとしっかり背筋を伸ばして、緑谷出久はデヴィット・シールドに頭を下げた。
「初めましてMr.デヴィット、緑谷出久です」
そうして一礼し、顔を上げた出久を、デヴィットはしばらく見つめてから優しく笑って手を差し伸べた。
「初めましてイズクくん、キミのフィアンセ、メリッサ・シールドの父親、デヴィット・シールドだ」
「あ、はい、こちらこそ……」
お互いに握手を交わした所で……緑谷出久とオールマイトは……ちょーーっとだけ時間を巻き戻して、デヴィットの台詞を再び再生した。
『初めましてイズクくん、キミのフィアンセ、メリッサ・シールドの父親、デヴィット・シールドだ』
フィアンセ……婚約の相手。婚約者。いいなずけ。を意味する言葉、一体誰が?出久は首を傾げた。
「……フィアンセ?」
「そうだが?」
「誰が……誰の?」
「キミが、私の娘メリッサとだが?ヒサシから聞いてないのかい?」
情報処理が追いつかないと、背後の父親に首を向けて、メールとかしたのかと確認の目線を送って出久に、久は言い放った。
「同封したエアメール、最後まで読んでないみたいだな?出久?」
それを聞いてポケットにしまっていた、招待状と共に手紙が確かにあったし読んだが!?と、即座に確認した。
『出久へ、I・アイランドの博覧会I・エキスポにてお父さんの作品も展示が決まりましたので、航空券と招待状を送らせていただきました、数年ぶりの再会を楽しみにしております。 緑谷久』
追伸
親同士の取り決めだが、お前には婚約者が居る、その初顔合わせも兼ねておくから失礼の無いように。
書いてあった…….下の方に、しっかりと。それをオールマイトも後ろから見て、顔を見合わせてーー。
「「えぇえええええええええええええーーーー!!?」」
緑谷は婚約者がいつの間にかできていた事に、オールマイトはあの小さかった親友の娘が、自分の受け持つ生徒との婚約者となっていた事に驚いて絶叫を上げたのだった。