【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「そうして私は、入学試験中の最後……潰されそうになったところをイズクくんに助けられたんです」
「へー……試験の時にはもうヒーローしてたんだね、緑谷って」
「そっか、彼は根っからヒーローなんだ、私もね?さっき怪我するところを助けて貰ったの」
「それにしても、許婚がいらしたなんて……ロマンチックですわ!しかも初めての出会いで助けられるだなんて!」
女子達がカフェで会話するのを横に、緑谷出久はぐったりとしながら父親と共に座っていた。
「悪い事をしたな出久……その、振り回してしまった、不用意だった」
「気にしないでよ父さん、まぁメリッサさんも揶揄ってるだけ、皆もわかってくれたし」
勝手な親同士の婚約者の約束が、掻き乱してしまったと謝る父の久に、出久は気にしちゃあいないと首を横に振る。そう言ってくれて助かると、久は安堵するがそれはさておいてと息子に尋ねた。
「それはさておき、好きな人はあの中に居るのか?出久?」
「え……」
「あ、嫌なら言わなくていいが……何だ、やはり気になってはしまうんだよ」
息子への会話の話題が、どうも選べないらしい。まぁ気になるだろうが、耳郎さんが聞いてるかもしれないが、緑谷は彼女が聞いても黙ってくれると信頼して語った。
「分からないんだよね……女の子の友達ができたの、高校生になってからだし……中学生の女の子は、ほら、壊滅的だったし」
「まぁ……話は知っている」
折寺時代の女子は、あれは人間扱いも恋愛対象にもならないと苦笑し。指を組みながら父に、今の彼女らへの想いを語った。
「その……僕の個性とかさ、僕の事で父さん母さんも受けてきた事もあるから……自分が、好きになって……それが好きな人にも降りかかるのを想像してしまうんだ……」
それを聞いた久は、しまったと絶句した。聞くべきでなかったと、両親の自分達がよく分かっていた筈だと。
「だからその、恋人とか……考えては……」
「どうぞ、オールマイトブルーソーダでございます」
「こちら、エンデヴァーウォーターメロンになりまーす」
そんな会話が途切れた二人の前に、頼まれた飲み物が置かれて、その二人の声に出久は顔を上げた。
「え、上鳴くん、峰田くん!?」
麗日、八百万、耳郎に続いて現れたクラスメイト二人は、ウェイター姿で緑谷父子が頼んだドリンクを置いて、二人はよっ!と挨拶した。
「友達かい?出久?」
「うん、クラスメイトの峰田くんと、上鳴くん」
「上鳴くんと峰田くん!?」
「あんたらなにしてんの!?その格好は?」
緑谷が紹介したのが聞こえたらしい、麗日や耳郎が何故二人してここに、ウェイター姿で居るのかと尋ねた。
「エキスポの間だけ、臨時にバイト募集してたから応募してたんだよ、なー?」
「休み時間にエキスポ見学できるし、給料貰えるし……来場した可愛い女の子と素敵な出会いがあるかもしれないしな!」
峰田の眼差しは早速メリッサに向いた。メリッサはにっこり笑って、二人に声をかけた。
「二人も雄英生で、イズクの友達?」
早速呼ばれた!好機と見た二人は、メリッサに近づいてキメ顔で、顎に手を当てて言った。
「そうです、上鳴電気と申します」
「峰田稔、ヒーロー志望ですお嬢さん」
これ決まったろと、二人がキラキラと青山の様な輝きを見せる中で、メリッサはにっこり笑って自らも名乗った。
「はじめまして、私はメリッサ・シールド、イズク・ミドリヤのフィアンセです」
ビシィイ!!
その挨拶を聞いた二人は色を無くし、ガラガラと砕け散って地面に散らばった。
「何を油を売っているんだ!バイトを引き受けた以上労働にーーな!?上鳴くんに峰田くんが崩れ落ちてる!?」
そんな崩れ落ちた二人を、突如現れて駆け寄って来た飯田天哉が、無惨な二人の姿に驚愕した。
「あー、飯田くんごめん……ちょっと組み立てるの手伝ってくれる?」
もうこれ、A組誰が来ても驚かないわと緑谷は、いつもの様に飯田に話しかけて
「よし分かった!しかし、どうしてこんな事に……」
何故まるで瓦礫の様に二人は砕けてしまったのか、そもそも直るのかと考えず飯田は出久と共に修復作業に取り掛かった。
「恋が始まる前に刈り取られたというか……飯田くんも来てたんやね」
「うちはヒーロー一家だからね!I・エキスポから招待状を頂いたんだ、家族は予定があって来たのは俺一人だが……」
「出久、ここはこの破片で合ってるか?父さんこの子達の個性分からないから組み立て方分からないけど……」
「あ、それが峰田くんの頭頂部」
とりあえず峰田から組み上がり再生するや、彼は呆けて涎を垂らしてフィアンセ、フィアンセ?とうわ言の様に呟きだした。
「飯田さんもですの?私も、父がI・エキスポのスポンサー企業の株を持っていますから、招待状をいただきましたの」
「で、ヤオモモの招待状が2枚余ってたから……ジャンケンという厳正な抽選の結果、うちと麗日が一緒に行く事になったわけ!」
成る程、皆がここに来ていた理由が分かったと、何故この場所で会合したか緑谷は理解しつつ。上鳴を出久は組み上げ再生すれば、彼は放電後のアホ面で色を取り戻した。
「他の女子も、この島には来てるんよ?」
「明日からの一般公開日に、全員で見学する予定ですの」
A組女子全員がこの島に来ている、つまりプレオープンで来たのが3人だけ……もしかして、砂藤くんや障子くんも来てるのだろうかと、後で連絡を入れて、父さんに紹介しようと決めた。
「よければ、私が案内しましょうか?」
「いいんですか!?」
ならば是非、自分がI・アイランドとエキスポを案内したいとメリッサが買ってでるや、麗日達はいいのかと喜びの声を上げた。
「「お、俺たちも連れてってーー」」
そして、さっきの敗れ去った記憶が飛んだのか、上鳴と峰田の二人も連れて行ってほしいと頼んだのだが。
「おっと、サボりはいけないな、お二人さん」(cv大塚明夫)
そんな二人が仕事をサボったのを嗅ぎつけたらしい、このカフェのシェフらしき、細身ながらがっしりとした背の高い、後ろにて髪を纏めた精悍な男が二人の首根っこを掴んだのだった。
まるでアメリカ海軍の、軍艦でシェフとして働いていて、元々特殊作戦群に所属していたようなシェフが、二人を引きずりカフェの奥に連れて行く。あと、不用意にクレーム入れたら手首とか骨とか折ってきそうな外見であった。
「あくまでお前さんらはアルバイト、プレオープンとはいえ客は多い、しっかり働いてもらおうか」
「ああーー」
「そんなー!」
彼らはあくまでアルバイトだ……その分働かなければならない。あとで差し入れでも買って持って行ってあげようかなと、緑谷は手を振って見送ったが。
突如、振動と爆破音が響き渡った。