【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
ーーセントラルタワー2階、レセプション会場ーー
来賓として呼ばれた各国の展示物たるサポートアイテムの会社、I・アイランドの出資者に科学者、ヒーローと様々な関係者が料理に酒を楽しみ会話を弾ませる中、オールマイトとデイヴはシャンパン片手に語り合っていた。
「いやはや……にしてもびっくりしたよ、あのエルクレスの始まりが久の話から始まったとは」
「彼はただのデザイナーと思ったらこれだ、本来の目指した研究とは違うが……形は違っても世に出せるとなったのは、彼やサムが居たからさ……」
オールマイトが身体検査の後、データではあるが緑谷久との合作スーツ『エルクレス』を見たオールマイトは、その出来と用途に感心していた。何より、出会いがあのスーツを産んだという数奇な運命には、奇跡を感じてならないとオールマイトも言う。
「元々、個性を薬品に頼らず強化するサポートアイテムを作って完成させたら……各国政府から圧力が来て研究凍結に、完成品は今やこのタワーの最上階に封印されてしまった……超人社会への構造が激変する……とね?」
「そこから彼が言ったのか?なら、専売で新しい物作って盾になってもらったらどうだと?」
「ああ、アメリカ政府にね?あいつ、ビジネスマンでもない、デザイナーが政府の奴らを口車に乗せて、そこからシェイクハンドさ」
痛快な話だ。オールマイトも、緑谷出久と出会ってから度々色々あって、退屈にならない教師生活を送っているが、その父親も余程らしい。本当に何者なのだろうかと思いながらも、そんな緑谷久と話してみたいなとオールマイトは姿を探したのだが……。
「その緑谷少年の父親が見当たらないが?」
「あー……多分あいつは酒飲み過ぎて外かもしれないな……」
「弱いのか、彼?」
「いや、個性がね?彼は火を吹くんだが……酒を燃料にしてしまう体質なんだ、酔わないができた燃料を火にして使わないと、溜まった燃料が体内で引火して爆死するんだ」
「OH……」
「20歳初めての飲酒で分かったらしい、それからあまり飲まないとは言っていたが……息子に会えたから嬉しかったんだろう」
息子も凄まじい個性だが、父親も難儀な体質を抱えているらしい。それで久々に息子と会えた嬉しさから酒を飲み過ぎたとなるあたり人間味もあるんだなと、オールマイトは笑った。
「色々あったが、彼やサムのおかげでエルクレスは完成した、増幅機は残念だったが……それでも形を変えて世に出せれることを嬉しく思うよ……しかし、サムまで居ないな……?」
彼ら2人が居たからこそ、エルクレスは完成したのだと誇らしく言うデイヴも、その相棒として長年研究を共にしてくれた助手のサムまで居ない為、あいつも飲み過ぎたかと見回した。
『えーご来場の皆様、I・エキスポのレセプションパーティにようこそおいで頂きました、乾杯の音頭とご挨拶は来賓でお越しいただいたNo.1ヒーロー、オールマイトさんにお願いしたいと思います!』
2人がそれぞれの話し相手を探す中、司会がオールマイトに乾杯の挨拶をとお願いした。まさかデイヴと拍手の中で苦笑しながら顔を向ければ、頼むよと懇願気味な顔を向けた。
「オールマイトが来ると知ったらそうなるさ」
「やれやれ……」
オールマイトは頼まれるがまま、壇上へ向かった。
「えー‥‥ご紹介に預かりました、オールマイトです」
手短に、堅苦しくなくしよう。壇上のマイクの前でオールマイトはそう決めながら挨拶を始めた。
「堅苦しい挨拶はーー」
その瞬間、背後の液晶パネルが赤く染まり、ブザーがI・アイランド中で響き渡った。