【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
『SHIT!助手の裏切りなんて、とんだ映画のありがち展開!人質まで取られ、私まで拘束されるとは!!』
ヴィランを引き入れたデイヴの助手、サムによりヒーローから来賓達も皆パーティ会場に拘束されてしまった!警備システムによる捕縛ワイヤーは、OFAの力で引きちぎれるが……瞬時にこの場のヴィラン全員を殴り倒してかつ、人質の被害0にするのは難しい!
『だが、やらねばならん!私は平和の象徴なんだから……!』
だがやらねばならない、身体に力を込めワイヤーを千切ろうとしたオールマイトは、ふとパーティ会場の天蓋がガラス張りと気付き、その先に居た人物を見てーー。
『緑谷少年!!キミ、ヒーロースーツといい正装までヴィランじみてないか!?父親を崖から放り投げてそうな男っぽく見えるぞ!?』
スマホカメラのライトで合図を送る緑谷出久の、その正装にクラスメイト達と同じ感想を頭の中に浮かべるが、オールマイトはふと、緑谷がカメラのライトを隠したり光らせたりする様に規則性があると見て凝視する。
-・・・ ・-・ --・-・ ・-・-- ・・・- -・ ・・ -・-・- ・- --・-・ ・・ ・-・- ・・- -・-・- ・-・-・ ・-・・ ・・ -・-・・ ・- ・-・-- -・・- ---・-
『モールス信号!?よくまぁ知ってるな!?話してください、耳郎さんが聞いてます、か!!』
光の明滅によるモールス信号に、オールマイトはヴィラン達に聞こえないよう、喋った。ヴィランが占拠した事、警備システムは掌握された事、デイヴの助手サムが手引きしてこの事態を起こし、人質は島の全員でヒーロー達も人質にされたと。
キミたちが出来ることは、このセントラルタワーから逃げる事だと喋って。オールマイトの視界で緑谷が、耳郎から聞いて顔面を蒼白させたのが見えた。
緑谷は、そのまま天蓋からパーティ会場を見下ろして、またスマホを構えまたモールス信号を送る。
・・-・・ ・・- -・-・- ・-・-・ -・・・ ・・-・- ・-・-- -・・- ・---・ ・-・-・ ・-・・
『父さんは見てませんか?伝えるべきだな』
父親とは合流してないらしい、オールマイトは喋った。
「安心しなさい、私が必ず助けるから、ここから逃げるんだ」
それを耳郎つてに聞いた緑谷は、通信終了とばかりに頷いて立ち去った。
「オールマイトからメッセージは預かった……俺は……雄英校教師であるオールマイトの指示に従い、ここから脱出する事を提案する」
「飯田さんの意見に賛成しますわ、私たちはまだ学生……ヒーロー免許も無いのに、ヴィランと戦うわけには……」
非常階段に戻った緑谷達は、今後どうするかと話し合った。オールマイトから逃げろと命じられた、である以上指示には従うべきだと飯田と八百万が脱出を提案した。学生という立場なら妥当だ、先生の指示に従うべきである……。
「なら、脱出して外のヒーローに!」
それがいい、上鳴も脱出から外のヒーローに救援要請をと考えたが……。
「脱出は困難だと思う……ここはヴィラン犯罪者を収容するタルタロスと同じ防災設計で建てられてるから……」
メリッサが、それは限り無く難しい事だと顔を歪めて言った。日本に建造されているヴィラン犯罪者収容施設『タルタロス』のセキュリティと同等の防災設計だから、閉じ込められた場合の堅牢さは想像し難いくらい強固だと。
「擬似的に……タルタロスの中に収容されてるって事かよぉ……」
「助けが来るまで、大人しく待つしか……」
つまり今の自分たちは、タルタロスに収容された罪人と同じ逃げ場無し、救援を待つ以外無いのかと峰田と上鳴が肩を落とした。
「上鳴、それでいいわけ?」
その弱音に耳郎が待ったをかけた。
「どういう意味だよ?」
「助けに行こうとか、思わないわけ?」
彼女の意思ある言葉、ヒーローを目指すヒーロー科の学生がその言葉はないだろと言い放つ。
「おいおい!オールマイトまでヴィランに捕まってんだぞ、おいら達だけで助けに行くなんて、無理すぎだっての!」
峰田の言葉も尤もである、あのオールマイトですら今手も足も出ない状況、その絶望の景色を見て何をいうかと。
「……俺らはヒーローを目指してる」
「ですから、私たちはまだヒーロー活動を……」
「だからって、何もしないでいいのか……?」
「それは……」
轟も耳郎と同じだ、まだ学生だと理解している。無免許の学生の個性行使が、どれだけ迷惑をかけるかを……だからどうした、じゃあ自分達はこのまま何もせずに助けを待つのかと轟は八百万に呟いた。
しばらくの沈黙の後、口を開いたのはーー。
「メリッサ……警備システムの大元って、このタワーにあるの?」
「ま、待てよ緑谷ぁ……まさか!」
緑谷の言葉に峰田が待ったを掛けた……が、顔を見た瞬間駄目だと理解した。
この表情を峰田は知っている……この表情を見た事があるのは、峰田と蛙吹……相澤先生くらいだろう。だから、麗日に八百万、飯田、上鳴、耳郎、轟……そしてメリッサは、その表情に驚かされた。
それは……決意の表情。たとえ、命を捧げても、批判に晒され未来が消えようと、事を成し遂げるという決意の顔。USJのヴィラン襲撃で、ヴィラン達を鏖殺してでも、体を血に染めても皆を救うと決めて戦った、あの時の顔を峰田は再び見てしまったのだ。
「警備システム……というより、このI・アイランド全体をこのセントラルタワーから統括して管理してるわ、屋上のメインルームを取り返せさえすれば……」
「となると……あとは、そこにどうやって行くかだね……」
立ち上がった緑谷は、まるでもう行動に移す気で考えていたとばかりの口ぶりだった。
「緑谷くん無茶だ!オールマイト先生の指示に従うべきだ!俺たちは一学生でしかない、力を過信してはいけない!」
「飯田くん、別に僕は……ヴィランとやり合うつもりは無いよ、むしろ……下手にやり合って人質を殺された、なんて愚の骨頂だ」
飯田の静止に、それは理解している。むしろやり合うつもりは無いと、話を聞いてくれとなだめつつ緑谷は語る。
「隠密作戦か?」
その口ぶりから、緑谷が何をしようと考えているのか轟は言い当てて、緑谷は頷く。
「今こうして話しているのに、僕たちへの実害が全くない……つまりヴィランはこっちに気づいていない……流石に科学の島I・アイランドの全てを掌握をしきれちゃいないんだ、希望を込めた予測ではあるけどね?」
「私たちだからこそ、できるかもしれないと緑谷さんはおっしゃるのね?」
希望観測はよろしくないが、ここまで全員放置されてるならそう考えてもいいと、今の状況で動いてこの盤面をひっくり返せるのは自分たちしか居ないと、そう言いたいのかと八百万は緑谷に確認した。
「それに……僕たちは確かに学生だけどさ、ここはI・アイランドだ、個性使用も規制されて無いし……日本じゃない、つまり……僕たちは法に縛られてないから、好きに活動できるんだ」
「待て待て待て緑谷!そんなんありぃ!?」
「暴論じゃないか!それは!」
個性使用の規制が無いなら、こっちも存分に使える。つまりは好きに抵抗して良しだと、それは暴論だよと上鳴と飯田は流石に通らないぞと突っ込んだ。
「ま……これだけ言ったけどつまりは……ここで動かなかったら、僕は二度とヒーロー名乗れなくなるって事、結局は自己満足への言い訳だから……」
緑谷は言った。これは結局、自己満足でしかないと。もしも失敗したら責任も取れやしないガキで、それでも今この場で助けられるかもしれない自分が、何もせず待つしかできないのが嫌だから、
そうして緑谷は一人、最上階へ向かうために非常階段へ上がろうと歩き出す。
「後でオールマイトにめちゃくちゃ怒られてもいい人だけ、一緒に行こうか!」