【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
機を待つオールマイトは、自身のマッスルフォームへの変身時間の制限時間を体感で数えていた。変身時間はまだ1時間は耐えれるが、この後本気で戦えば2分持つかどうか……しかし機を待つ以外今はないと、ただ拘束されたまま待つしかなかった。
緑谷少年達は逃げただろうか……無事だといいがと考える最中、ガラス張りの天蓋にまた見知った姿を見た。
『緑谷少年!?逃げたのではなかったのか!!』
まだ逃げていなかったのかと驚くオールマイト、しかしその眼差しから見える決意が、彼や……そして一緒にいるA組達が立ちあがろうとしているのを理解してしまった。
危険だと眼差しで意思を示したが、緑谷は首を横に振った。そして背を向けて立ち去る。
教師としては咎めねばならない行為である、しかしオールマイトは笑った。ああそうだ、ここで動かなかったらヒーローじゃあない。
ならば信じて待とうじゃないか、君たちがこの状況を打開すると信じて。
『行って来い、有精卵ども!』
心の中で、オールマイトは立ち上がったヒーロー達へエールを送った。
緑谷は着ていたコートを脱ぎ去り、首を鳴らしながら待っていた他の皆の元に戻った。
「じゃあ行こうか……奪還作戦だ!」
「「「「応っ!!」」」」
一方その頃……。
「おい、こいつを保管庫に連れて行け、俺は会場に戻ってそこで指示を出す」
「はぁい、ウォルフラムさん」
鉄仮面のヴィランの親玉、名をウォルフラムはデイヴをサムに預けて、オールマイト他ヒーロー達の監視に戻ると伝え、保管室へ向かうように言った。
「お願いですからそのまま指示に従ってくださいね、デイヴ?撃ち殺したくはない……メリッサお嬢様も悲しみますから」
銃口は離れている、いや取られない為に近づいてないのが正しいか。言われるがまま前を歩き、保管庫へ向かう為エレベーターへデイヴは歩かされた。
「目的は何だ……給金ならしっかり払ってる……今更あの機械を取り出してどうする気だ、サム?」
金銭トラブルになるほどの事態も起こしちゃいないが、どうしてこんな凶行に及んだのかとデイヴは尋ねてみた。
「デイヴ……今更なんてキミは酷いじゃないか?あれは……キミと僕の合作、他にチームは居たがほぼ僕たちが作り上げた発明だろう?」
屋上に封印された物、個性増幅装置。それを今更取り出すのは何故か、それに対してのサムの答えは『酷い事を言う』だった。
「あれは世紀の発明だった……僕とキミの、各国の圧力に屈して膝を折ったがあれは、世に出るべき機械なんだよ……それをキミ、今更扱いとは……あの芸術家に毒されてしまったんだよ」
「ヒサシの事か……」
「名前を呼ぶなよデイヴ、あの寄生虫な黄色猿の日本人の名前なんてさぁ?」
普段絶対、彼の口からは吐かれそうに無い差別言語の悪態には、長年共に研究に費していたデイヴも唖然とした。
「キミがそんな奴だとは知らなかったよ……」
「ああ勘違いしないでくれデイヴ、私は科学者にはこんな口にはならないさ、科学者なら私は黒人だろうとアジア人だろうと敬意を払う……私はね、あいつが芸術家の癖してチームにいきなり来て、さもキミや私と同じ場所で会話しているのが気に入らなかったのさ」
サムの凶行の理由……それは緑谷久にあったのかと話の流れからデイヴは理解した。
「さ、行きましょうデイヴ……あの地面でおったつ前時代の鎧なんかより、遥か上に封印された我々の作品を迎えにね?」
エレベーターに到達し、ボタンを押す。そのまま二人エレベーターに入り、数字はどんどん上昇していった。
非常階段を駆け上がる、緑谷達雄英生徒とメリッサ。2階から非常階段で駆け上がりながら、数字を確認する。
「これで30階か……」
「メリッサ、このタワー最上階は?」
とりあえず登り始めて28階、飯田が階数を確認して緑谷が、そもそもこのタワーの最上階は何階かを尋ねた。
「……200階よ!」
「マジか!?」
まだ4分の1すら登って無いのかと上鳴が悲鳴じみた確認の声を上げた。
「そんなに登るのか!?」
峰田も冗談だろと叫びを上げたが、八百万がそれを叱咤するようにすぐ声を上げた。
「ヴィランと出くわすよりはマシですわ!」
戦わずに目的地まで行けるのならば、これしかなかろうと彼女も息を切らす中で、緑谷は言った。
「なーに……世界一高いドバイのタワー、ブルジュ・ハリファより6階低いんだからいける!」
「緑谷くん!流石に6階は誤差だと思うが!?」
比較対象に世界一のタワーを出して気を紛らわせようとしたが、流石にそりゃ誤差だと飯田がツッコミを入れた。そして皆、200階を目指し非常階段を駆け上った。
40階、45階、50階、一同は階層を積み重ねて最上階を目指し、55階……メリッサが息を切らして立ち止まった。
「メリッサさん!うちの個性使おうか!?」
メリッサを見ていた麗日が、個性で軽減しようかと聞いたが、メリッサは気丈に振る舞いながらヒールを脱いで言う。
「ありがとう、でもその力はいざという時のために取っておいて!」
決して足を引っ張りはしない、決意の素足でメリッサは皆に追従してみせた。