【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「あ……ああう……」
緑谷の必殺、バイオレントラッシュによって叩きのめされた首魁のヴィランは、ただ痙攣して呻くしかできなかった。
「ここで死ね!ヴィランの親玉ぁあ!!」
だがそれで終わらない!相澤先生を傷つけ、皆を殺そうとしたこいつを生かしてなるものかと、まだ息があると見て緑谷は止めを刺しにかかる!
「とんだ誤算ですねぇ……」
しかし、それを阻むのは黒い靄であった。それが首魁ヴィランを包み込み、守るように靄で囲んだ。
「とんだ厄を雄英は抱えているようだ……どうです?貴方こっちに来ません?好き放題暴れーー」
「黙れぇえーー!」
黒い靄を掴もうとする緑谷、やがてそれは消え去りヴィランの首魁は消えた。
「お、おい、逃げちまったぞ頭が」
「じゃあ、作戦は失敗……」
「こ、降参だ!頼む、許してくれ!!」
首魁が倒れ、敗走した。それでもう襲撃したヴィラン連合のメンバー達は、これ以上は無意味だと、武器を持つ物は捨てて手を上げ始める。
ただ1人、佇む緑谷……その双眸が、ギョロリとヴィラン達の方に向いた。
「これだけの事をしておいて……降参したら……はいお終いってなると思うの?」
冷たい声だった、大の大人の、寄せ集めとはいえ大人のヴィラン達がその声と眼差しに凍りついた。
「皆殺しだ……二度と悪事を働けないように……二度と悪さをしないように……!!あの世で反省して来い!ヴィラン共!!」
そして……虐殺は始まった。
「遅かったか……長話恨みますよ校長!!」
「な、何という事だうっぷ!?み、みんなは!!」
オールマイトが到着したのは、その数分後だった。USJより、麗日達の協力によって脱出した飯田天哉が本校舎に通報、オールマイト以下雄映教師陣と共に到着すると、そこには言葉にできない景色が広がっていた。
床を染め上げる血の海、首を無くしたヴィランと絶叫して絶命したヴィランの生首付き脊髄。
「話には聞いてたけど……こりゃ凄いね、子供が見たらトラウマよ」
雄英高校教師の1人、ミッドナイトがこの惨状に口元を覆った。そして入り口に向かって殺到するヴィラン連合の残党が、涙や絶叫をあげて来た。
「た、助けてくれ!自首でもなんでもするから!もう、もう悪さなんてしませんから!」
「殺される!殺されちまう!頼む許してくれえ!」
悪党が……正義の味方に助けを求める異様なる光景に教師陣は唖然とするしか無い中、オールマイトは即座にその姿を見て飛翔した。
「緑谷少年ーー!」
そこに居た、立っていた。血の池とヴィランの亡骸の山で、生首脊髄を右手に掴み、息を切らしなお立っている、緑谷出久を。
「まだ、生き残りが……いたかぁああ!!」
気配を察知してか、振り返りながら拳を振り上げ踏み込む緑谷出久に、オールマイトは叫んだ。
「緑谷少年!!」
その声にはっと気付いた緑谷だったが、その拳はオールマイトの腹筋に命中した。
「オール……マイト……先生」
「見事なパンチだ……怖かったろう、よく……頑張ったな」
自分は、なにをやってしまったんだ、憧れを殴ったのかと引き下がる緑谷を、オールマイトは抱きしめた。オールマイトは悔やんだ、彼にここまでさせてしまった事に、早くもっと駆けつけていれば、こんな惨状は起きなかったろうにと。
「もう大丈夫だ、遅くなってしまったが……私が来た」
それを聞いて、自分のやらかしに、叱責でも罵倒も無しに抱擁で安堵を説いてくれた憧れに……緑谷出久は意識を手放した。