【原作完結】僕の脊髄ぶっこ抜きアカデミア【オリジナルストーリー開始】 作:ぶっこ抜きデク
「出久くん何その腕、凄いやん!けど左手大丈夫なん?」
「メリッサからのプレゼント、やっぱりあると違うや……そして左手が痛い!これ、もう一個無いかな!?」
「また作ってあげる!」
ウィップガントレットにより保護された右手、無しの左手の全く違う痛みから、本当に凄いからさらにひとつ欲しいと注文をメリッサに発注しながら、警備ロボを切り抜けて緑谷達はさらに進んでいく。
階段を駆け上っていく一同がたどり着いたのは、138階……屋上まであと62階となる中、耳郎は階段の壁にイヤホンジャックを当てて、警備ロボを探る。
「下からの反応は多数……上からは無いよ」
「よし、行こう!」
138階のフロアに入った一同、幾つもの直方体がならび、無機質な印象が見れるその部屋はサーバールームだった。恐らくここで、このI・アイランドのネット環境から様々なセキュリティを統括管理しているのが分かった。
ここからさらに上がる為、違う階段に向かわねばならない中……前の自動ドアが開くや警備マシンの群体が現れたのであった!
「罠か!!」
飯田が歯噛みした、恐らくヴィランが、耳郎の探知を見抜いてこの階層に待ち伏せさせたのだ、駆動音を隠して居ないと錯覚させたと思える。
「突破しよう、飯田くん!」
「待って!ここのサーバーに被害が出たら、警備システムにも影響が出るかも!」
強行突破を許さない為の、サーバールームへの誘導か!なんとも巧妙なと、ヴィランの狡猾さに緑谷は歯噛みした。さらに!上層サーバーにも警備ロボが待ち伏せしていたらしい、次々と降りてくるのであった!
「どんだけ居るんだよ!」
あまりの数に峰田が叫ぶ。この状況、食い止めなければ皆が捕まると見た八百万は意を決して言い放った。
「警備マシンは私たちで食い止めますわ!」
「緑谷くん!メリッサさんを連れて別のルートを探すんだ!
飯田も、背負った上鳴をゆっくり降ろして緑谷に言い放った。託された……ならば行くしかあるまい!緑谷はメリッサに顔を向けて言った。
「メリッサ、行こう!」
メリッサが頷いた、それを見て緑谷は引き返して別ルートを探しに向かう。メリッサも共に向かおうとした中、ある事に気付いてお茶子に顔を向けた。
「お茶子さんも一緒に来て!」
「え!?でも……」
「頼む!麗日くん!!」
彼女の意図を察したのか、はたまた個性無重力の機動力から緑谷達に必要と感じたのか、飯田も麗日に託した。その頼みに麗日は頷き、雄英組はここでさらに分散した。
引き返して廊下を駆け抜ける最中、背後から振動と喧しい音が聞こえ、緑谷は思わず立ち止まりそうになった。しかしーー。
「出久くん!止まっちゃダメだ!!ここでうちらも捕まったら飯田くん達が残った意味が無くなる!!」
振り向くな、立ち止まるな!託されたなら早く上に、さらに先へ走り抜けろ!力強い指摘に緑谷は即座にまた走り出した。
すまないみんな、どうか無事で居てくれと祈る中、メリッサは二人に言い放った。
「二人ともこっち!私に考えがあるわ!」
階段へ向かうルートとは別に、曲がり角を示したメリッサと、彼女の考えが何かは知らないが、それでも早く上がれるのならばと緑谷と麗日の二人はメリッサの示す角を曲がった。
その先にあった自動ドアへ辿り着くと、少々強い風が3人に吹いた。目の前にいくつも、巨大なファンが取り付けられ並んでいた。
「ここは……」
「風力発電システムよ、タワーの中を登れば警備マシンが待ち構えているはず……だから、ここから一気に上層部へ向かうの、あの非常口まで行ければ……」
一気に階層を外部から飛ばしてショートカットをしようと彼女は考えているらしい。メリッサが指差した先を緑谷が見れば、確かに扉が見えた。
「あんなところまで……」
「お茶子さんの、触れた物を無重力にする個性なら……それができる」
手を握りしめて、震えを押し殺し麗日に頼むメリッサ。だから彼女について来てと言ったのか……この悲壮な覚悟……彼女もまた、無個性であれ誰かを助けるためにとヒーローの心を、勇気を宿している。
お茶子は頷いて、メリッサに言った。
「任せてメリッサさん、デクくんに捕まって!」
「はい……!」
その指示に従い、メリッサは緑谷の背中から腕を回して捕まった。準備はできたと、麗日に頷く緑谷は非常口のある連絡橋をしっかり見据えた。
お茶子の手が緑谷とメリッサに触れて、ピンクに発光した。緑谷自身も幾度か経験した、地面から解き放たれた足の力が伝わらない感覚と共に、麗日により二人を空へ押し上げられた。
「いっけぇえええーー!」
ゆっくりと浮遊して上へ、上へと浮き上がる二人を見送った矢先ーー自動ドアが開いた。
「そんなーー!?」
飯田達の抵抗虚しく、突破してきた警備ロボ達が続々と自動ドアから雪崩れ込んできたのだった!
「麗日さん!!」
「個性を解除して逃げて!!」
メリッサの声に、麗日は駄目だと返した。
「できひん!そんな事したら、みんなを助けられなくなる!!」
「お茶こさぁん!」
緑谷は考えた、個性を使って引き寄せるには、今の自分では負荷がかかり過ぎる!ウィップガントレットの範囲にはまだ連絡橋まで届かない!せめてあと少し、ほんの少しあればと歯噛みした。
早く範囲に入ってくれ、早く、早く!そう念じた矢先、最前列の警備ロボが麗日に飛びかかった瞬間ーー。
「屈みなさい!!」
麗日は言われるがまま、その場に屈んだ。
そして、背後から彼女の上を通過したのは……。
蒼い炎だった。
あまりに無慈悲で、火でありながら冷たさすら感じるその蒼炎が、ロボット達を押し返すどころかボディを融解させて、中の回路すら焼き焦がしたのだった。
「息子が行くんだ、邪魔をしないでもらおうか?」
くしゃくしゃの緑髪の男が、吐き終えた蒼い炎の勢いを弱め、警備ロボ達を睨みつけていた。
「父さん!!」
「出久くんの父さん!?」
緑谷久……出久達と合流!!しかし、一度の炎では遮れない程、警備ロボ達はまだまだ数を有していた。